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3、红莲华冕 片羽之忆③:希冀往事 ...

  •   望む過去①

      【帝釈天】

      「心の共感能力によって、私は精神世界にある意識の欠片を見ることができる。それらの欠片は人々の考え、意識、記憶から生まれたものだ。辛いものもあれば、幸せなものも存在する。悲しみも、喜びも、騙し合いも…この世に存在する種族は全て、同じ感情を持っている。

      我的心灵共感之力,能让我看到精神世界中的意识碎片。

      这些碎片来源于他人的思想、意识与记忆中。

      有些是痛苦的,有些是欢愉的,还有悲伤、喜悦、欺骗……

      这世间无论是何种族,都会有共同的情感。

      あの意識の欠片は輝いている。何か特別な思念が込められているようだ。この記憶の中で、私は善見城と鬼域との境界で暮らす子供を見た。

      那个意识碎片正在闪闪发光,其中似乎包含着独特的思念。

      在这份记忆中,我看到一个住在善见城与鬼域边界的孩子。

      彼は弱く、ありきたりな生活を送っている。時々他の妖怪にからかわれる。その子供は納得できず、大妖怪達を問いただした。しかし大妖怪達はこう言った。妖怪は力が強いものがえらい、都の人間じゃあるまいし、と。するとその子は思った、人間に生まれていればよかったと。

      他很弱小,过着非常普通的生活。有时候会被其他妖怪捉弄。

      孩子觉得很不服气,他就质问大妖怪们。

      大妖怪们却说,妖怪就是力量至上的,又不是京都的人类。

      那孩子就想,自己要是人类就好了。

      そしてある日、その子はついに人間に化けることができた。彼は遥かな距離を超え、人と鬼が共に暮らす地にやってきた。彼は山を下りて人間の世界に行くために、こっそりと人間の馬車に潜り込んだ。

      后来终于有一天,那孩子化形了,他千里迢迢来到了人鬼交接之地。

      他偷偷混入人类的车马队伍,跑下山想去人类的世界看看。

      何も知らずに都に連れてこられた彼は、隆盛を極める繁華の城に見惚れた。しかし彼は妖怪であることがばれてしまい、人間に追い回されることになった。

      就这样糊里糊涂地被带到京都,一片繁华看花眼。

      但没想到半途被识破是妖怪,就被人类追杀起来。

      その子は思った。大妖怪に騙された、人間も弱い者をいじめるんだ、と。その子が追い詰められた時、一人の少年陰陽師に出会った。慈悲深い少年陰陽師はその子を助けた。こうして二人は友達になった。

      那孩子想,原来大妖怪们骗他,人类也是欺负弱小的。

      孩子无路可逃的时候,遇到了一个人类少年的阴阳师。

      少年阴阳师出于恻隐之心救了那孩子,两人便成为了朋友。

      その意識の欠片の中の記憶は、そこで途切れた。もしかしたら、他の欠片の中で、その記憶の続きを見ることができるかもしれない。」

      这个意识碎片中的记忆就到此为止了。

      也许在其他碎片中,我能找到这份记忆的后续。

      望む過去②

      【天剣刃心鬼切】

      「この地の雰囲気は、深淵とは全く別物だ。もし深淵が地獄のような場所だというなら、ここは天国であるかのようだ。日はまだ暮れていないのに、なぜ彼らは皆家の中に戻っていくのでしょう?ん?遠くの屋敷が燃えている、空には黒と金色の妖鳥が……」

      此地的气息与深渊截然不同。

      若说深渊里犹如地狱,那么此处就仿佛置身胜境。

      天还没黑,为何这些人都返回了家中?

      嗯?远处的房屋烧起来了,是天上那些黑金的妖鸟——

      【源頼光】

      「金翅鳥一族は光るものと燃え盛るものが好きなんだ。やつらが天人の村を襲う時は、いつもまず高いところから燃え盛る火の玉を落とす。」

      金翅乌一族喜爱明亮和灼热的东西。

      他们袭击天人村落时,会先从高处扔下燃烧的火球。

      【天剣刃心鬼切】

      「火の手が強くなっている、先に状況を確認します!」

      看起来已经烧成一片,先过去看看情况!

