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9、阿修罗 绘卷第二章:天魔 ...
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自分の霊神体を破壊した阿修羅は戦いに飢えていて、この闘技場のような深淵はとても居心地がよかった。かつて彼の霊神体を呑み込んだ魔神達は、例外なく彼の獲物に成り下がった。
毁去自己灵神体的阿修罗嗜战成性,在斗兽场一般的深渊中如鱼得水,而所有曾经吞食过他灵神体的魔神,如今都成为了他的猎物。
この深淵には、とんでもない秘密が隠されている。十善業道…それは帝釈天が作り上げ、能力によって天人を価値づける制度だ。能無しとされた天人は、全員罪人となり、深淵に追放される。深淵の獄には大量の霊力が集まっている。罪人は死ぬことすら叶わず、互いを喰らいあい、最後は魔神に成り下がり、生も死もない煉獄で永遠に足掻き続ける。
在这深渊之中,实则隐藏了惊人的秘密。十善业道——是由帝释天所创立,将天人按能力强弱分出优劣的制度。任何被判定为劣等的天人,都将被定罪流放,打入深渊。深渊之狱里聚集了大量灵力,罪人们求生不得求死不能,只能互相吞食,最后都化为魔神,永远挣扎在无生亦无死的炼狱中。
深淵の獄では、罪人の悲鳴と叫びが一時も絶えなかった。悔しいと思う者がいる。例え魔物になっても、必死に生き残って、いつの日か、光の世界に戻ることを夢見ている。堕落を拒む者がいる。魔神に食われるくらいなら、命を絶ってくれと阿修羅に請う者が後を絶たなかった。
深渊之狱中,无时无刻不充斥着罪人们的哀嚎和哭喊。有人心有不甘,哪怕化为丑陋的魔物,也一心存命,期望着有朝一日,得以重见天日。有人却不甘堕落,惧怕被魔神吞食,于是前仆后继地到阿修罗的面前求死。
こうして阿修羅は罪人の血を啜り、魔神を狩るようになった。しかし天界の罪人は減るどころか増える一方で、深淵の獄の囚人も日に日に増えていく。
于是阿修罗饮罪人之血,猎杀魔神为食,然而天界罪人层出不穷,深渊之狱的囚徒依然只增不减。
魔神の心臓から九十九個目の欠片を抉った時、全ての欠片が光の玉へと姿を変えた。欠片は蛍火のように、互いを引き寄せて、最後は六本の触手になった。生まれ変わった触手は大きすぎて、遥か遠くにある深淵の出口にも、手を伸ばせば届きそうだ。彼の強さは深淵の獄中に知れ渡り、彼に追従する魔物達は後ろで拍手をしたり、跪いて喝采を上げたりする。
待到第九十九片碎片被他从魔神的心脏中挖出,所有的碎片终于化作光点。碎片如同萤火,扑向彼此,最终化为六条触手,新生的灵神体巨大无比,哪怕是遥不可及的深渊出口,仿佛也能一手触及。整个深渊之狱,那些被他的强大所征服,终日追随在他身后的魔物们纷纷拍手欢呼,转眼间又跪在地上,高呼万岁。
「祝え、天魔様の宿願成就を!」
“恭喜天魔大人,达成夙愿!”
しかし阿修羅は、生まれ変わった霊神体の真ん中に手を伸ばした。そこには彼の胸と同じ、心の形の抜け穴がある。最後の欠片は、霊神体の一番大切な心魂だ。しかし深淵中を探し尽くし、暗闇の隅々まで探し回ったが、結局阿修羅は自分の心を見つけられなかった。心魂が見つからなければ、阿修羅はいつまでたっても天人の体を取り戻すことができない。
然而阿修罗却抚向新生的灵神体正中,在那里有着一个心形的缺口,与他胸前的如出一辙。最后一枚碎片,灵神体最重要的心魂,即使遍历深渊,找遍了所有黑暗的角落,阿修罗都没能找到自己的心。没有心魂,阿修罗就永远无法回归天人之身。
遠くの闇の中から懐かしい笑い声が聞こえる。帝釈天の幻影が幻境の中に現れた。天人の王は白い服を身にまとい、蓮の王冠を頭にかぶっている。ただの幻とはいえ、その神々しさは闇に一筋の光をもたらした。
黑暗之中远远传来熟悉的笑声,帝释天的幻影在幻境中浮现。天人之王身穿白袍,头戴莲花王冠,圣洁无暇,只是一处幻影,就照亮了黑暗一隅。
「天人の体を取り戻したいか?」帝釈天は笑った。「しかしあなたは最初から天人ではないだろう?」
“你想要回归天人之身。”帝释天笑道,“可你又何曾是天人?”
