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37、红莲华冕 昨日之境⑥深渊夜话 ...

  •   深淵夜話

      ……鬼域深淵、竜巣城の片側にある森の近く

      ——鬼域深渊,龙巢城一侧的树林附近

      【煉獄茨木童子】

      「友よ、石橋は砕け、阿修羅と帝釈天は下に落ちてしまった。恐らく先行きは暗いだろう!」

      挚友,石桥已经碎裂,阿修罗和帝释天就这么掉了下去,恐怕凶多吉少!

      【鬼王酒呑童子】

      「何を怖がってる、あの二人は決して只者ではないと言ったはずだ。そうあっけなく死なれては、この俺の面子が潰れるじゃねえか。無事に橋を渡った者は何人いる?」

      怕什么,我说过那两人绝不是等闲之辈。如果他们就这么死了,岂不是本大爷砸了自己招牌。顺利过桥的有多少人?

      【翼団兵士甲】

      「最初は半数近くおりましたが。あの不気味な神器が現れるや否や、皆の霊神体が制御できなくなり、消えてしまいました。状況が逆転し、我々は多くの兵士を失いました……今は、二割しか生き残っておりません。」

      本来有近一半的人。但是那个诡异的神器一出现,所有人的灵神体都不受控制地消失不见。局势逆转后,我们折损了许多兵力……如今,只剩下两成了。

      【鬼王酒呑童子】

      「正面から城門を突破するのは不可能になったようだな。十天衆の援軍は、端から来るつもりが無かったのだろう。全員俺について来い。崖付近の森に潜入し、人目につかない場所で駐屯する。そこのお前、軽傷で済んだ信頼できる部下を数名集め、当番制で崖を見張るよう命じろ。よじ登る気力が残っている者を見つけたら、拠点に連れて帰り治療を施せ。軍の中に医者はいるか?」

      原本正面攻城门的法子是行不通了。十天众的援军,肯定是一开始就没打算来。所有人先跟着我潜伏去悬崖近处的树林里,找个隐蔽的地方扎营。你,找几个信得过又伤得不重的下属,轮番去悬崖边上巡视。看看有没有人能爬上来的,带回营地来救治。随军的人还有军医吗?

      【毘瑠璃】

      「怪我人の治療なら、私が!」

      我可以救治伤员!

      【煉獄茨木童子】

      「毘瑠璃?なぜお前がここに!」

      毗琉璃?你怎么会在这里!

      【毘瑠璃】

      「歩兵の衣装を盗み、皆が琉璃城を出た時、こっそり後ろをついてきた。橋を渡る時も、歩兵の中に隠れていた。」

      我偷了步兵的衣装,在你们离开琉璃城时偷偷跟在了队伍的后面。过桥时混在步兵之中。

      【煉獄茨木童子】

      「まったく……以前琉璃城を離れたせいで、城が陥落し、鬼族に占領された事を忘れたのか!」

      你简直是……你忘了之前贸然离开琉璃城,导致全城失守落入鬼族手中的事了吗!

      【毘瑠璃】

      「もちろん忘れてなんかいない、でも今回は事情が違う。当時の鬼族には、琉璃城の付近に伏兵を配置する余力があった。しかし今は痛手を負って戻って来た。主力は全て、あなた方を迎え撃つために、ここに集っている。出兵するとしても、我々と同じ道で遭遇するでしょう。琉璃城は竜巣城に最も近い天人の都。竜巣城を討伐しなければ、琉璃城に平和な日々は一日たりとも訪れない。ましてや私の姉の蘇摩は、迦楼羅に攫われてしまった。彼女は琉璃城になくてはならない存在であり、私も彼女無しでは生きていけない!」

      当然没有,然而此一时彼一时。那时的鬼族有余力在琉璃城附近布下伏兵。现在元气大伤班师回朝,主力都在这里迎战你们。就算要出兵,也会和我们在同一条路上撞见。琉璃城是离龙巢城最近的天人城市,龙巢城一日不除,琉璃城就不能安宁。更何况迦楼罗掳走了我的姐姐苏摩。琉璃城不能没有她,我也不能没有她!

      【鬼王酒呑童子】

      「なんとも感動的な姉妹の絆だな。ここまで来たなら、軍医と怪我人の救助をしろ。ついでに、我々の代わりに拠点を見張っていてくれ。」

      这姐妹情倒是感人至深,既然来都来了,你就跟着军医下去救治伤员。顺便替我们看着这营地。

      【毘瑠璃】

      「あなた達はどこへ行くの?」

      你们是要去哪里?

      【鬼王酒呑童子】

      「俺と茨木童子は一日中ここで退屈していたんだ。気晴らしにこの辺りを散策し、竜巣城の下で月でも眺めるつもりだ。茨木童子!来い!この森は窮屈過ぎる、竜巣城の夜景を見たいと言っていたじゃねえか。」

      本大爷和茨木童子闷了一天了,刚好出去转转,看看这龙巢城下的月色。茨木童子!过来!你不是说林子里太无聊,要去看看这龙巢城的夜景?

      【煉獄茨木童子】

      「何?う、うむ、友の言う通りだ!今すぐ夜景を見に行こうではないか!」

      啊?呃、嗯,挚友说的没错!我们这就去看看夜景!

      【毘瑠璃】

      「二人とも……おかしな人達。」

      这两个人……真是怪人。

      ……鬼域深淵、入口付近

      ——鬼域深渊,入口附近

      【鬼王酒呑童子】

      「ここだ。霊力は東から西へと流れて来て、ここで合流し、最後に深淵の中に入っていく。だが、俺が深淵の中から感じた圧迫感は消えている。膨大な量の霊力が吸い込まれている。こんな無限の霊力、たとえ大妖怪だとしても耐え難いだろう。竜巣城は確かに深淵の入口の真上に建築されている、迦楼羅の実力も侮れん。だが彼はどうも全てを知っている様には見えない。今日橋を渡った時、彼は金翅鳥に天人の兵士を深淵の中に蹴落とすように命じた。そして、阿修羅のせいで、自分が深淵に落ちる一歩手前まで追い詰められると、慌てて切り札の神器を使った。深淵の中には霊力が集っている、恐らく落ちても死にはしない。もしそれを知っていれば、追手を送らないはずはないだろう?」

      就是这里了。灵力从东往西流动,一路到达这里,汇聚在这一带,最后下沉进入深渊之中。但之前本大爷感受到的来自深渊中的压迫气息倒是不见了。被吸食的灵力如此巨量,即使是大妖也承受不了这样源源不断的灵力流动。龙巢城确实建在这深渊入口之上不错,那迦楼罗也有不错的实力。但是怎么看他都不像是知情的样子。今日过桥时,他号令金翅乌将天人士兵踢入这深渊。又因阿修罗险些使他坠入深渊,情急之下拿出了杀手锏神器。这深渊中灵力汇聚,掉下去恐怕也不会死。如果他知道这一点,又怎么会不派追兵?

      【煉獄茨木童子】

      「そういえば、我々がこの竜巣城に接近した時、二度も突然出現した霧に遭遇し、道に迷ってしまった。あれは迦楼羅が仕掛けた結界だと思っていたが、今日大軍が橋を渡った時、霧は出現しなかった。どうやら迦楼羅とは関係ないようだ。深淵の件の黒幕は恐らく他にいる……友はそれに気づいて、橋の上で二人に手出しせず、突然立ち止まったという訳か?」

      这么说来,我们两次接近这龙巢城,都遇见了突然出现的大雾,迷失在其中。我原以为是这迦楼罗设的结界,然而今天大军过桥,这大雾却并没有出现。似乎和迦楼罗并无关联。这深渊之事的罪魁祸首,恐怕另有其人……挚友你是察觉到这一点,才会在桥上对他们二人袖手旁观吗?

      【鬼王酒呑童子】

      「ああ、そうだ。」

      正是。

      【翼団兵士甲】

      「お二方、やはりお二方の予想通り、闇に隠れて深淵からよじ登って来た仲間を沢山見つけました。間一髪で阿修羅様が鉄網を広げ、彼らの命を救ってくれたそうです。ですが阿修羅様は帝釈天様を救う為に、共に谷底へと落ちていきました。」

      两位大人,果然如二位所料,我们在深渊边沿找到了许多趁夜色爬上来的同伴。他们说是危急之时阿修罗大人张开铁网救了他们一命。然而阿修罗大人为了救帝释天大人,最终二人还是跌落了谷底。

      【鬼王酒呑童子】

      「何を慌てている?少し待てば、二人とも自力で上がってくるかもしれない。俺と茨木童子は先に帰る。他に何かあるなら、二人が上がってきてからにしろ。」

      急什么?再等些时候,他们两个兴许自己就上来了。我和茨木童子先回去了,还有什么事,等他们上来了再说。

      【煉獄茨木童子】

      「友よ、わざと天人を避ける理由は、まさか……」

      挚友,你故意避开了那些天人,难道说……

      【鬼王酒呑童子】

      「天人相手にも油断は禁物だ、言っただろう?阿修羅と帝釈天は只者じゃねえ、この酒呑童子が自分の面子を潰すことは決してない。」

      对着这些天人也不要放松警惕,本大爷不是说了吗?阿修罗和帝释天不是等闲之辈,我酒吞童子是不会自砸招牌的。

      ……深淵の底

      ——深渊地底

      【阿修羅】

      「いや。帝釈天、俺は行かない。昼間お前は俺を助けた、俺もお前を見殺しにはしない。」

      不。帝释天,我可不会走。白天你救了我,我也不会见死不救。

      【帝釈天】

      「私のようなお荷物を抱えて、どうやって上に登り、兵士達と再会するつもりだ?」

      带着我这种累赘,你如何爬上去,和将士们团聚?

