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8、阿修罗 绘卷第一章:深渊 ...

  •   深淵

      尽きることのない闇、底見えぬ地獄、ここは天域の底にある深淵の獄。

      无尽的黑暗,深不见底的地狱,这里是天域最底层的深渊之狱。

      深淵に追放された悪鬼と罪人、そして原生の魔神たちは、ここで未来永劫続く殺戮を繰り返すことしかできない。

      被丢进深渊的恶鬼和罪人,以及原本就生息于此的众魔神,只能永远在这里持续不断地杀戮,

      □□は幾度も滅びたが、魂が死ぬことはない。

      深陷于肉身不断被毁灭的痛苦之中,灵魂却无法死去。

      伝説の闘神阿修羅も深淵の奥深くに封印されている。

      传说中的战神阿修罗就被封印于深渊的最深处。

      目覚めた時、阿修羅は深淵の一番奥の結界の牢獄に閉じ込められ、霊神体も幾重にも重なる鎖で縛られていた。□□は自由に動けるが、この牢獄を出ることは叶わない。との力を横取りしたい深淵の悪鬼は、彼を食らい尽そうと結界に侵入するたびに、阿修羅に素手で八つ裂きされてしまう。

      阿修罗醒来时,就在这深渊最深处的结界牢笼之中,重重锁链将他的灵神体束缚。他虽然肉身行动自如,却无法离开这座牢笼。深渊中的恶鬼觊觎战神之力,想将他分食,然而每当闯入结界,又被阿修罗徒手撕成碎片。

      月日が流れ、牢獄には死体の山が出来上がり、やがて骸骨に埋め尽くされた牢獄には足の踏み場もなくなった。開き直った阿修羅は殺した魔神の頭蓋骨を椅子代わりにして、いつもそこで瞑想している。

      天长日久,牢笼之中尸骸遍地,层层叠叠布满了恶鬼骸骨,再也无处落脚。阿修罗索性将所斩杀的魔神头骨作为座椅,终日坐在头颅上闭目养神。

      □□は静かに座っているが、霊神体は阿修羅の本能とも言える殺意を顕にした。六本の触手は獰猛な獣の如く足掻き続け、結界の外に向かって結界を突き破り、外から中の様子を覗く悪鬼達を切り裂いて喰らいつくし、思う存分暴れようとしている。しかし触手は結界の力には抗えない。結界を越えるたびに、触手は魔神に喰われてしまう。

      纵使肉身静坐,灵神体却难掩阿修罗心中本能的杀欲,六条触手如同六头恶兽,不断挣扎着,朝着结界边缘伸展,意欲冲破结界,将结界外窥视的恶鬼们撕碎、吞食,好好地快意一场。然而触手被结界死死压制,每当伸出结界,反而被魔神们当作美食啃噬。

      しかし、阿修羅の強すぎる力のせいで、翌日になると、喰われた霊神体は再生し、また結界の外に出ようと試みる。それを何度も繰り返している。魔神達は阿修羅には敵わないと悟ったのか、牢獄の周りを彷徨い、その触手を喰いながら、かつての英雄を嘲笑う。

      即使如此,因阿修罗强大的力量,到了第二日,被残食的灵神体又会恢复如初,再次探向结界的边缘,周而复始。魔神们心知不是阿修罗的对手,干脆在牢笼外徘徊,以阿修罗的触手为食,一边嘲讽昔日的英雄。

      「かつての闘神とやらを見てみろ、何という無様な姿だ。抗うことに何の意味がある?結局、我々と同じ羽目になっちまったじゃねえか。」

      “看着曾经的战神,如今是多么可悲的样子。即使再抗争又如何?到头来,也不过落得与我们为伍的下场。”

      「やつは天人を鬼族から守ったが、最後は悪鬼の巣窟に蹴落とされたんだ。」

      “他一手将天人从鬼族的手里救出来,却被一脚踢进了恶鬼的巢穴。”

      魔神達は闇の中で哄笑した。「こいつは端から闘神なんかじゃねえ、最後まで、帝釈天に利用されていただけだ。」

      魔神们在黑暗中大笑。“这家伙根本就不是什么战神,自始至终,都不过是在被帝释天利用罢了。”

