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13、阿修罗 绘卷第六章:飞鸟 ...
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終結
金色の幻境の中で、忉利天神の残留思念が当時帝釈天を迎えた時のように阿修羅を迎えた。本当の忉利天神は帝釈天のようでもあり、阿修羅や天人のようでもあり、天人以外の万物のようでもあった。阿修羅は最後の神に問いを投げかけた。
在金色的幻境中,忉利天神残存的意识如同当年迎接帝释天那般,迎接了阿修罗的到来。真正的忉利天神像帝释天,却也像阿修罗,像天人,却也像天人以外的万物。阿修罗向着最后的神明发出质问。
「慈悲深さを自ら誇る忉利天神よ!貴様はどれだけ残酷なのだ!私が生まれついての闇の子だからというだけの理由で、私の全てを奪い去ろうというのか?」
“自诩慈悲的忉利天神,你是何等残忍!难道只因我生来是黑暗之子,你就要夺走属于我的一切?”
「善悪とはそもそもが相対的なものだ。善人の心にも邪念は生まれ、悪人もさとりによって善をなすことはある。邪念は誰しももつもの、どこにでもある。それは神とて、理想郷とて例外ではない!貴様は全ての天人を生んだ。奴を生み、この阿修羅を生んだ。だが貴様はなぜ、奴に一生をかけて私と争わせるほどに私を恐れるのだ!」
“善恶本就一体两面,互为表里,善人心中会诞生恶念,恶人也会一时动容而行善。恶念人人皆有,到处皆是,即使是神也不能免俗,即使是天国也不能例外!你诞生了所有天人,诞生了他,也诞生了我。可你为什么,就这样地惧怕我的存在,怕到非要让他穷尽一生来与我争斗,不死不休!”
忉利天神は憐れむように阿修羅を見つめたが、一言も発しない。
忉利天神悲悯地注视着阿修罗,却一言不发。
「ならば私を闇と、破壊神と化し、貴様が私に強いた運命に抗わせよ!奴にかわって私にあらゆる罪を背負わせよ!」
“既然如此,就让我化为黑暗,化为破坏神,来反抗你强加给我的命运!就由我来代替他,承受所有罪恶!”
忉利天降臨前の最後の瞬間、阿修羅は帝釈天にかわって霊神体を精神の海に融合させ、鬼域の邪念を吸収させた。
在忉利天降临前的最后一刻,阿修罗代替帝释天将灵神体融入了精神之海,吸收起鬼域中的恶念。
「足りぬ、まだ足りぬ!この程度の邪念でこの阿修羅を押しつぶそうというのか?私は貴様たちの新たな神だ!あらゆる魂を屈服させてくれる。あらゆる精神を我が思うままにつくりかえてくれる!我が心のあらゆる望みをこの鬼域で現実のものとしてくれよう!」
“不够,还不够!只是这点恶念就想把我阿修罗压垮吗?我是你们的新神!我要所有的灵魂都臣服于我,所有的精神都随我的喜好而重铸!我要我心中所想的一切愿望,皆在这鬼域中化为真实!”
天人聖子帝釈天は神諭を受けてこの世に降臨し、年若きころから従軍し、鬼族の侵攻を防いで驚くべき戦果をあげ、将軍として兵と民に尊崇された。また、翼の軍団を組織し、辺境を奔走して両族と和解した。しかし、金翅鳥族は帰順しようとせず、龍巣城によって天域を攻め取ろうとした。帝釈天は自ら兵を率いて龍巣城を陥落させた。凱旋した帝釈天は王に推戴された。帝釈天は民を子のように慈しんで善政を敷き、弱き者も強き者も、若き者も老いた者もみな平等に扱った。天域の辺境の魔神族にうとまれ、魔神族は龍巣城をけしかけて天域を攻めたが敗北し、百年の間力を蓄え、魔神軍の総力をあげて善見城に攻め込んできた。天人の王帝釈天は城内の民を避難させ、善見塔の頂で魔神の王阿修羅を迎え撃った。帝釈天は魔王が暴虐無尽で、天域も鬼域ももろとも破壊し尽くすと言うのを見ると、これを斬ることを決意した。二人は翌日の未明まで戦い、帝釈天が阿修羅を打ち破り、魔神軍を深淵の底まで撃退した。天域、鬼域には平和が再び訪れ、善見城の民は故郷に戻った。帝釈天は重いけがを負って行方知れずとなっていたが、三日後の明け方に城に戻り、城門の前で離れ離れになった両親や兄弟と再会し、無事を喜び合った。民は道の両側に並んで高らかに叫び、村人は花を捧げ、歓喜の声は遠くまで響き渡った。宮殿の門の下では無数の人びとが集まり、帝釈天を再び王に推戴した。天域、鬼域にはこれから長く平和が続き、天上と天下に争いを起こす者はいなくなった。