      【阿修羅】

      「生き残った兵士達に上で待つよう伝えた。お前を置いて俺一人で戻るなど、空約束にも程がある。」

      我已经让存活的将士们在上面等我们。到时候只有我一个上去了你却不在,岂不是我食言了?

      【帝釈天】

      「あなたに何を言っても無駄だ。今すぐ私がこの場を去る……これから私が魔神に食われようと、餓死しようと、あなたとは無関係だ!」

      多说无益,我这就走……之后我无论是被魔神吃掉,还是饿死,都与你无关!

      【阿修羅】

      「確かに何を言っても無駄だな。お前はあんな物を飲んで、馬鹿げたことを口走っている。これ以上は一言たりとも聞いてやらん。」

      多说确实无益。你现在吃了那东西,满口胡话,你再多说一个字,我也不会听。

      阿修羅は深淵から拾ってきた鎖を取り出し、有無を言わせず帝釈天をきつく縛った。帝釈天の罵声にも聞く耳を持たず、彼を自分の背中にくくりつけた。阿修羅は手に持っていた給水袋を帝釈天に押しつけ、彼を背負い、絶壁を這いながら上へ登っていく。

      阿修罗拿出一条深渊里捡来的锁链,不由分说把帝释天捆了个结实。不顾帝释天的咒骂,把他绑在了背上。他把手中的水袋塞给帝释天,背着他顺着峭壁开始往上爬。

      【阿修羅】

      「罵声は聞き飽きた、こんな高い崖、登るのにどれだけ時間がかかるかわからない。もう登り始めたんだ、落ちれば今度こそ共倒れになるぞ。少しはまともに話してくれないか?」

      你别骂了行不行,这悬崖这么高,我爬上去都不知道要到什么时候。上都上来了,再掉下去就真是一起死了。你就不能好好和我说说话?

      【帝釈天】

      「ふう…………全くもって人の話を聞かないやつだ。共に地獄へ落ちる?望むところだ。」

      呼————你这家伙如此不听人话,我恨不得现在跟你同归于尽。

      【阿修羅】

      「随分と手のひら返しが早いな。昼間橋の上で、俺に縋りついて失望することなどないと言ったばかりだというのに。」

      你变脸可真快,今天上午在桥上,还抓着我说永远不会对我失望。

      【帝釈天】

      「失望なら今正にしている。」

      我现在就十分失望。

      【阿修羅】

      「なるほど、どうりで俺にお前の何が分かるなどと言ったわけだ。失望するか否かの基準が確かに独特だ。」

      原来如此,难怪你说我对你不够了解。你对人失望的标准确实独特。

      【帝釈天】

      「阿修羅!冗談を言っている場合か!」

      阿修罗!这不是开玩笑的时候!

      【阿修羅】

      「冗談を言っているつもりはないが。俺は本気でお前を理解しようと、お前をよく知りたいと心から思っている。だが俺はお前ほど察しが良くない。故に、お前に教えて欲しいが、そんなお前は口を固く閉じる。ならば極端な行動を取り、お前を怒らせることで試す他に術はない。つまり、お前が今怒っているのは全てお前自身のせいだ。俺に教えてくれなかった自分を責めるんだな。」

      我没有和你开玩笑。我是货真价实地在试图理解你,想了解你。我没有你那么缜密的心思,想要你直接告诉我,你又不肯说。我只能做些极端的事情,来试探你。所以你现在心急生气,说到底还应该怪你自己身上,谁让你不肯告诉我?

      【帝釈天】

      「……」

      【阿修羅】

      「お前の能力が欲しい。そうすれば、簡単に人の考えを知ることができる。」

      真想要和你一样的能力,能够轻易就看透人心。

      【帝釈天】

      「……阿修羅、私は自分の能力が好きではない。」

      ……阿修罗,我并不喜欢自己的能力。

      【阿修羅】

      「それは何故だ?」

      这又是为什么?

      【帝釈天】

      「戦が絶えず、戦士も民も酷く苦しんだ。私はその苦しみを分かち合う軍医だった。」

      战争连年不休,从战士到平民都苦不堪言,我是缓解大家痛苦的军医。

      【阿修羅】

      「人の心を落ち着かせるお前の能力、その本質は他人の苦しみを吸収し、その身をもって担うものだということは知っている。」

      我知道你安抚人心的能力,本质是承担和吸收他人的痛苦。

      【帝釈天】

      「そうだ。人々の苦しみは私の精神へと流れ込む。どこへ行こうがこの苦しみからは逃れられない。一人で耐え続けるしかなかった。しかし積年の苦しみは、私の精神を崩壊寸前まで追い込んだ。軟弱だろう?私が受けた苦しみは、帰る場所や最愛の人を失った人々が感じた苦しみの千万分の一にも及ばないというのに。それなのに、私には耐えられないとほざくなんて。こうして悩み続けるよりも、前線で戦えば、少しでも力になることができたし、死に場所も得られた。しかし、後方で兵士を支援する他に能がない私では、戦死することすら高望みだった。」

      没错,众人的痛楚都会流入我的精神里,走到哪里都逃不掉这些苦楚。我只能自己忍下,但积年累月的痛苦几乎将我逼疯。很懦弱是不是?我所体会到的,不及那些流离失所,痛失所爱之人的千万分之一。却胆敢说自己难以承受。与其这样患得患失,不如去前线战斗,至少能够出一份力,死也能死得其所。然而对只能在后方支援士兵的我,连战死都是不可企及的命运。

      【阿修羅】

      「確かにお前の能力は実戦向きではないが。お前の知恵、お前の優しさ、お前の思いやりは、全て前線では貴重な才能だ。」

      你的能力虽然不能胜任实战。然而你的智谋,你的温柔,你的同理心,都是前线不可多得的才能。

      【帝釈天】

      「かつて、私に同じ言葉をかけてくれた人がいた。」

      曾经,也有人对我说过一样的话。

      ……数十年前、竜巣深淵前の天人の要塞

      ——数十年前,龙巢深渊前的天人要塞

      【要塞の戦士乙】

      「何故そう仰るのですか?軍医様ご自身は戦場に行かなくても、私のような者が再び戦場に戻れるのは、全てあなたのお陰です!」

      您又何必这么说?军医您虽然不上战场,但是像我这样的人能重返战场,都是靠您的帮忙呀!

      【要塞の戦士甲】

      「そうですよ、帝釈天様が前線で戦うことはなくても、先日捉えた口を閉ざした捕虜を思い出してください。我々がどんなに苦労したことか。最後には帝釈天様が情報を引き出してくれました。」

      可不是吗,帝释天大人虽然不是前线的人,但是前几日抓来的俘虏死活不肯开口。让我们吃了多少苦头,最后还是帝释天大人弄到的情报。

      【要塞の戦士乙】

      「帝釈天様は貴族ですが、全く威張らず、とても寛大で、何をされても決して怒りません。気に障るとすぐ杖刑を持ち出し、大声で怒鳴る将軍様とは比べ物になりません!」

      帝释天大人虽然是贵族,却一点架子也没有,脾气也好,怎么欺负都不生气。比将军那个一言不合就上军棍的破锣嗓子可爱多了!

      【帝釈天】

      「……最後のは本当に褒めているのか?」

      ……最后那个真的是优点吗?

      【要塞の戦士乙】

      「勿論です!賛美に値し、今後も保つべき素晴らしい長所です!」

      当然是优点了!是要发扬,要保持的大优点!

      【帝釈天】

      「分かった分かった、将軍のようにはならないと誓う。」

      好好好,我答应不会轻易变成将军那样。

      【要塞の戦士乙】

      「それならよかったです!」

      那就好!

      【要塞の戦士甲】

      「では帝釈天様、我々は先を急ぎます!」

      帝释天大人,那我们先走了!

      【帝釈天】

      「ああ、分かった。ずっと変わらず保て、か……決して容易い事ではない。食糧と弾薬が不足し、戦士達は既に満身創痍、援軍はいつまで経っても来ない。私とて、戦士達の痛みを分かち合い、彼らを激励し、共に苦難を乗り越えたいのは山々だが。皆、心の中では知っている。援軍は恐らく、永遠に来ない。私には聞こえる、見える。皆、無理に笑顔を作っている。皆、本当は知っている。十天衆が新たな兵士を派遣するのは、私達が竜巣城の下で戦死し全滅する時だと。もう聞くことをやめてしまえたらいいのに。何故私は皆と同じように自分を騙し、嘘と戯言で自分を麻痺できないんだ。そうすれば少なくとも、残された日々を楽に過ごす事が出来たというのに。忉利天よ、どうか私からこの憎き能力を取り上げてくれ……私が最期に欲しいのは、皆と同じ、ひと時の安らぎに過ぎない。」

      嗯,好。不要改变,一直这样下去吗……谈何容易。这里缺粮短药,战士们早已伤痕累累,说好的援军却迟迟不来。我又何尝不希望分担战士们的伤痛,开导劝慰他们,帮助大家渡过难关。然而,大家心里都明白,援军,怕是永远都不会来了。我能够听到,能够看到,其实大家不过是强颜欢笑。真相已经浮现在了每个人的心中。想要十天众派来新的士兵,除非我们全军覆灭,战死在龙巢城下。我多想不必再听下去啊。为什么我不能像大家一样自欺欺人,用谎言和笑话麻痹自己。这样至少,还能够轻松地度过剩下的日子。忉利天啊,我祈求你收回我这可恨的能力吧……我想要的和大家一样,不过是最后片刻的宁静。

      ……数日後

      ——数日后

      【要塞の将校】

      「どけ、早くどけ!」

      让开,快让开!

