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4、帝释天 绘卷第三章:两断 ...

  •   両断

      全ての隔たりのない親友のように、帝釈天と阿修羅は似たようで真逆な存在だった。同じ夢を掲げるけれど、同時に全く違う信念を貫く。

      就像所有无话不谈的朋友那般,帝释天与阿修罗相似但又相反,在有着共同梦想的同时,却又有着截然不同的信念。

      「忉利天が滅び、天人が鬼域に落とされ、鬼族と共に暮らしてから、昔の平和な時間が戻ることはなかった。」帝釈天はこう言った。「私達のかつての故郷……忉利天では、天人一族の精神が繋がり、皆互いを感じ、理解する。争い、殺戮、犠牲は永遠に生まれない。」

      “自忉利天毁灭,天人堕入鬼域,与鬼族共生,就再也回不到过去和平的时光。”帝释天说道,“在我们曾经的故土——忉利天,天人一族精神相连,所有人都能感知彼此、理解彼此,永远没有争斗、杀戮和牺牲。”

      「阿修羅、いつか、私達は天人の一族を連れて、あそこに戻ろう。」

      “阿修罗,总有一日,你我会带着天人一族,回到那里。”

      「忉利天だろうが、鬼域だろうが、」阿修羅は無関心な態度を見せた。「天人はどこへ向かおうと、腐った十天衆が必ず一族の頂点に立つ。」

      “忉利天也好,鬼域也罢,“阿修罗却并不在意,“无论天人去哪,迂腐的十天众都会伫立在一族的顶端。”

      「天人を虐殺する鬼族も、一族を犠牲にする十天衆も、俺たちにとっては邪魔な存在でしかない。」阿修羅は言った。「絶大な力で、やつらを破滅させるべきだ。」

      “屠戮天人的鬼族,牺牲同族的十天众,都是阻碍我们的绊脚石,“阿修罗说道,“要用绝对的力量,毁灭他们。”

      「可能な限り、仲間を集めなければならない。」帝釈天はこう言った。「敵対者の排除や処刑は、全てあなたに任せる。それ以外のことは、私に任せてくれ。」

      “我们需要联合一切可以联合的助力。“帝释天说道。“排除异己,上阵杀敌的事情,就交给你了,之外的事情还是交给我吧。”

      その後間もなく、翼団は鬼族を叩きのめし、天人一族の間で名を轟かせた。そして戦神阿修羅も、人々に謳われる英雄となった。しかし翼団の力には限りがあるため、より多くの協力を得るべく、阿修羅と帝釈天は軍を率いて都にやってきた。その噂が十天衆の耳に入ると、貴族達は翼団を神殿に呼びつけ、交渉を始めた。

      很快,翼之团将鬼族打得节节退败,在天人之中名声大噪,战神阿修罗成为众口传颂的英雄,然而孤掌难鸣,为获得更多兵力支援,阿修罗与帝释天率兵前往都城,谣言传到了十天众的耳中,贵族们传唤翼之团前来神殿谈判。

      「翼団は十天衆の指揮下で、数々の功績を挙げた。決議の結果、汝らに天人正規軍と名乗る名誉を授ける。」十天衆の長たる善法天はこう言った。

      “翼之团在十天众领导下,战功累累。经过决议,决定为你们授予成为天人正规军的荣耀。”十天众的领袖善法天说道。

      「俺たちは帰順しに来たんじゃない、交渉しに来たんだ。」

      “我们是为谈判,并非让你们招安。”阿修罗道。

      「翼団の目的は、鬼族を永遠に駆逐し、失われた土地を取り戻すことです。正規軍であるかどうかは関係ありません。私達と十天衆の皆様の目的は同じではありませんか。どうして共に戦えないのでしょうか?」帝釈天はこう進言した。

      “翼之团之所以成立,为的是长远以来能击败鬼族,收复故地。是否加入正规军并不重要,十天众的诸位大人,我们利害一致,为何不能联手合作呢?”帝释天道。

      「貴様らのような卑しき民に貴族の名が与えられたことは、名誉の限りだと知れ。貴様らははなから交渉する資格なんぞ持ち合わせていないのだ。」

      “给予你们贱民跻身贵族的机会,便是对你们最大的恩赐。你们没有与我们谈合作的资格。”