「あなたは同族を屠り、殺戮に溺れ、救った一族に捨てられ、大切に思っていた友人にさえ裏切られ、罪人の血を啜り、魔神の肉を食べる。霊神体を破壊してから、数百年の間深淵を彷徨い続けた。」
“屠戮同族,沉迷杀欲,被自己亲手拯救的种族抛弃,被自己珍视的友人背叛。饮罪人血,食魔神肉,自毁灵神体,徘徊深渊数百年之久。”
帝釈天はさらに問い詰める。「阿修羅、あなたは一体何だ?」
帝释天步步紧逼,“阿修罗,你到底是什么呢?”
幻影が、耳元で問いかける。「あなたは自分が阿修羅だと言い張るけれど、私は違うと思う。あなたはとっくに阿修羅ではなくなった。」
幻影在他耳边质问。“你说你是阿修罗,我却觉得,你早已不是。”
阿修羅は幻影の首を掴み、石の柱に押し付けて、こう言った。「帝釈天、答えはすぐに分かるさ。」
阿修罗伸手一把掐住了那幻影的脖颈,将其抵在石柱上,说道。“帝释天,你马上就会知道答案。”
幻影は消えたが、阿修羅は真っすぐに深淵の奥にある死闘の場に向かった。
幻影随之消散,但阿修罗却径直朝着深渊深处的斗兽场走去。
そこの一番高い崖で、彼は新たに生まれた霊神体を召喚して、六本の鬼手を力いっぱい地面に叩きつけた。すると深淵中が震え始め、地面にはまるで引き裂かれたように裂け目が浮かび上がった。争いに身を投じていた魔物たちは皆地面に倒れ込み、殺し合いを中止せざるを得なかった。阿修羅は鬼手を使って松明を点した。すると壁に、天界へと通じる鎖が見えた。
在斗兽场最高处的悬崖石壁上,他召唤出新生的灵神体,六条鬼手狠狠砸向地面。整个深渊顿时犹如地裂,震撼不止,大地龟裂,所有争斗吞食的魔物都被震得停下手中厮杀,跌坐在地上。阿修罗驱使鬼手点燃火把,照亮石墙上通往天界的锁链。
「貪欲な獣、善悪なき虫けら、頭を上げろ!本当の敵は目の前じゃない、上にいる!」
“只知贪欲的困兽,不知是非的蝼蚁,抬起你们的头来!真正的对手并不在你们面前,而在你们的头顶!”
「お前らは深淵に投げ捨てられ、囚われの身になってもなお、殺し合いを強いられた!弱さが故に罪を問われたが、強くなったあと、お前らはあいつらではなく、仲間同士で殺し合うことを選んだ。光の世界では、皆仲間だった。だが強引に価値をつけられ、死よりも恐ろしい苦痛を味わう羽目になった!」
“你们被丢下深渊,困在此处厮杀,誓要你死我亡!你们因弱小而获罪,如今强大,却不将矛头指向他们,反指向彼此,在光明之中,你们也曾是手足,却被硬分出优劣,求生不得求死不能!”
「帝釈天は弱肉強食を語り、弱者を犠牲にした。この阿修羅は、かつて兵を挙げ十天衆を討伐した。そして今度は帝釈天を討伐する!俺に従いたくないなら、深淵に残り殺し合いを続けるがいい。命令に従うなら、臣下の礼を尽くし俺の名を呼べ!」
“帝释天,借强者之名,牺牲弱者,我阿修罗,曾举兵讨伐十天众,如今举兵讨伐帝释天!不愿跟随的,尽管在这深渊中继续残杀,愿跟随我的,就尽管臣服于我,高呼我的名讳!”
「そして共に天界まで殴り込み、本当の敵と雌雄を決するんだ!」
“然后随我回天界,对着真正的敌人,杀个痛快!”
魔神達はしばらく黙り込んだ。遥かで届かない光を見て、誰もが信じられないという表情を見せた。しかし阿修羅は冗談を言っているわけではなかった。答えを聞く素振りもなく、すぐに振り返って歩き出す。
众魔神们沉寂片刻,望向远处遥不可及的光明,纷纷露出不可置信的神色。却见阿修罗并非说笑,甚至不曾等他们回答,就转身迈步而走。
魔神達はよろめきながら彼について行き、こう叫んだ。
魔神们跌跌撞撞追上前去,大喊道。
「天魔阿修羅!」
“天魔阿修罗!”
一度叫び声があがると、深淵の魔物達は次々に悲しい咆哮をあげ、彼について行った。そして悲しい咆哮は、やがって雄叫びになった。数えきれないほどの魔神は地獄の亡霊のようで、深淵中に響き渡る慟哭をあげた。阿修羅の足元に平伏す黒い波は列をなし、口々に天魔の名を叫んでいる。
此声一出,深渊的魔物们纷纷跟着哀嚎,追上他的脚步,转而又汇聚成嘶吼,无数魔神如同地狱亡灵,发出响彻深渊的恸哭,如黑浪般前赴后继地臣服于阿修罗脚边,口中还高呼着天魔之名。
「阿修羅!阿修羅!」
“阿修罗!阿修罗!”