      【帝釈天】

      「何が起きた?」

      发生了什么?

      【要塞の戦士乙】

      「あの憎き金翅鳥です、やつらは夜中門番に奇襲をかけ、食糧を奪っていきました!今朝発覚した時には、既に大半の食糧を奪われ、門番たちの屍はもう硬直していました。彼らの心魂は無残に裂かれ、喉には爪で引き裂かれた痕跡があります。」

      是那群该死的金翅乌,他们夜里伏击了守卫,还抢了粮草!早上发现的时候粮草丢失了大半,守卫几个尸体都僵硬了。他们心魂破裂,还被用爪子扯断了喉咙。

      【要塞の将校】

      「邪魔だ!」

      别挡路!

      【帝釈天】

      「将軍様!どういうことですか?ここは本物の治療場ではないのです、彼の傷は到底治せません!」

      将军!您这是什么意思?我这里不是真的军医处,治不好他的伤!

      【要塞の将校】

      「彼はもう助からん、一晩中持ち堪えたが、まともに息ができない。喉が完全に切れていない、これでは息をするのも苦痛だ。彼を楽にしてやれ。幼い頃からこんな場所に送り込まれたんだ。これで彼はようやく解放される。」

      他已经救不过来了,撑了一晚上进气多出气少。喉管没断干净,多喘一口气都只是苦痛。你帮他一把吧,他还是个孩子的时候就被送来这鬼地方,现在终于能离开了。

      【帝釈天】

      「そんな……いえ、私は人を殺めた事はありません!ましてや自分の戦友を!」

      您是说……不,我没杀过人!更何况是自己的战友!

      【要塞の将校】

      「他人の苦しみを和らげることができるのだろう?これがお前の仕事だ。口を閉じて、刀を取れ!これは命令だ!」

      你不是能减轻他人的痛苦吗?这就是你的工作,闭上嘴,拿好刀!这是命令!

      【帝釈天】

      「私は、私には分からない……」

      我、我不知道……

      【要塞の戦士乙】

      「これは彼の最期の願いです。」

      这是他的遗愿。

      【帝釈天】

      「何?」

      什么?

      【要塞の戦士乙】

      「かつて彼と前線で、最期の死に方について話したことがあります。こいつは、あなたの元で死にたいと言っていました。彼は辺境で最も地位の低い民。その上、身寄りのない孤児でした。人に良くしてもらったのは、これが生まれて初めてだと。彼は、あなたの側でなら、ひと時の安らぎを得ることができると言っていました。もし死ぬなら、あなたの側で死にたいと。」

      过去我们在前线一起聊过,如果一定要死,想要怎么死。这小子说过,想死在您这里。他是边境最低贱的平民,又是孤儿,一辈子没有被人这么善待过。他说过,只有在您这里,才能得到片刻的安宁。如果一定要死,他想要死在您的身边。

      【要塞の戦士甲】

      「どう……か……」

      求……你……

      【帝釈天】

      「分かった、分かったから、もう何も言うな、言う通りにする!」

      好,好我知道了,你不要再说话,我答应!

      【要塞の戦士乙】

      「ここです、刀をここへ刺し込めば、もう痛みを感じません。」

      这里,只要将刀送进这里,就不会再疼。

      【帝釈天】

      「怖がらないでくれ、すぐに痛みは無くなる。私が代わりに痛みを受ける。私が……私があなたの恐怖を取り除こう。」

      别怕,马上就不疼了,让我来替你承担,让我来替你……让我来带走你的恐惧。

      【要塞の戦士甲】

      「ありが、とう……」

      谢、谢……

      戦士が息を引き取った後、その場にいた者は皆沈黙した。

      战士死后,在场的几人都陷入了沉默。

      【要塞の将校】

      「食糧の件について調査する、先に席を外すぞ。帝釈天、彼の亡骸を片付ける者は後ほど手配する。」

      我还有粮草的事需要调查,先告辞了。帝释天,他的尸体一会儿有人来打理。

      【帝釈天】

      「……彼は死んでしまった。数日前まで、ここで私達と談笑していたというのに。彼の死に際の恐怖、苦しみ、私は全て……あ……ぐあ……!」

      ……他就这样死去了,分明几天前还在这里和我们谈笑。他死时的恐惧、痛苦,我全部都……啊……呜啊……!

      【要塞の戦士乙】

      「帝釈天様、大丈夫ですか!あなたもきっとお辛いでしょう。当然だ、たとえ死を覚悟した者でも、死に際には悔しさを感じるはず。私のせいです、私が将軍様に進言しなければ……」

      帝释天大人,您没事吧!您一定也很痛苦。也是,无论是多安然赴死的人,死时肯定也是不甘心的。是我的错,我不该劝说将军他……

      【帝釈天】

      「あなたのせいではない。」

      不是你的错。

      【要塞の戦士乙】

      「そうだ、どうしてもお辛ければ、これをお飲みください!」

      对了,如果您实在难受,就吃些这个吧!

      【帝釈天】

      「これは?」

      这是?

      【要塞の戦士乙】

      「これは玉醸と言って、薬酒の一種です。服用するとすぐに痛みが消え、戦場でも恐怖を感じなくなります!私達は毎日飲んでいますが、くれぐれも将軍様には秘密にしてください。あの方はこれが気に入らないようなので。」

      这是玉酿,是一种药酒。服下后马上就不会痛了,还能使人在战场上无所畏惧!我们几个每天都在用,不过你不要告诉将军,他不喜欢这种东西。

      【帝釈天】

      「ありがとう!ごくん……ほんの一口飲んだだけで大分楽になった。さっき死を目前にした時の苦しみは全て消え去り、頭の中で鳴る声も弱まった。これは良いな。まだあるか?」

      谢谢你!咕噜——只是小啜一口马上就舒适了许多。方才触碰到濒死时的痛苦烟消云散,脑海中的嗡鸣也减弱了。这可真是个好东西。你那还有吗?

      【要塞の戦士乙】

      「もちろんです!将軍様に知られないように、秘密にしておいてくださいね!」

      当然!只要您帮我们保密,别告诉将军就行!

      【帝釈天】

      「秘密は守る、私が代わりに保管しよう。将軍の監視の目は、私のところまでは届かない。」

      我这里将军不查,我帮你们看着。

      要塞の兵士たちのすすめで、帝釈天は毎日のように玉醸に頼るようになった。そして、ある朝。帝釈天はやっと玉醸の夢から覚めた。

      在要塞中战士们的推荐下,帝释天每天啜饮玉酿。直到有一天早上,帝释天从玉酿的美梦中清醒过来。

      【帝釈天】

      「ふう…………予想外に辺りが静まり返っている、一体何があった?苦しみも泣き声も消え去った、戦士達は悲しみから解放されたのか?食糧の問題が解決したのか?十天衆の援軍が遂にやって来たのか?将軍様!将軍様!援軍が、援軍が遂に来たのですか?」

      呼…………世界出乎意料的安静,这是怎么了?所有的苦痛和哭号似乎都离我而去了,是战士们不再难过了吗?是粮草的问题解决了吗?是十天众的援军终于来了吗?将军!将军!是援军,援军终于来了吗?

      【要塞の将校】

      「援軍?帝釈天、久し振りに会ったかと思えば、気が狂ったのか?最寄りの町に食糧をもらいに行くところだ、邪魔をするな。それ以上無駄口を叩くと、兵士達の心を乱した罰として、杖刑を下す。」

      援军?帝释天,许久不见你,你这是疯了吗?我还要去最近的城庄借粮草,你就不要添乱了。再说下去,我就按扰乱军心处置,让人打你军棍。

      【帝釈天】

      「どういうことです?援軍が来た訳ではないのですか?そんな、まさか……戦士達の苦しみが消えたのではなく、私に彼らの心の声が届かなくなったのか?私の霊神体が、私の能力が消えた……何故だ?最も憎んだ能力を完全に失ったというのに、心は欠片も釈然としない。それどころか、後悔の波に押し潰されそうだ!遂に、唯一の価値まで失ってしまった!玉醸だ、この後悔を打ち消せるのは、玉醸しか……まだ玉醸はあるか?」

      怎么回事?不是援军来了?等等,难道说……不是战士们的痛苦消失了,是我听不到他们的声音了?是我的灵神体,是我的能力消失了……为什么?我彻底失去了我最憎恨的能力,然而心中却丝毫没有释然,而是翻江倒海的后悔!这样一来,我岂不是连最后的用途,都烟消云散了!而能消除这后悔的,只有……你这里还有玉酿吗?

      【要塞の戦士乙】

      「帝釈天様?」

      帝释天大人?

      【帝釈天】

      「頼むから玉醸をくれ……私はもう霊神体を召喚できない……私の苦しみを和らげることができるのは、玉醸だけだ!」

      拜托你了,我已经无法召唤灵神体了……玉酿能缓解我的痛苦!

      【要塞の戦士乙】

      「何故そんな風になってしまったのですか?今宵の夜勤は私どもが当番です。もし金翅鳥と遭遇し、手も足も出なければ、軍は全滅してしまいます!」

      您怎么变成这样子了?今夜是我们值夜,如果遇到金翅乌毫无反击之力,是必死无疑了!