      【源頼光】

      「うろたえるな。天人達は混乱していない、きっと何か対策があるはずだ。」

      别急。这些天人并未恐慌,一定有所应对。

      源頼光がそう言い終わった時、燃える屋敷の中から黒い人影が現れた。恐ろしい触手が空に向かって襲いかかり、数十匹もの金翅鳥の心臓を貫いた。

      源赖光话音刚落,那座焚烧的房屋里便冲出一个漆黑的身影。

      可怖的触手向高空袭去,一连贯穿了数十只金翅乌的心口。

      【天剣刃心鬼切】

      「なんという残虐な気配……頼光様、何をしているのですか!」

      好暴戾的气息……源赖光,你做什么!

      鬼切は急に空に浮かぶのを感じた。二人を乗せた巨大な折鶴が、村の上空で止まる。遠くでの虐殺はまだ続いていて、悲鳴が聞こえる。空にいる金翅鳥たちは既に甚大な被害を受けている。

      鬼切突然感觉自己被凌空带离地面,巨大的纸鹤载着两人停留在村落上空。

      远处那场虐杀仍在继续,伴随着哀鸣,天空中的金翅乌死伤惨重。

      【天剣刃心鬼切】

      「隠れることのできない空にわざわざ飛んでくるなんて、一体何を考えているんですか!」

      从隐蔽处飞到无遮无挡的半空,你在想什么!

      【源頼光】

      「空のほうが、見晴らしがいい。」

      高处才能看得更为清晰。

      【天剣刃心鬼切】

      「何呑気なことを…もう見つかってしまいましたよ。」

      你说得轻巧,我们已经被发现了。

      さっきまで空で金翅鳥たちを屠っていた触手が向きを変え、折鶴のいる場所に驚くほどの速さで向かってくる。おぞましい触手は雲をも切り裂く刃にも似ている。危機一髪で、鬼切は刀を握りしめて飛び上がった。衝突する寸前に、突然陰陽道の光が現れた。触手は二人をかすめ、折鶴の片翼を貫いた。

      刚刚虐杀金翅乌的触手从半空中转向,往纸鹤停留的位置迅猛而来。

      骇人的触手如同一柄破云的利剑,危急之刻,鬼切持刀跃起。

      千钧一发之际,阴阳术的光芒凭空而亮,触手擦着二人掠过,贯穿了纸鹤一侧的翅膀。

      【天剣刃心鬼切】

      「どうして戦わないのですか?」

      何不放我与之一战?

      【源頼光】

      「行くぞ、鬼切。」

      走吧,鬼切。

      【天剣刃心鬼切】

      「いきなり訳も分からずに襲われたのに、どうしてその正体を調べないのです?」

      上来就不由分说地袭击我们,为何不乘机搞清楚他们的身份?

      【源頼光】

      「さっきのはおそらく、この辺境にいる天人の戦神……阿修羅だろう。」

      刚刚那家伙想必就是活跃在这边境的天人战神——阿修罗。

      【天剣刃心鬼切】

      「阿修羅?しかしあいつは戦闘中、狂暴で残虐な気配を放っていました。でもあの触手が襲ってきた時、とても優しい精神力がその周りにありました。何か隠していませんか?」

      阿修罗?那家伙战斗时所流露出的气场强大而又暴戾。

      不过那触手靠近我们时,还有一股十分柔和的精神力跟随在周围。

      你是不是对我隐瞒了什么?