      「所詮やつは帝釈天の手駒に過ぎん。」

      “他不过就是帝释天的一颗垫脚石。”

      帝釈天の名前を聞くと、阿修羅は急に目を見張り、無慈悲に外にいる魔神を見据えた、すると、魔神達は突然黙り込み、息を殺して彼の反応を窺い始めた。恐怖に戦く魔神達は彼を畏れ、一目散に逃げる。ただ一体だけ、帝釈天の名前を口にした魔神は、途中で阿修羅に呼び止められた。

      听到“帝释天”三个字时,阿修罗突然睁开了双眼,冷冷看向牢笼外的魔神,魔神们顿时噤声,屏息凝神地等他动作。众魔神吓得面无颜色,恐他发怒,急忙四下逃散。唯独那个提及帝释天的,跑到半路被阿修罗喝住。

      「二度とやつの名前を口に出すな、分かったか。」

      “不要提那家伙的名字,懂了么。”

      恐怖にとらわれた魔神の耳には、高く遠くに座る阿修羅の声がちゃんと届いた。おかげで魔神はより一層怖くなった。その言葉の意味を理解したかすら怪しく思った阿修羅は、不満気に言葉を吐き捨てた。「実につまらん。」

      魔神早已被震慑得浑浑噩噩,只觉得阿修罗虽坐得高高在上,声音却犹如在耳边低语,更是吓得涕泪横流。阿修罗似是觉得他没能听懂,更加不屑道。“真是无趣。”

      想像を絶する恐怖を味わった魔神は、逆に勇気が湧いてきて、すかさず言い返した。

      魔神恐惧至极里,反倒生出无尽勇气来,反唇相讥咒骂道。

      「貴様に命令される筋合いはねえ、貴様は今や罪人に過ぎない、この深淵の牢獄を脱出する見込みすらない今、外にいる帝釈天をどうにもできねえよ!」

      “我凭何要听你使唤,你如今不过是一届罪人,被丢入这深渊牢狱里走不出去,更遑论去和帝释天一较高下!”

      「天人の王様に言わせれば、我々は虫けらにも等しい。ここにいる魔物と比べても、貴様は何も違わねえ!」

      “在那天人之王心中你我皆是蝼蚁,你这囚徒和我们这些魔物再无区别!”

      それを口に出した瞬間、魔神は再び恐怖に支配された。しばらく沈黙が続いたが、その後結界の中から耳をつんざく高笑いが聞こえた。石壁の中で木霊する声は、意外にも愉快そうな声だった。

      他说得愤愤然,说完后才觉得后怕。只听片刻沉寂后,结界中传来震耳欲聋的笑声,回荡在石壁之间,竟然是十二分的开怀。

      闇の中、頭蓋骨の上の阿修羅は目を開いた。暗闇の中で残忍な光を放つ真っ赤な目は、魔神よりも深淵の魔物らしく見える。

      黑暗之中,鬼首上的阿修罗睁开双眼,猩红的眼在黑暗中闪着嗜血的光,比魔神更像是生于深渊的魔物。

      阿修羅は目を細めて、魔神の腹の中にいる触手の残像を見て、こう言い放った。「お前はちょうど百人目だ。」

      阿修罗眯起眼,看见自己的触手在那魔神腹中若影若现,说道。“正好你是第一百个。”

      「その目でしかと見届けろ、俺がこの牢獄をぶち壊す光景を。」

      “就让你亲眼看看,我是如何撕碎这牢笼的。”

      彼は仰向いて遠くの光、深淵の出口を見つめた。その言葉に反応するかのように、彼の周りには血生臭い風が吹き始めた。旋風になった風は、鮮血の竜のように、遥か遠くにある出口に向かって突進し始めた。

      他抬头看向远方的光亮,深渊的出口,仿佛是为了响应他的话,夹杂着血腥气的风从下自上围绕着他旋转。又化作旋风一路朝上,竟如同一条血龙,朝着那遥不可及的出口冲去。

      それを見て驚いた魔神は、急に腹痛に襲われた。下を向いてその理由を確認する。その腹から、一本の触手が生えていた。阿修羅の触手と同じ見た目のそれは、主の命令を果たすべく、結界目掛けて突進し始めた。