      【帝釈天】

      「だが私は苦しくて堪らないんだ……このまま苦しみながら死ぬのはいやだ。」

      可是我好痛苦……我不想这样痛苦着死去。

      【要塞の戦士乙】

      「それなら、ここに少し玉醸が残っております。帝釈天様がお望みなら、どうぞ。ですが……」

      那,我这里还有一点。您想要的话就拿去吧,但……

      【要塞の将校】

      「玉醸?この数日間、私の目を盗み、裏でこんなものを使っていたとはな!帝釈天様を檻に閉じ込めろ!看守をつけ、誰も中へ入れるな!この部屋にある物は一つ残らず叩き潰せ!」

      原来你们这些日子背着我,竟然是在偷偷喝玉酿!把帝释天大人给我关在屋里,严加看守,谁也不许进来!这屋里的东西,全都给我砸烂,一个也不许剩!

      ……その夜

      ——当夜

      【要塞の戦士甲】

      「金翅鳥だ!金翅鳥が襲ってきたぞ!」

      金翅乌!是金翅乌杀过来了!

      【要塞の戦士丙】

      「将軍様を守れ!食糧を守れ!ぐああああ!」

      保护将军!保护粮草!唔呃啊啊啊!

      【要塞の戦士甲】

      「死んでしまう、霊神体を召喚できない!」

      我要死了,我召唤不出灵神体了!

      【帝釈天】

      「金翅鳥だ!橋の上から攻めてくる!いつかその日が来るとは知っていたが、いざ目前にすると、私は恐怖で震えた。私はやはり軟弱者だ。いいだろう、私が戦友達を死なせたんだ。金翅鳥の爪に引き裂かれ、己の死で詫びよう!」

      金翅乌!他们杀过桥来了!虽然早知道会有这一天,但当这天来临时,我却还是如此恐惧。我果然是个软弱之人。也好,我害了战友们,就让我死在金翅乌爪下谢罪!

      【要塞の将校】

      「こんなところで何をしている?要塞はじきに陥落する、早くあちらへ逃げろ!早く!」

      你还在这里干什么?要塞守不住了,快给我往那边逃!快去!

      【帝釈天】

      「ですが私は罪人です!私が要塞の皆を死なせたんです!」

      可我是罪人!是我害死了要塞的大家!

      【要塞の将校】

      「罪人?お前が?はははは!覚えておけ!我々を死なせたのは竜巣の金翅鳥と、頭上の十天衆であって、断じてお前ではない!今すぐここから出て行け!」

      罪人?你?哈哈哈哈!记住!害了我们的是龙巢的金翅乌,是头上的十天众,但唯独不是你!现在,给我滚!

      【要塞の戦士丙】

      「帝釈天様、こちらです!」

      帝释天大人,这边!

      【要塞の戦士乙】

      「帝釈天様!最後の食糧と装備を用意しました、急いでください!我々があなたを護衛します!」

      帝释天大人!我们已经集结了最后一点粮草和装备,快!我们护送您逃出去!

      【要塞の将校】

      「迦楼羅!この程度の人数で私を仕留められると思っているのか!たとえ私が死んだとしても、彼らには決して手を出させんぞ!ぐあああ!」

      迦楼罗!你以为这点人就能震慑到我吗!我今天就是死,也不会让你追上他们!呃啊啊啊!

      【帝釈天】

      「将軍様!!」

      将军!!

      【要塞の戦士丙】

      「帝釈天様、ご安心ください。この馬車はあなたのためにご用意したものです。夜明け前までに琉璃城に着くことができるはずです、そうすればもう心配いりません!」

      帝释天大人放心,这马车是专门为您备下的。不到清晨,我们一定赶到琉璃城,到那里就安全了!

      【帝釈天】

      「なぜ私を助ける?私は役立たずの貴族でしかない、ここで死んだ方がましだ!」

      为什么要救我?我不过是个无用的贵族,还不如死在这里!

      【要塞の戦士乙】

      「今更何を仰りますか!あなたのお力がなければ、我々は今まで生き延びる勇気などありませんでした!」

      事到如今您还在说什么!如果不是您,我们又哪能有勇气活到现在!

      【翠甲鬼】

      「どこへ逃げる!迦楼羅様の命令だ、一人たりとも生かしておくわけにはいかぬ!」

      哪里逃!迦楼罗大人说了,一个活口都不能留!

      【要塞の戦士丙】

      「うわあああ!俺に構うな、早く逃げろ!必ず帝釈天様を安全な場所に送り届けるんだ!」

      唔啊啊啊啊!不要管我,你们快逃!一定要把帝释天大人送到安全的地方!

      【帝釈天】

      「だめだ!行くな!彼を見捨てるな!彼は怖がっている、怖がっているんだぞ!」

      不!不要走!不要丢下他!他在害怕,在害怕啊!

      【要塞の戦士乙】

      「心配するな!必ず帝釈天様を琉璃城まで連れて行く!」

      你放心!我一定会把帝释天大人,送到琉璃城!

      【帝釈天】

      「だめだ!」

      不!

      帝釈天の語りは終わった。阿修羅は崖を登り続けている。

      深淵の底はとうに見えなくなり、頭上には益々明るくなった月明かりがさしている。

      帝释天的故事结束了,而阿修罗还在攀爬。

      深渊的崖底早就看不见了,而上方是逐渐变得明亮的月光。

      【帝釈天】

      「その後、金翅鳥の追手により、彼らは私を護送する道中で次々に死んでいった。私は酷く後悔した。もし私が自堕落の道に走っていなければ、せめて最後の逃亡中には彼らの役に立てただろう。だが、私は彼らが苦しみ死んでいく姿を茫然と見る事しか出来なかった。彼らは命の最期にさえ、ひと時の安らぎも得られなかった。私は逃げることを選んだ軟弱者だという事を、死んだ仲間の一人一人が思い出させる。私の命は、運命に立ち向かう勇気を持つ、真の強者の命と引き換えに拾ったものだ。私には相応しくないことを、私だけが知っている。

      那之后,在金翅乌的追击下,他们一个个葬身在护送我逃亡的路上。我悔不当初,若不是我自甘堕落,在最后的逃亡路上至少还能够帮到他们。而不是像这样无能为力地看着他们痛苦死去。哪怕在生命的最后一刻,都无法获得安宁。每一个死去的同伴,都好像在提醒我只是一个逃避的懦夫。我的性命,是那些真正的强者,那些勇于面对自己命运的人,拿鲜血换来的。只有我自己知道,我根本不值得。

      【阿修羅】

      「だからお前は翼の団を立ち上げた。」

      所以你才成立了翼之团。

      【帝釈天】

      「ああ。」

      是。

      【阿修羅】

      「お前はここへ戻り、彼らが、お前達が果たせなかった責務を今度こそ全うするつもりだったのか。」

      你想要回到这里,完成他们,完成你们未尽的职责。

      【帝釈天】

      「そうだ。」

      是。

      【阿修羅】

      「だが彼らは、お前にこんな苦しみを背負わせたいが為にお前を救ったのではない。そう考えたことはないのか?」

      但你有没有想过,他们救你,根本就不是为了让你背负这样的痛苦。

      【帝釈天】

      「分かっている。しかし夢から覚める度に、またあの夜に戻ってしまう。自らここへ戻らねば、本当に解放されないと気づいたんだ。」

      我知道,但是每次从梦中醒来,我依然会回到那个夜晚。我明白我必须真的回到这里,才能真正的离开。

      【阿修羅】

      「帝釈天、お前はここから解放される、俺と一緒にな。二人でここを出た暁には、凱旋となるだろう。民は俺達を歓声とともに出迎え、花束を贈る。十天衆さえも、冷たかったお前の家族さえも、自ら城から出て迎える。善見城の城門前で、お前の帰りを待っていてくれる。夜が更け、お前が眠りにつくと、夢の中ではかつての戦友と将軍が笑顔で迎えてくれる。彼らはこう告げる、お前が解放される時は来た、と。そして目が覚めると、そこには俺が、翼の団の仲間達がいる。俺達はこう告げる、お前が解放される時は来た、と。」

      帝释天,你会离开这里的,我们会一起离开。等到我们离开这里的时候,会是乘胜归来。会有平民为我们夹道欢送,会有村人为我们送上鲜花。就连十天众,就连一直冷待你的家人,都会亲自出城来。在善见城城门下,恭迎你归来。而到了夜里,等你睡下,在你的梦里,你曾记得的战友还有将军都会笑着走出来。他们会告诉你,你该走了。而等你醒来,你会看到我,会看到翼之团的兄弟们。我们会告诉你,你该走了。

      【帝釈天】

      「そんな日が本当に来るのか?」

      会有那么一天吗?

      【阿修羅】

      「来るさ。」

      会的。

      ……鬼域深淵、竜巣城の片側にある森の近く

      ——鬼域深渊,龙巢城一侧的树林附近

      【鬼王酒呑童子】

      「ほらな、あの二人ならきっと無事だと言っただろう。」

      看吧,我说了他们两个肯定没事。

      【煉獄茨木童子】

      「見事な予想だ、友よ!」

      挚友料事如神!

      【毘瑠璃】

      「治療は私に任せて。」

      容我为你们医治。

      【帝釈天】

      「なぜ毘瑠璃がここに?」

      毗琉璃怎么会在这里?

      【毘瑠璃】

      「話すと長くなるけど、私はただ助けに来たの。」

      说来话长,我只是来帮忙的。

      【阿修羅】

      「あと何人残っている?」

      还剩下多少人?