      「鬼族という外患を解決するには、天人一族は今まで以上に団結しなければならない。我が要望はただ一つ、貴族が民に物資を分け与えることだ。」

      “想要解决鬼族的外患,天人必将要无一例外地团结,我要贵族们把物资分发给平民。”阿修罗说道。

      「外患を解決するには、先に内憂を解決すべきだ。兵を呼び集め、権力を握ろうとする貴様らこそ、天人一族の内憂に当たる。」善法天が杖で地を叩くと、数えきれないほどの兵士が瞬く間に神殿に現れ、二人を幾重にも取り囲んだ。「帰順するか、死刑になるか。貴様らに他の選択はない。」

      “要解决外患,必将先解决内忧,你拥兵自重妄图从我等手中夺权,是为内患。”善法天敲了敲手杖,殿内涌出众多士兵包围二人。“接受招安,还是被判死罪。除此之外,你们没有第三个选择。”

      「服従か、それとも死か。」阿修羅の目に残忍な色合いが浮かんだ。彼の霊神体が急に顕現し、雨の如く周囲の兵士に振り下ろされた。「それはこっちの台詞だ。」

      “服从,或者,死。”阿修罗目光冷酷,灵神体突然窜出,像箭雨一般冲向四方士兵,“这是我的台词。”

      一瞬で、兵士は血飛沫と化し、神殿中が血に染められた。

      仅一瞬间,士兵们变成了血沫,整个神殿都被血染红。

      「畜生め、もっと兵を呼べ!」

      “胆大包天,叫更多军队来!”

      さらに兵士がやってきて、人の壁を作り出した。しかし阿修羅の触手はそのまま兵士たちを薙ぎ倒し、善法天に襲いかかり、彼を縛り付けた。そして息ができないほど、善法天を空高く吊るし上げた。

      更多士兵涌入组成人墙,阿修罗的触手掀翻士兵直冲向善法天,触手直接捆住他,将他高高吊起,善法天被勒得几乎窒息。

      「命乞いしろ、そして俺の命令に従え。」阿修羅はこう言った。「運が良ければ、俺はお前を逃し、深淵で暮らすことを許すかもしれないぞ。」

      “求饶,答应我的条件。”阿修罗道,“如果我高兴,会放你一命,让你去深渊苟延残喘。”

      殺すか死ぬかのその時、鬼族が侵攻してきたという知らせが届いた。鬼族が雲霞のごとく城の近くまで押し寄せてきている。帝釈天は、天人一族は今まさに存続の危機にあると知った。

      而在双方战得你死我活之际,却又传来鬼族攻至城下的消息,乌云压境一般的鬼族士兵集结于城外,帝释天意识到眼前正是天人灭亡的生死时刻。

      「分かったか?放せ、貴様の本当の敵は私達じゃない、侵攻してきた鬼族だ!」善法天は言った。「敵軍が迫っている時に仲間割れするなど、それが貴様の言う英雄か?!」

      “看到了吗?放开我,你真正的敌人不是我们,而是城外来犯的鬼族军队!”善法天说道,“兵临城下之时内讧,这便是被称颂的英雄之所为吗?”

      「鬼族の軍隊は、当然皆殺しだ。しかしその前に、俺はお前らを一人残さず殺す。」阿修羅はこう言い返した。

      “鬼族军队,我自会杀光。而在那之前,我会先杀了你们。”阿修罗道。

      「鬼族は翼団が救援を求めている隙に、兵をかき集めました。」帝釈天は言った。「これは我が一族の存続の危機に当たる一大事です、どうか武器をおさめ、共に敵を撃退してください!」

      “鬼族趁翼之团求援之际集结兵力,”帝释天说道,“此战事关一族存亡,我恳请诸位放下武器,联手抵抗外敌!”

      「帝釈天、なぜやつらに妥協するんだ?貴族が際限なく民を圧迫しているからこそ、天人一族は鬼域に落とされ、鬼族と戦争を繰り返す羽目になったんだ。十天衆を根絶やしにしない限り、例え鬼族を殺し尽しても、第二、第三の鬼族が必ず現れる!」

      “帝释天,你怎可以向他们妥协?贵族们荒淫无度剝削百姓,才致使一族坠入鬼域,与鬼族征战不休,十天众一患不除,就算灭掉鬼族,又会有千百他族前来为战!”