      魔神看得惊呆,突然觉得腹部绞痛,低头一看。一只触手竟从自己腹部长出,与阿修罗的灵神体如出一辙,此时如同听到了主人的召唤,朝着结界冲去。

      結界の外、後ろの暗闇の中、所々に魔神のうめき声が聞こえる。霊神体を喰らった魔神どもの腹に、烙印が現れた。百本の真っ赤な触手が同時に闇を切り裂き、あらゆる方向から封印に襲い掛かり、結界の鎖に喰らいつく。

      结界之外,身后的黑暗中,四处传来魔神们痛苦的哀嚎,吞食过灵神体的魔神们腹部都亮起了烙印。一百条猩红的触手同时自黑暗中伸出,自四面八方伸向封印,掀动结界中的锁链。

      霊神体の触手は一か八かの勝負に出る。力を全て絞り出し、お互いを刺した。轟音がしたあと、燃え盛る炎が深淵を照らし、巨石が雨のように降り注ぎ始めた。霊神体が自爆する際に起こした爆発は、さらに千を超える封印の結界を起爆させた。爆発に巻き込まれた魔神は悲鳴を上げて逃げ惑う。少しでも遅れると、破裂して粉々になる。肉塊と鮮血が地獄である深淵を血の海に変えた。

      只见那灵神体触手孤注一掷,用尽全力,向着彼此刺了下去。随即爆发出一声巨响,火光冲天几乎将深渊照耀成白昼,巨石如同暴雨般落下。附有千层封印的结界被灵神体自毁那一瞬迸发出的巨大能量所引爆。被自爆殃及的魔神们哀嚎逃窜,跑得慢的则被炸得四分五裂,尸块和鲜血倾泻一地,将这本就是地狱的深渊,更是染成了一片血海。

      血色の霧が消えると、血の海の中、骸骨の山の上、阿修羅のいる魔神の頭蓋骨だけが傲然とそびえていた。結界は触手に爆破され、阿修羅は再び自由を手に入れた。魔神を見下ろすその姿は、民の拝謁を待つ新しく誕生した王者のようだ。

      血雾散去,血海之中,尸骸之上,只有阿修罗岿然不动立于鬼首上。结界已随触手一并炸碎,阿修罗重获自由,立于高处俯瞰众魔神,仿佛是等待子民朝拜的新王。

      爆風に吹き飛ばされたばかりだったが、阿修羅が霊神体を失ったと気づいた途端、魔神達は全員立ち上がり、こう話を切り出した。

      存下的魔神早已被旋风爆炸掀翻在地,见阿修罗失去灵神体,魔神们纷纷爬起,开口道。

      「阿修羅、貴様は自由のために、自分の手で霊神体を破壊した。ここがどんな場所、そして我々はどういう存在であるか忘れたのか?」

      “阿修罗,你自毁灵神体,只为重获自由,又忘了这里是什么地方?我们又是什么东西?”

      「皆帝釈天は狂ったやつだと言っているが、そいつと友人になれる貴様も中々侮れないものだ。狂気に関しては帝釈天にも負けていない。」

      “都说是帝释天疯狂无度,我看你倒真不愧是他旧友,论起疯病有过之无不及。”

      「この深淵には魔神、悪鬼、追放された罪人で満ち溢れている。力がなきゃ、自由など夢のまた夢に過ぎん。」

      “这深渊之狱里满是恶鬼,魔神,和流放的罪人,没有了力量,所谓自由也不过是昙花一现。”

      「霊神体が壊滅した今、我々はその体を…ずたずたに切り裂く!」

      “你如今灵神体已毁,我们要——撕碎你!”

      それを聞いた途端、血色の霧を纏いながら、阿修羅は笑った。

      阿修罗闻言,在血雾缭绕之中,突然笑起来。

      「この煉獄で、その名前を口にしていいのは、俺だけだ。」

      “这整座炼狱,能说那个名字的,只有我。”

      阿修羅が指を鳴らすと、先ほど帝釈天の名前を口にした魔神は急に吐き気を覚えた。一本の触手の先端が魔神の口から出てきたが、根元はまだ腹の中で蠢いている。瞬きする間に、魔神は腹を突き破られ、恐ろしい勢いで血を吐き続けた。殺戮に慣れた魔神も、腑が抜けてしまい、一目散に逃げた。触手が動くと、空にいた数百匹をも超える魔神は反応する間もなく、一体残らず切断された。