      【翼団兵士甲】

      「全部で二百三十五人です。」

      一共是二百三十五人。

      【帝釈天】

      「早朝に点呼を取った時は千人以上いた軍隊が、夜には数百人しか残っていないとは。」

      清晨列队时是千人之兵,到了夜里,竟只剩下百人。

      【阿修羅】

      「まだ十分戦える。」

      尚可一战。

      【帝釈天】

      「双方の実力がこんなにもかけ離れているんだ。援軍が来る兆しもないというのに、どうやって百人で城を攻め落とすつもりだ?」

      实力如此悬殊,援兵又遥遥无期,如何凭百人攻下龙巢城?

      【阿修羅】

      「竜巣には門が二つある。本来はお前と俺が正門に陽動攻撃を仕掛け、光明天が兵士を率いて後門を攻めるはずだった。光明天は来なかったが、まだお前と俺がいるだろう。昼間に正門で熾烈な戦いを繰り広げた後に、まさか夜中また俺達が後門から奇襲をかけるとは、迦楼羅も予想出来まい。彼らは勝ったばかりで、守備に隙が生じているはずだ。つまり、陽動攻撃は既に完了している。」

      龙巢有两门,本该是你我佯攻前门,光明天率兵攻打后门。如今他虽然没有来,你我却还在。我们白天在前门一场大战,迦楼罗定然不能预见夜里会有人从后门奇袭。他们刚刚得胜,夜里一定守备松懈,佯攻其实已经事成。

      【帝釈天】

      「守備が緩んだとしても、たった数百人の兵力で、どうやって城に入る?」

      百人之兵,就算守备松懈又如何入城?

      【阿修羅】

      「俺が兵士を連れて城壁から潜入し、前哨と後哨の二手に分かれる。両側の城門を勝ち取ったら、正門で太鼓を鳴らす。その音を聞けば迦楼羅は兵士を集結させるはずだ。やつらがすぐには応戦できないよう、俺が前方で足止めする。後哨は太鼓の音を聞くなり、即座に城内から後門を開く。お前は兵士を率いて後門から城に入れ。哨所は無人、主将も不在、偽の情勢が太鼓で伝えられ、城門はがら空きだ。敵軍兵士の心は大きく乱されるだろう。お前の能力なら、必ず竜巣を撃破できる。」

      我带人从城墙潜入,一方前往前哨,一方去后哨。夺取两侧城门后,于前门击战鼓,迦楼罗听到定会前去集结兵士。由我在殿前拖住他,让他不能马上迎战,后哨听到战鼓,即刻从城内开启后城门。你率兵从后门入城,届时哨所已空,主将不在,战鼓谎报军情,城门大开,军心大乱。以你的能力,定能一举攻破龙巢。

      【帝釈天】

      「だめだ、あなた一人でどうやって迦楼羅の相手をする?私は共に城へ入る!」

      不行,你一人如何对抗迦楼罗?我要跟你入城!

      【阿修羅】

      「お前はまだ弱っている、俺と城へ入るなど論外だ。それに、お前まで城に入れば、誰が兵士を率いて城を攻める?」

      你此时身体虚弱,如何跟我入城,况且又由谁来带兵攻城?

      【帝釈天】

      「迦楼羅には霊神体を無効化する神器がある。私がいなければ、あなたは再び暴走する。この戦に勝機はまるでない。あなたが死に急ぐのをただ見ているなど、私には出来ない。」

      迦楼罗手中有让灵神体失效的神器,如果我不在,你又会狂暴。这场战胜算这样低,怎能让我看你送死。

      【阿修羅】

      「勝機がない?いや、俺の出陣こそ、最も勝算がある選択だ。玉醸を服用すると、ぼうっとし、戦意が削がれるとさっき言っていたな。霊神体も段々と無効化され、最終的には消えてしまうと。」

      胜算低?不,这战由我来是胜算最高的选择。你刚才说喝了玉酿后,精神恍惚,战意溃败。灵神体陆续失去了作用,以至于彻底消失?

      【帝釈天】

      「そのとおりだ。」

      确实如此。

      【阿修羅】

      「だがお前は今、正常に霊神体を使用することができている。」

      但你现在却能够如常使用灵神体。

      【帝釈天】

      「玉醸を止めると、霊神体は徐々に復元され、今や完全に元通りになった。」

      不喝玉酿后,灵神体逐步复原,现在已经恢复正常。

      【阿修羅】

      「琉璃城では、金翅鳥どもが大量の玉醸を所持していたが、どこから持って来たのかは未だ不明だ。その玉醸の作用は、今日俺達が目撃した法器と極めて似ている気がする。要するに、この二つは元から金翅鳥の策略によるものだろう。」

      在琉璃城,鬼族们携有大量玉酿,来源至今无人知晓。而玉酿的作用和今天我们见到的法器,似乎十分相似。或许二者本就是同源,都是金翅乌的计谋。

      阿修羅はそう言いながら、霊神体を召喚した。彼の霊神体は既に元通りになり、六本の力強い触手が殺気を放っている。

      说着,阿修罗就召唤出了灵神体。他的灵神体已经恢复如初,六条触手有力而充满杀气。

      【阿修羅】

      「霊神体の無効化は一時的なものだ、決して消えはしない。恐らく神器が吸い取ったのは天人の精神力であり、霊神体そのものではないだろう。そして、俺の精神力には底がない。帝釈天よ、人の□□には姿形があり、どんなに完璧無欠な戦士も、体力が尽きれば足を止めるし、戦死してしまう。だが心に限界はない。見ることも触ることもできないが、万物を受け入れることができる。心は焼かれず、破壊されない。足を止めることも、底を尽きることもない。俺は決して運命に易々と屈しない強者になると、お前に誓おう。お前も強者となり、二度と玉醸に手を出さないと俺に誓ってくれるか?再び迷いに陥った時、苦しみに苛まれた時、お前が思い出すのは過去ではなく……今の、あなたの友人を思い出してほしい。俺はお前を失望させない。」

      灵神体的失效只是暂时,并非消失。恐怕神器所吸收的是天人的精神力,而非是灵神体本身。而我,最不缺的就是精神力。帝释天,人的□□有形有界,再无懈可击的战士,会累到停步,也会战死。然而心却无界,虽然无法看到、触摸到,却能够包容万物。无法烧灼,也无法摧毁,永远不会停步不前,永不会枯竭。我答应你去做一个强者,绝不轻易屈服于命运。你是为挽回我与魔神之战的一意孤行。但我也希望你答应我,做一个强者,不要再碰玉酿了。我希望在你迷茫,深陷痛苦的时刻,你想起的不再是过去——而是你现在的友人。我不会让你失望。

      【帝釈天】

      「約束する。では、夜明けに、竜巣で会おう。」

      我答应你。那么,天亮时,龙巢城见。

      阿修羅は頷くと、背を向けた。

      阿修罗点了点头,转过而去。

      【阿修羅】

      「兵士を二十人集めろ、俺と共に城へ入るぞ!」

      清点二十人,随我入城!

      【鬼王酒呑童子】

      「おい、これを落としたぞ。」

      喂,你落下了东西。

      【阿修羅】

      「これは?俺の剣か。」

      这是?我的剑。

      【鬼王酒呑童子】

      「崖で拾ったものだ、確かに持ち主に返したぞ。」

      是我在崖边捡到的,现在物归原主。

      【阿修羅】

      「ちょうどいいところに来てくれた、二人も俺と城に入ってくれないか?二人は鬼族だから、あの奇妙な神器に影響されない。」

      来得正好,我正想邀请二位随我一同入城。二位是鬼族,不会受那个古怪神器的影响。

      【鬼王酒呑童子】

      「そのつもりだ。あの不気味な神器には、我々も興味がある。」

      正有此意,那神器过于诡异,我们也兴味十足。

      【毘瑠璃】

      「姉様も城にいるはず。もし彼女を見つけたら、どうか助けてあげてください!」

      我姐姐也在城中,如果几位在城中找见了她,请一定要救她!

      【阿修羅】

      「ああ、最善を尽くそう。では準備を整えて、城壁の下で待ち合わせよう。帝釈天、竜巣城の中で会おう。」

      我会尽力而为。那么稍作整理,我们在城墙下会合。帝释天,龙巢城中见。

      集められた天人戦士のうち、十人は帝釈天と共に後門へ回り込み、残りの十人は阿修羅と共に正門から城壁を登った。昼間の城門での一戦を経て、鬼族の守備は緩み、失った兵力も未だ補充されていなかった。

      清点的天人战士十人随帝释天绕到后城门,另外十人则随阿修罗自前门攀爬而上。因白天城门前一战,鬼族守卫松懈,阵亡的兵力也尚且无人填补。

      【翼団兵士甲】

      「こんな所で酔いつぶれているなんて。この瓶。琉璃城でも見た事あるぞ。間違いない、これは玉醸だ。」

      竟然烂醉如泥地躺在这里。这些瓶子,我认得这东西,在琉璃城也见到了,是玉酿。

      【翼団兵士乙】

      「やつら、宴の祝杯に玉醸を飲んでいるのか?」

      他们竟然将玉酿当成庆功用的酒?

      【雷公鬼】

      「うぐ、俺を殴ったのは誰だ?ああ、侵入者が、入っ、うぐぐぐ……」

      唔,谁打我?啊,有入侵者,入唔呜呜呜……

      【翼団兵士乙】

      「阿修羅様の予想通り、城壁を攻めるのは朝飯前のようだ。」

      果然如阿修罗大人所料,夺取城墙毫不费力。

      【阿修羅】

      「お前達はここで待機しろ。迦楼羅の正殿に光が差した瞬間、太鼓を鳴らせ。」

      你们几个守在这里,待迦楼罗大殿升起光亮之时,即刻击鼓。

      【翼団兵士乙】

      「はっ!」

      是!