      「状況を弁えろ、阿修羅!今ここで十天衆を殺したらどうなると思う?」帝釈天は彼に言い聞かせた。「十天衆が死ねば、都は大混乱に陥る!都が陥落し、天人一族が絶滅に追い込まれたら、私達は一体どうやって罪を償うんだ!」

      “看清局势,阿修罗!若你今日杀了十天众,又当如何?”帝释天争辩,“十天众一死,整个都城就要大乱!如果此时城破,一族灭亡,你我就是天人族的罪人!”

      「罪を償うべきは、ただ王座に座って皆の成果を我が物にする貴族達だ!」阿修羅は怒りに身を任せて叫んだ。「帝釈天、貴族であるお前には、永遠に分からない!」

      “天人一族的罪人,从来都是王座上坐享其成的贵族。”阿修罗怒道,“帝释天,你也是贵族,你永远也不会明白!”

      その時、善法天が口を開いた。「翼団は反逆の罪を犯したが、それを許してやってもいい。翼団の物資の件についても、話し合ってやってもいい。貴様らが鬼族の軍隊を打ち破り、天人一族の危機を救いさえすれば!」

      然而就在这时,却传来了善法天的声音。“翼之团谋反一事,我等可以不做计较,翼之团想要军备一事,也可从长计议,只要你们能够大破鬼族军队,拯救天人一族于危难!”

      阿修羅は前に出た。「それなら、素直に負けを認めろ。物資を分け、軍の指揮権を俺に渡せ!」

      阿修罗上前道,“既然如此,就出来认降,答应我的条件平分物资,向我阿修罗交出兵权!”

      「我々こそが天人一族の支配者だ、翼団は我々に帰順すべきだ。」十天衆はこう言った。「連合軍の統帥権を握る者も、我々が決める。それは阿修羅、貴様ではない。我々は帝釈天を、連合軍を統べる者に任命する。」

      “我等才是天人的统治者,翼之团应向我军归顺。”十天众道,“联军首领也应由我等任命,而那人将并非阿修罗,我等决议任命帝释天为联军之首!”

      阿修羅は声高く言い切った。「翼団はお前らの指示なんかには従わない。」

      阿修罗高声道,“翼之团不会听从你们这些无耻之徒的安排。”

      しかし今回彼は、いつものように帝釈天の賛成を得られなかった。振り返ると、阿修羅の目に映ったのは、重々しい顔をしながら素早く前に出て、自分の側に来て、しばらく黙ったあとに、急に頭を下げ、片膝をついた帝釈天の姿だった。

      然而这一次,他却没有等来帝释天一如既往的赞同。阿修罗回过头来,却看见帝释天面色凝重地快步向前,走到自己身边,沉默片刻后,帝释天突然单膝跪下在神殿之中,低下了头。

      「この帝釈天、十天衆の任命を引き受け、軍を統べ鬼族を打ちのめす所存です。」

      “我帝释天,愿意接受十天众的任命,率军前去迎战鬼族!”

      阿修羅は信じられないといった表情で彼を睨みつけた。「帝釈天、やつらに騙されるな。それは俺達の仲を裂く罠だ!」

      阿修罗不可置信地看着他,“帝释天,你不能就这样被他们欺骗,他们此举是为了挑拨你我!”

      「私の決断は、全て私が決めたこと。これこそが私の求めていた答えだ。」帝釈天はこう言った。

      “我所作决定,是出于我自身,这就是我心中所认同的答案。”帝释天说道。

      「お前が決めたというなら、お前はもう俺の知っている帝釈天ではない。」

      “如果你的决定是出自你的心,那你已经不是我认识的帝释天了。”

      「私の心は初めから、何も変わっていない。」帝釈天はこう言った。

      “我的心自始至终从未改变。”帝释天说道。

      「どうやら俺が最初からお前のことを勘違いしていたようだ。さらばだ、帝釈天。」

      “那我恐怕是从始至终看错了你。我们一刀两断吧,帝释天。”

      阿修羅は振り返ることなく神殿を後にした。夕日に照らされた彼は、長い長い影を落とした。

      阿修罗头也不回地向殿外走去,夕阳将他的影子拉长。

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