      【源頼光】

      「ほう?どうしてそう思うんだ?」

      哦?何出此言。

      【天剣刃心鬼切】

      「鬼域に足を踏み入れてから、俺はよく懐かしい気配を感じます。時々その「精神力」とやらを感じることもあります。」

      自从我踏入这天域后,便时常会感知到熟悉的气息。

      有时还能感知到你所说的「精神力」。

      【源頼光】

      「今はできるだけ早く善見城に入るべきだ。お前の抱いている疑問は、じきに答えが見つかるだろう。」

      眼下还是先进入善见城要紧。

      至于你心中的疑惑,之后自然会有解答。

      望む過去③

      【天人の少年甲】

      「最近善見城に池がたくさんできた。池の水は透き通っていて、その中には白蓮も生えている。空っぽだった町より、何倍も綺麗だ。」

      最近善见城内多了不少水池,池水透亮清澈,还漂浮着朵朵白莲。

      比之前空荡荡的街道漂亮多了。

      【天人の少年乙】

      「なんだ、知らないの?この蓮の池は帝釈天という貴族が作ったんだ。」

      看来是你有些孤陋寡闻,这些莲池是那个叫帝释天的贵族修的。

      【天人の少年甲】

      「翼の団を統べて、前線で戦っているあの帝釈天が?戦に慣れた戦士として知っていたが、こんな風流な一面もあるのか。」

      那个带领翼之团在前线作战的帝释天?

      没想到终日杀敌的战士,还这么风雅。

      【天人の少年乙】

      「翼の団だからって勘違いしないで、帝釈天様は殺すことしか知らない戦士じゃない。帝釈天様は、蓮の池を作った時にこう仰った。天人一族は絶えない争いを強いられている。もし皆が蓮のように生きれば、きっと余計な災いから逃れられるって。この透き通った水、無垢の象徴たる蓮が、この善見城を罪から守ってくれるんだ。おい、何してるんだ!」

      你可别因翼之团的名号误会,以为帝释天大人是个只知生杀的战士。

      他在修建莲池时曾说过,天人纷争不断,若众生如莲,或许能减少很多不必要的灾祸。

      而这纯净池水,以及象征着无垢的莲花,能够庇佑这座善见城不被罪孽沾染。

      喂,你做什么!

      【天人の少年甲】

      「ちょっと蓮に触ってみたいんだ…」

      我只是想触碰一下这些莲花而已……

      【天人の少年乙】

      「この蓮は帝釈天様が手塩にかけて育てた蓮だ、お前みたいに不器用なやつが触ったら、うっかり折れるかもしれないぞ!」

      这些莲花是由帝释天大人亲手养育,你笨手笨脚的,一定会把它碰坏的!

      【帝釈天】

      「大丈夫だ。」

      无妨。

      【天人の少年乙】

      「え?帝釈天様!」

      嗯?帝释天大人!

      【帝釈天】

      「ごめん、急に後ろに現れたから、驚かせてしまったね。」

      抱歉,唐突出现在你身后,看来是吓到你了。

      【天人の少年乙】

      「と……とんでもありません!まさかここでお会いできるなんて。」

      没……没有的事!

      没想到能在这里见到您。

      【帝釈天】

      「最近いい天気が続いているから、蓮の様子を見に来た。微かに香る蓮の香りは人々を落ち着かせる。それを嗅ぐと、気分もよくなる。ほら、これをあげるよ。」

      这几日气候适宜,我来看看这些莲花。

      淡雅的莲香能够缓和人们的情绪,就连心情也变好了很多。

      来,这个给你。

      帝釈天が軽く袖を振ると、瞬く間に、池の中に咲き誇る蓮が何十本も現れた。体にしみわたるような香りは、帝釈天の言った通りに皆の心を落ち着かせた。

      帝释天轻挥衣袖,莲池中瞬间绽放了数十朵莲花。

      馥郁的芳香沁人心脾,果真如帝释天所言般缓和了所有人的心绪。

      【帝釈天】

      「白蓮が絶えることはない、池の水は罪を洗ってくれる。蓮が好きだったら、遠慮なく摘むといい。」

      白莲生而不息,莲池之水亦能涤去罪孽。

      若真的喜欢这些莲花,可以随意采撷。

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