      阿修羅は数人を引き連れ、縄で城壁を降り、一直線に迦楼羅の正殿に向かった。

      阿修罗带领数人顺着绳索爬下了城墙,径直去往迦楼罗的大殿。

      【煉獄茨木童子】

      「ここも同じだ、警備の者達があちこちで酔い潰れ、空になった瓶が地面に散らばっている。」

      这里竟然也一样,守卫早就醉的七七八八,四处都是空瓶子。

      【翼団兵士甲】

      「なぜここに大量の玉醸が?まさか本当に金翅鳥が玉醸を造っているのか?」

      怎么会有那么多玉酿?难道说玉酿真是金翅乌所酿造?

      【鬼王酒呑童子】

      「敵の霊神体を害するための薬酒を自らも飲むなど、馬鹿馬鹿しいにも程がある。」

      他们拿去损害敌人灵神体的药酒,却自己也喝,未免太荒唐了。

      【阿修羅】

      「それはさておき、迦楼羅と神器を探せ。」

      先别管那么多,给我找迦楼罗和神器。

      【翼団兵士甲】

      「阿修羅様、あちらを見てください!」

      阿修罗大人,快看那里!

      【阿修羅】

      「迦楼羅だ、やはり酔い潰れている。あの神器が無造作に羽の下に隠されている。」

      是迦楼罗,果然也已经烂醉了。那样神器竟然就这么藏在他的羽翼下面。

      【煉獄茨木童子】

      「隣の檻を見ろ、女が一人閉じ込められている。」

      看这旁边的笼子,里面竟然锁了一个女人?

      【蘇摩】

      「あなた達は……誰?」

      你们……是谁?

      【阿修羅】

      「しっ、静かに。琉璃城城主姉妹の姉、蘇摩か?」

      小声点。你可是琉璃城城主两姐妹中的姐姐,苏摩?

      【蘇摩】

      「はい、私が蘇摩です……あなた達は何者ですか?」

      我是苏摩……你们是什么人?

      【阿修羅】

      「我々は天人の援軍だ。お前の妹、毘瑠璃の頼みでお前を助けに来た。彼女は城外で待っている。酒呑童子、蘇摩は重傷を負っている。先に彼女を城外に逃してくれないか?」

      我们是天人的援兵,受你妹妹毗琉璃嘱托,来救你出去,她就在城外。酒吞童子,苏摩身负重伤,你们能否护送她提前出城?

      【煉獄茨木童子】

      「しかしあの神器が……」

      可那神器……

      【鬼王酒呑童子】

      「もちろん問題ない、今すぐ城を出よう。茨木童子、黒焔で鎖を溶かせ。くれぐれも物音を立てるな。彼女を連れ出すぞ。」

      当然没问题,我们这就出城。茨木童子,用黑焰烧化锁链,切记不要弄出声音,跟我一起带她往城门走。

      阿修羅は慎重に迦楼羅に近づき、琉璃心という名の神器を取り出し、召喚した霊神体を琉璃心にぶつけた。何度試しても、何の効果も得なかった。すると、突然瑠璃心が眼球のように開いた。

      阿修罗小心靠近迦楼罗,将那名为琉璃心的神器取出,释放灵神体向琉璃心砸去。试了数次后,却毫无效果,谁知琉璃心突然如同眼球一般睁开。

      【阿修羅】

      「破壊できないだと?」

      无法破坏吗?

      【翼団兵士甲】

      「阿修羅様!これは主人と共鳴しているようです、迦楼羅が目を覚まします!」

      阿修罗大人!这东西似乎和主人有所感应,那迦楼罗似乎要醒来了!

      【迦楼羅】

      「一体誰だ、私の安眠を邪魔する者は。またお前か!昼間与えた教訓では足りなかったようだな!全員起きろ!畏れ知らずの侵入者を皆殺しにしろ!」

      是什么人,胆敢扰乱我安眠。竟然又是你!看来白天时给你们的教训还不够大!都给我起来!杀了这几个胆大包天的入侵者!

      【阿修羅】

      「はは、そう慌てるな。何か失くしたものはないか?」

      哈哈,先别这么着急,你不觉得身上少了什么东西?

      【迦楼羅】

      「……琉璃心?お前、琉璃心を持って行ったのか?」

      ……琉璃心?你拿了琉璃心?

      【阿修羅】

      「そうだ、瑠璃心はここにある。取れるもんなら取ってみろ!(お前は琉璃心を持って後門へ急げ、そこで帝釈天と合流しろ。)」

      没错,就在我这里,有本事你来拿啊!(你拿上琉璃心,赶快往后城门那跑跟帝释天汇合。)

      【翼団兵士甲】

      「(はっ。)」

      (是。)

      【阿修羅】

      「お前達は別々の方向に向かって走れ、やつは一度に全員を追うことはできない。俺が後ろで足止めして時間を稼ぐ。」

      你们几个,分头跑,他没法一次追所有人,我在后面拦住他拖延时间。

      阿修羅はそう言うと、手中の霊符に火をつけて宙に投げた。火の光が夜空で弧線を描き落ちていく。

      城壁の方から突然、耳を聾する太鼓の音が轟き、城中の警備の者達が身を起こした。

      阿修罗随即点燃了手中的符咒朝着空中扔去,划破夜空的火光一落。

      城墙方向突然响起震耳欲聋的战鼓声,城中的守卫们闻声而起。

      【翠甲鬼】

      「なぜ太鼓の音が聞こえる?侵入者か?」

      怎么有人击战鼓?是有人入侵?

      【雷公鬼】

      「また正門の方か。誰かが諦めきれず、闇に紛れて橋を渡ろうとしているのか?」

      又是前城门的方向,难道说又有人不死心,趁夜色要渡桥?

      【翠甲鬼】

      「迦楼羅様の正殿にも明かりがついている、何かあったのか?こ、これはどっちに向かうべきだ?」

      迦楼罗大人的大殿也灯火通明,是出了什么事吗?这、这要先去哪边?

      【藍爪鬼】

      「馬鹿野郎!迦楼羅様の正殿でのことは迦楼羅様が始末する、我々の出る幕などない!早く正門に行け!」

      蠢货!迦楼罗大人大殿里的事情迦楼罗大人自己会管,哪里轮得到我们!还不快去前门看看!

      【翠甲鬼】

      「行くぞ!みんなで正門へ!」

      走!大家去前门!

      ……竜巣城、裏門の外

      ——龙巢城,后城门外

      【翼団兵士乙】

      「帝釈天様、照明の術が発動されました。帝釈天様の予想に違わず、鬼族は全て正門のほうに向かいました。」

      帝释天大人,照明法术亮了,正如大人所预料的,全城的鬼族都在往前门跑。

      【帝釈天】

      「裏門を突き破るぞ、皆、私について中に攻め入るんだ!」

      砸开后城门,所有人,跟我进城!

      ……竜巣城、城内

      ——龙巢城,城内

      【阿修羅】

      「瑠璃心はこの手の中にあるぞ、取りに来い。」

      琉璃心就在我手中,你来拿啊。

      【迦楼羅】

      「その腕ごと切り落とすぞ!」

      看我一刀砍下你这只手!

      【阿修羅】

      「いい刀ではあるが、残念ながら、不甲斐ない主を持っているな。」

      刀倒是把好刀,可惜了,配了你这么个不会用的家伙。

      【迦楼羅】

      「手の中には何もないだと、貴様、騙したな!」

      手是空的,你竟敢诈我!

      【阿修羅】

      「その通りだが?おまえだけではない、この城ごと騙した。」

      诈你又怎样?我不仅敢诈你,还敢诈你全城呢。

      【迦楼羅】

      「城ごとだと?しまった!…ふっ、貴様には分からないだろうが、瑠璃心と私とは一心同体のようなものだ。その気になれば、いつでもそのありかを突き止めることができる。瑠璃心は裏門のほうへ移動している、貴様の仲間も裏門にいるのだろう。我が宝物に手を出す者は、決して許さない!」

      全城?糟了!……呵,不过你怕是还不知道,琉璃心和我是二体一心吧。只要我想,随时都能找到它的所在。琉璃心在往后城门去,你是准备让你的人从后门接应吧。谁敢碰我的宝物,我就让谁粉身碎骨!

      迦楼羅は突然目を閉じ、月を見上げて鳥のような鳴き声を出した。鋭い声が夜空に響き渡る。

      しばらくして、彼は目を開けて高笑いした。そして四つの翼を使って力強く羽ばたき、真っすぐに裏門のほうへと向かっていく。

      只见迦楼罗突然闭上双眼,仰头对月一声嘶鸣,尖利的嘶鸣在夜空中回荡。

      片刻之后,他睁开双眼大笑,跳起来挥舞着四翼,径直朝着后城门的方向冲去。

      ……竜巣城、裏門の外

      ——龙巢城,后城门外

      【翼団武将】

      「帝釈天様、誰か来ました!」

      帝释天大人,有人来了!

      【翼団兵士甲】

      「帝釈天様!」

      帝释天大人!

      【帝釈天】

      「阿修羅は?阿修羅は来ていないのか?」

      阿修罗呢?怎么他没来?

      【翼団兵士甲】

      「帝釈天様、この瑠璃心は破壊できません。どうかこれをお持ちください、騎兵に命じ、できるだけ遠くへ!」

      帝释天大人,这琉璃心无法破坏,您快将它拿去,命骑兵带上,有多远跑多远!

      【迦楼羅】

      「させるか!くらえ!」

      休想!看刀!

      【翼団兵士甲】

      「ぐあ、ゴホ。また、あと一歩のところで。帝釈天様、これを……」

      嘎啊,咳。竟然还是,差了一步吗。帝释天大人,接好……

      【迦楼羅】

      「それに触るな!」

      休想拿走我的宝物!