      随即一个响指,那开口提及帝释天的魔神突然一阵干呕,一只触手从他口中钻出,根部在他腹中不断扭动。转瞬就将他开膛破肚,鲜血从口中喷薄而出,饶是魔神见惯了血腥,也吓得失了颜色,纷纷逃命。触手一扫而过,空中的数百魔神尚来不及反应,瞬间被齐齐腰斩。

      一瞬で、そこは肉塊が飛び交い、悲鳴が入り乱れる地獄と化した。

      一时间断肢横飞,哀嚎遍地。

      殺戮の後、触手は満足したのか、再び魔神の口の中に戻った。ほっとしたが、魔神は不意に見た。玉座を下り、転がる死体を踏みにじり、血の海を越えて一歩また一歩と迫ってくる阿修羅の姿を。這い蹲いながら、魔神は逃げようとした。しかし動き出す前に、阿修羅の手がその体を貫いた。

      杀戮一通后,触手似是终于心满意足,缩回魔神口中。那魔神才要松一口气,抬头看到阿修罗已跳下鬼首,踩着遍地尸骸,在血海中一步一步朝着自己走来。急忙手脚并用,攀爬着想要逃命,然而未能迈出一步,就被阿修罗一手穿心。

      魔神が下を向くと、自分の腹を貫いた阿修羅の手に、真っ赤な霊神体の欠片が握られているのが見えた。それは戦神の力を我が物にしようと、呑み込んだものだった。

      魔神低下头来,只看到阿修罗的手臂穿过腹部近在眼前,手中还握着一块猩红的灵神体碎片,正是自己曾经贪图战神之力,吞食下去的。

      「まさ…か…」魔神は死ぬ前に問おうとしたが、顎を砕かれたせいで、それを口にできなかった。

      “怎么……会……”魔神在死前最后一刻问道,却因碎了下巴,无法问出口。

      阿修羅が腕を抜くと、魔神はばたっと倒れた。真っ赤な欠片はすぐ彼に吸収され、再び主と一体化した。

      阿修罗收回手臂,魔神应声倒地,猩红的碎片很快就被他吸收,重新和他化为一体。

      「強者は生き残り、弱者は地獄に堕ちる。力なき者にとって、自由など夢話に過ぎない。ましてや愛憎など。俺は闇の申し子として生まれたが、怪物になりたくないから、愛憎が、人情が欲しい、普通の人になりたいと思った。」

      “强者生存,弱者堕入地狱,在没有力量之人面前,自由也不过是昙花一现,更遑论爱恨。我生来就是黑暗之子,却不想做一个怪物,我想要爱恨,想要情谊,也曾想要做个普通人。”

      「しかし残念ながら、全て空回りだった。」

      “只可惜,到头来不过是一场空欢喜。”

      暗闇の中、魔神達の赤い目が静かに彼を見つめる。阿修羅の力を呑み込んだ彼らの腹には、かつての貪欲さが招いた罪業を示す赤き烙印が浮かび上がった。

      黑暗之中,魔神们猩红的双眼沉默地注视着他,他们因吞食了阿修罗的力量,而在腹上浮现了猩红的烙印,昭示着曾经的贪婪所种下的孽业因果。

      「だったら、俺が魔の神になってやる!この阿修羅が、百の魔神を屠り、力を取り戻す。そしてこの光なき深淵の王となり、光の元に戻り、俺に償うべき、人々に償うべきものを、全て蹂躙してやる。」

      “既然如此,我便来做那魔中之神!我阿修罗,誓将斩一百魔神,夺回属于我的力量,在这暗无天日的深渊称王称神,再回到光明之中,把那亏欠于我的、亏欠于世人的,全都碾碎于脚底。”

      阿修羅は再び上を仰ぎ、深淵の上にある光を目におさめた。

      阿修罗再次抬头,他看向深渊顶端的光明。

      「刮目せよ。この深淵の炎は、お前の偽りの天国を…悉く灰燼に帰してみせる。」

      “好好看着吧。这深渊里的火,将把你那虚伪的天国——烧成灰烬。”
note作者有话说
第8章 阿修罗 绘卷第一章:深渊

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