      迦楼羅と帝釈天は、同時に瑠璃心を目掛けて駆け出した。時を同じくして、阿修羅も駆けつけ、迦楼羅のほうへ飛び出した。迦楼羅と帝釈天がほぼ同時に瑠璃心に触れる寸前に……

      迦楼罗和帝释天同时朝着琉璃心冲了上去。与此同时,阿修罗赶到,朝着迦楼罗的方向冲出。就在迦楼罗和帝释天同时即将触碰到琉璃心的瞬间——

      【阿修羅】

      「その腕、もらった!」

      你的手臂我收下了!

      【迦楼羅】

      「ぐあああ!腕が!腕が!貴様!卑しい天人め、よくも!その六本の霊神体を全て切り落とし、瑠璃心に食わせてやる!うわあああ!」

      啊啊啊啊!我的手臂!我的手臂!你竟敢!你这卑劣的天人,你竟敢!我要砍断你那六条灵神体,喂我的琉璃心!唔啊啊啊啊!

      突然、迦楼羅の全身を狂風が包んだ。

      狂风突然冒出,环绕着迦楼罗全身。

      【帝釈天】

      「まずい、この風は瑠璃心を狙っている!」

      不好,风朝着琉璃心来了!

      瑠璃心は狂風に巻き上げられたが、それを手放さなかった帝釈天も道連れとなった。

      琉璃心跟着狂风飞舞起来,帝释天死死握住琉璃心被一并带离了地面。

      【帝釈天】

      「これは戦士達が命と引き換えに手に入れたものだ、手放すものか!」

      这是战士们拿命换来的,我绝不会放手!

      【阿修羅】

      「帝釈天、早く手を離せ!」

      帝释天,快放手!

      【迦楼羅】

      「目を開けろ、瑠璃心!」

      睁开眼睛吧,我的琉璃心!

      【帝釈天】

      「うわああああ!」

      哇啊啊啊啊!

      瑠璃心が再び禍々しい瞳を開けて、震動で帝釈天を振り落とし、空に昇っていった。そして以前より何百倍もまぶしい光を放ち、竜巣中に巨大な衝撃を与えた。

      琉璃心再度睁开了诡异的瞳孔,震动着将帝释天丢了下来,升向空中。它放射出比此前耀眼百倍的光芒,巨大的冲击席卷了整个龙巢。

      【翼団兵士乙】

      「この嵐のような衝撃を受けると、霊神体は砂の如く吹き散らされ、風の中に消えてしまうのか?」

      这如同暴风一般的冲击,灵神体竟然如同沙石一样分解,被卷进风中消失了?

      【翼団兵士甲】

      「俺達だけじゃない、見ろ!戦士達の霊神体は全てひき潰され巻き上げられてしまった!これじゃどう戦えばいいんだ!」

      不光是我们,快看!所有战士的灵神体都被碾碎后卷走了!这可如何战斗!

      【雷公鬼】

      「迦楼羅様を怒らせたな、てめえらはもう終わりだ!」

      惹怒了迦楼罗大人,你们完蛋了!

      【翠甲鬼】

      「やつらの霊神体が消えたぞ!一人も逃すな!」

      他们没灵神体了!都给我杀!

      【翼団兵士乙】

      「恐れるな!霊神体は消えたが、我々にはまだ武器がある!例え武器が折れても、まだ腕がある!行け!仲間や家族の敵を討て!」

      怕什么!没有灵神体,我们还有刀剑武器,刀剑断了,还有手!冲啊!为战友家人们报仇!

      竜首も崖全体が震動し、嵐の中心にある瑠璃心は周囲から精神力を吸い続けている。前線に赴く天人の援軍、城壁の上で金翅鳥と抗戦している戦士達、城の中に侵入しようとしている金翅鳥達……全ての精神力が、嵐の中心にある瑠璃心に押し寄せる。天人の兵士達の霊神体が次々に消え、空を飛ぶ金翅鳥達も矢を受けたように失墜して地に落ちた。

      整个龙首崖都为之震颤,琉璃心如同暴风之眼般不断吸收周围的精神力。赶往前哨支援的天人军队,在城墙上抵御金翅乌的战士们,自城外试图入城的金翅乌们——所有精神力,都被迫涌向暴风中心的琉璃心。只见天人士兵们的灵神体一个个溃散,飞行的金翅乌士兵们如同中箭一般地从空中落下。

      【阿修羅】

      「帝釈天?具合は?」

      帝释天?你怎么样了?

      【帝釈天】

      「平気だ、ただ霊神体が使えない……今日はもうこりごりだ、何度も高い所から落とされ、その度にあなたに受け止めてもらった。」

      我没事,只是使不出灵神体……今天可真是,来来回回让人从高处往下扔,还次次都让你接住了。

      【阿修羅】

      「お前は飛べないくせに、高いところが好きだ。今後お前が高いところに立つ時は、俺が側にいなければいけないな。」

      你分明不会飞,却着实喜欢往高处跑。看来以后你每次站在高处,我都要在场才行。

      【帝釈天】

      「迦楼羅は?」

      迦楼罗呢?

      【阿修羅】

      「安心しろ、俺の霊神体はまだ使える、やつは俺に任せろ。言ったはずだ、共に勝利し故郷へ錦を飾って、お前の昔の仲間達を弔うんだ。」

      放心,我的灵神体还能用,我去解决他。我说过的,我们一起乘胜归来,再告慰你曾经的战友。

      【迦楼羅】

      「分を弁えろ!貴様の霊神体は既に揺らつき、消える寸前だが?」

      不自量力!你的灵神体已经时有时无,明明灭灭,怕是要支持不住了吧?

      【阿修羅】

      「弁えていないのはお前だ。お前の腕を切り落とした瞬間、勝負は既に決まった。今のお前はただ神器にすがっているだけだ。橋にいた時、お前は俺から逃げて、帝釈天を襲った。敗北を前に、お前は最後に瑠璃心に賭けるしかなかったんだ。つまり、俺は別にお前を倒さなくてもいい。瑠璃心さえ倒せば、竜巣城の敗北は、もう覆せない。」

      不自量力的是你。在我斩断你手臂那一刻,就已经分出了胜负。你如今不过是靠神器支撑,在桥上时,你就不敢对上我,而是袭击帝释天。现在败局已定,你只能靠琉璃心最后放手一搏。换言之,我根本无需对上你。我只需要打败琉璃心,龙巢城的战败,就已成定局。

      【迦楼羅】

      「瑠璃心は紛れもない正真正銘の神器だ、貴様のような卑しい天人になど負けはしない!」

      这琉璃心是真正的神器,又怎会败给你这样卑劣的天人!

      【阿修羅】

      「俺の読みが正しければ、それは精神力を食らうことで天人の霊神体を無効化にしている。しかし、□□には限界があるが、精神は尽きることがない。ある者は揺るぎのない精神で善をなし、ある者は尽きない狂気によって、残虐を極める。心の力は永遠に尽きない。悪人が悪をなそうとも、善人はそれで善をなすことをやめない。同様に、善人が善をなしても、悪人は決して悪をなすことを諦めない。精神力は力にも、魔にもなれる。そして俺の力は、魔の中の魔だ!」

      如果我没猜错,它是靠吸□□神力来使天人灵神体失效。但是,一个人的□□有限也有界,精神却无穷无尽。有人依靠坚定不移的精神去与人为善,有人则因为无尽的狂气,嗜血残暴无恶不作。心的力量绵绵不绝,善人不会因为恶人为恶就停止为善。恶人也不会因为善人为善,就停止作恶。精神力可以是力量,但也可以是邪魔。而我的力量,正是邪魔中的邪魔!

      【迦楼羅】

      「どういうことだ、なぜいくら吸い上げようと、やつの力は、霊神体は、完全に消滅しない?むしろ、より早く再生している?」

      这是怎么回事,他的力量竟然无论如何吸收,灵神体都不会完全消失?甚至再生得越来越快?

      【阿修羅】

      「それはな、俺の霊神体はマグマでいっぱいの火山のように、いくら噴出しても尽きないからだ。これは全部お前をもてなすために用意した、心行くまで楽しもうじゃないか。」

      因为我的灵神体正是这样一口装满了岩浆的火山,取之不尽用之不竭。全都是为你准备的,好好享受吧。

      【迦楼羅】

      「邪気、邪気だ!一体どうしてやつが、こんな桁外れの邪気を抱えている?邪気に体が侵されている?!うわああ!!これほどの邪気には耐えられない、□□が、もうすぐ限界を迎える、うわあああ!苦しい!苦しい!」

      煞气,是煞气!他的身上为何会有如此多的煞气?这些煞气在侵入我的体内?!啊啊啊!!我无法承受这样多的煞气,我的肉身,很快就要支撑不住了,唔啊啊啊!好痛苦!好痛苦啊!

      【阿修羅】

      「ははは!どうだ?苦しいか、楽しいか、絶望したか……?この叫び、実に素晴らしい……!ははははは……」

      哈哈哈!如何?痛苦吗,愉悦吗,绝望吗……?这叫声,实在是……美妙啊!哈哈哈哈哈……

      【帝釈天】

      「まずい、阿修羅が狂暴になっていく…もう暴走寸前だ!このままでは、例え勝っても、甚大な被害を受けてしまう!瑠璃心がかつてないほど暗くなっている。今のうちにあれを破壊すれば、きっと阿修羅を助けられる。」

      糟了,阿修罗变得越来越残暴了……他要开始狂暴了!这样下去,就算赢了,也会损伤惨重!琉璃心已经变得无比黯淡,趁现在毁掉它,一定能够帮到阿修罗。

      帝釈天はなんとか体を動かし、嵐の中心にある瑠璃心に向かって進み始めた。

      帝释天支撑起身体,朝着暴风中心的琉璃心追了过去。

      【迦楼羅】

      「許さん!瑠璃心に触れることは許さん!死ね、天人ども!死ね!天人は皆くたばるべきだ!」

      不许!我不许你们动它!去死吧,天人!去死吧!所有天人都该死!

      【阿修羅】

      「帝釈天?帝釈天は俺が守る。迦楼羅、くたばれ!」

      帝释天?没有人可以伤害他。迦楼罗,受死吧。

      その瞬間、阿修羅は地に刺さった刃を抜き、迦楼羅の頭を狙って剣を振り下ろした。迦楼羅の体は頭の真ん中から、真っ二つに切り裂かれた。

      就在这一瞬,阿修罗一把拔起了插在地上的长剑,朝着迦楼罗的头顶劈去。将迦楼罗从头向下,劈成了两半。

      【迦楼羅】

      「ぐあああ……!」

      啊啊啊——!

      【帝釈天】

      「まずい、瑠璃心が!」

      不好,那琉璃心!

      【阿修羅】

      「帝釈天!気をつけろ!」

      帝释天!小心!

      【帝釈天】

      「うっ…!」

      唔……!

      迦楼羅の血が噴き出すと同時に、瑠璃心の周りには空間が砕けたような波紋が現れた。空で強烈な爆発が発生し、精神力もつられて爆発し始めた。爆発は長く続いたが、ついに落ち着いた。

      随着迦楼罗血喷溅而出,琉璃心的周围浮现出黑洞撕裂般的波纹。在空中轰然炸裂开来,引发了精神力喷溅的爆炸。爆炸持续了许久,终于安静下来。

      【帝釈天】

      「お、終わったのか?」

      结、结束了吗?

      【阿修羅】

      「終わった、俺達の勝ちだ。(瑠璃心の爆発の衝撃はそろそろ効いてくるはずだ)」

      结束了,我们赢了。(呵,这琉璃心爆炸的波动应该马上起效了。)

      【帝釈天】

      「その通り、あなたは成し遂げた。阿修羅、その額は?」

      你说的没错,你做到了。阿修罗,你的额头?

      【阿修羅】

      「?」

      【帝釈天】

      「あなたの額に、第三の目、天眼が現れた。天人にはとても珍しいことだ。」

      你的额头上,浮现了第三只眼睛,是天眼。这对天人来说是很少见的。

      【阿修羅】

      「第三の目?道理でいつもよりお前がよく見えるわけだ。」

      第三只眼睛?怪不得看你看的比平常要清楚。

      【帝釈天】

      「その冗談は、いつもどおりくだらないが。はは、はははは…!」

      你的笑话,真是一如既往的冷。哈哈,哈哈哈哈……!

      【阿修羅】

      「ははは、結局笑っているじゃないか。」

      哈哈哈,那你还不是笑了。

      【帝釈天】

      「阿修羅、あなたの勝ちだ!あなたは狂暴さによる支配から逃げ出すことができた!これからも、あなたは必ず勝ち続ける!もしこの世の果てに勝者が一人しか存在できないとしたら、それはきっとあなた、阿修羅なんだ!」

      阿修罗,你赢了!你摆脱了狂暴的影响!你将来一定会一直赢下去!如果这世间的尽头只能有唯一一个胜者,那一定会是你,阿修罗!

      【毘瑠璃】

      「姉様?姉様!」

      姐姐?姐姐!

      【蘇摩】

      「毘瑠璃、本当にあなたなの!よかった、瑠璃城はどうなってるの?皆は?」

      毗琉璃,真的是你!太好了,琉璃城如何了?大家都如何了?

      【毘瑠璃】

      「瑠璃城も、皆も無事。あとは姉様だけ、皆も待ってるわ!」

      琉璃城还在,大家都还在,我们都在等你,就差你了姐姐!

      【阿修羅】

      「いったいどういうことだ?瑠璃心は壊れたのに、なぜ迦楼羅の□□はゆっくりと元に戻ろうとしているんだ?」

      怎么回事?琉璃心毁了,迦楼罗的肉身反而开始缓慢地复原?

      【帝釈天】

      「これは…阿修羅、見ろ。これは、天人一族の霊神体、黒翼か?ずっと隠されていたのか。まさか?ずっと敵だと思っていた、異族の連中を率いて天域に攻め入り、十天衆の住まう善見城を狙っていた者が…竜巣城の首領迦楼羅は、天人だったのか!堕ちた天人、天人を絶滅させたい天人。結局、天人を一番憎んでいたのは天人自身だったのか、一体なぜだ?」

      这……阿修罗你看。这是,天人一族的灵神体,黑翼?一直以来被掩盖在下面。怎么会?一直以来的敌人,一心想要率领外族攻破天域,对十天众所居住的善见城虎视眈眈……龙巢城的首领迦楼罗,竟然是天人吗!堕落的天人,将天人赶尽杀绝的天人。到头来最憎恨天人的却是天人自己,这到底是为什么?

      【煉獄茨木童子】

      「しかし、迦楼羅が神器瑠璃心を操っているというより……むしろ瑠璃心に操られていると言うべきだ……玉醸を飲み、夢に落ちたあの天人達のようにな。」

      不过,与其说那迦楼罗在控制着那神器琉璃心……倒更像是那琉璃心在掌控他……就像是饮了玉酿,沉浸在梦中的那些天人。

      【鬼王酒呑童子】

      「その通り、瑠璃心の裏には必ず誰かいるはずだ。(茨木童子、気づいたか?ついさっき瑠璃心が爆発した後、深淵に送られていた霊力が止まった。)」

      你说的不错,这琉璃心背后一定另有其人。(茨木童子,你察觉了吗?就在刚才琉璃心炸裂后,往深渊输送的灵力停止了。)

      【煉獄茨木童子】

      「(まさか黒幕は、本当に迦楼羅だったのか。)」

      (难道说那迦楼罗真的是罪魁祸首?)

      【鬼王酒呑童子】

      「(深淵の霊力を吸っていた者と、瑠璃心の支配者は、別の人物のはずだ。先に対処すべきのは前者だ、急いで行動するぞ。)」

      (这吸取深渊灵力的幕后之人,和这琉璃心的掌控者,应该是两个不同的人。虽说有人打断了灵力,但最首要的还是前者,我们得加快行动了。)

      【十天衆の使者】

      「翼の団の兵士達よ、光明天様がお越しだ、早く出迎えの準備を。」

      诸位翼之团的将士,光明天大人到了,速速出来迎接。

      【阿修羅】

      「ふっ、必要な時はどこにもいなかったが、こんな時には現れるのか。」

      呵,该来的时候不来,这时候反而来了。

      【帝釈天】

      「恐らく、わざとゆっくり来たんだろう。私達と金翅鳥が共倒れになる隙をつき、手柄を横取りするつもりで。」

      恐怕,是故意拖延,算准了我们和金翅乌两败俱伤,好来冒领龙巢城的功勋。

      【阿修羅】

      「残念だが、それは叶わなかったな。」

      那怕是不能如他意了。

      【光明天】

      「まさか本当に迎えに来るとは。翼の団の阿修羅は残虐で、礼儀知らずだと聞いていたが。迎えに来てくれるとは、光栄だな。」

      没想到你们真会出来迎接我,都说翼之团的阿修罗为人暴虐,不近人情。肯给我这个面子,不甚荣幸啊。

      【阿修羅】

      「もちろんただ迎えに来たわけじゃない。」

      我来自然是有话要说。

      【光明天】

      「言ってみろ。」

      请说。

      【阿修羅】

      「光明天様はご存知か?金翅鳥一族の鬼王迦楼羅だが、鬼族ではなく、善見城の天人だった。誇り高き天人は、鬼族を毛嫌いしているが、堕ちた天神は、悪鬼以下の存在に成り下がる。」

      光明天大人可知道,这金翅乌一族的鬼王迦楼罗并非鬼族,而是善见城的天人?天人自诩高贵,不与鬼族同流合污,倘若堕落了,竟然是连恶鬼都不如。

      【光明天】

      「貴様!」

      你!

      【阿修羅】

      「光明天様のことも、いつもよりはっきり見える。」

      我如今看光明天大人,可是比往昔看得要清楚多了。

      【光明天】

      「これは……天眼?」

      这是……天眼?

      【阿修羅】

      「他の十天衆の皆様も、祭壇から降りてきて、姿を見せてくれればいいのだが。」

      不知道其他几位十天众的大人,可愿意从神坛高台上走下来,让我也看个清楚。

      【光明天】

      「貴様……!」

      你这家伙……!

      【鬼王酒呑童子】

      「(茨木童子、この深淵の霊力、明らかに二つの勢力が衝突している。俺たち以外にも、何者かが霊力を止めようとしている。どうやらここでの物語も、終わりを迎えようとしているようだ。)」

      (茨木童子,这深渊灵力的背后显然有两股势力在交锋。除了我们之外,还有人在参与阻断灵力之事。而这故事也快发展到结局了。)

      【煉獄茨木童子】

      「(友よ、それはつまり…?)」

      (挚友你是说……?)

      【鬼王酒呑童子】

      「(もうすぐだ。備えておけ、茨木童子。)」

      (看来就快了。做好准备吧,茨木童子。)
note作者有话说
第37章 红莲华冕 昨日之境⑥深渊夜话

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