“天人圣子帝释天,受神谕降生于世,年少参军,抵御鬼族侵扰,一鸣惊人,为兵将民众所爱戴,成为一方大将。又创立翼之团一军,为两族和谈奔走于边境,终于使两族和解。然金翅乌一族不肯归顺,盘踞龙巢一城意欲攻取天域,帝释天亲自举兵讨伐,龙巢城大捷。帝释天回城后,千万人簇拥其登上王位。其为王爱民如子推行仁政,无论弱小强大,青壮老幼,一视同仁。却遭天域边境魔神一族妒恨,魔神族挑唆龙巢城攻打天域失利,韬光养晦百年,最终举魔神大军攻打善见城。天人之王帝释天遣散城中百姓,于善见塔顶亲自迎战魔神之王阿修罗。却见魔王行仪粗鄙,行事残忍,无恶不作,口出狂言要将天域鬼域一并摧毁,终于决心将其斩杀。二人大战一日之久,直至次日清晨,帝释天战胜阿修罗,又将魔神一军击退千里,打入深渊之底。天域鬼域从此重归和平,善见城百姓重归家园。帝释天重伤失踪,于三日后清晨时归城,与失散的父母兄弟团聚城门前,喜极而泣。百姓夹道高呼,村人献上鲜花,欢声十里,直至王殿门下,千万人簇拥帝释天重登王位。天域鬼域,从此永享和平,天上天下,再无求战之人。”
「この不公正にしていつわりの世界よ、聞くがよい!新たなる神の名において我に服従することを命ずる!この阿修羅の欲念よ、我に屈服せよ!」
“记好了。这虚伪而不公的世界啊!我以新神之名,命令你服从我!臣服于,我阿修罗的欲念!”
最後の神と対峙した後、暴れ回る破壊欲の中で阿修羅は自意識を保ち続け、落ちていく帝釈天を何とか受け止めた。「私は生まれついての闇の子だったが、貴様は私に光を与えてくれた。貴様は光の中で生き続けるのだ。私は永遠に闇へと落ちた怪物となろう。帝釈天よ、しばしここで休息するがいい。」
与最后的神明对峙后,在疯狂暴虐的破坏欲中,阿修罗撑着自我意识,终于在帝释天坠落前接住了他。“我生来就是黑暗之子,而你却让我看到了光明,给了我情谊。你应该一直活在光明之中,就让我成为永堕黑暗的怪物。帝释天,暂时在这里歇息吧。”
「なぜ貴様がここに?そして私はなぜここに?」目覚めが帝釈天が問うた。
“你怎么会在这里,我又为什么会?”醒来的帝释天问道。
「別れを告げに来たのだ。私の理性はすぐに邪念にのみ込まれ、破壊神となる。貴様は我らがともに追い求めた世界の中で目覚めるのだ。貴様の強情ぶりは結局変わらずじまいだったな。しかし、今になって少しは貴様の執着が理解できた気がする。ただ残念なことに、私は貴様のように物分りがよくない。私がほしいのは自らの手でつくりあげた世界、自らの手で奪った全てだと前に話したな。私にとって大事なのは、民の自由などより自分の心の中の邪念なのだ。」
“我是来告别的。我的理智很快就会被恶念占据,成为真正的破坏神,而你会在我们共同追寻的世界中醒来。到头来你我完全是一样的脾气,只是在这一刻,我似乎有点理解了你的执念。只可惜啊,我终究还是没你这样的好脾气,我说过我想要的是自己亲手创造的世界,亲手夺来的一切。众生的自由在我眼前,如何比得上我心中的妄念。”
「貴様、いったい何をしたのだ?」
“你究竟做了什么?”
「我が名は阿修羅、魔神族の首領にして天人と鬼族との戦争を引き起こした張本人、天域を望む魔族、貴様の宿敵。我らは今日初めて相まみえ、善見塔で勝負を決し、私が敗北した。もはや二度と会うことはあるまい。」
“我的名字是阿修罗,魔神一族的将领,挑起天人和鬼族之间战火的罪魁祸首,觊觎天域的魔族,你的宿敌。我们今日初见,是在善见塔上一决高下,自我败后,永不再相会。”
「いや、阿修羅とは長い付き合いだ。今日初めて相まみえたなどと…。我らは辺境の村の外れで出会った。奴は鬼族から我ら一行を救ったのだ。決して魔族の首領などではない。我ら天人族の英雄だ。」
“不,阿修罗与我相识已久,并非是今日初见。我们相遇在边境的村外,他从鬼族手中救下了我们一行,他也并非魔神将领,而是我天人一族的大英雄。”
「思い違いだ。」
“你记错了。”
「思い違いではない。阿修羅の霊神体は強大であったが、心の病に侵されていた。私は奴の苦しみを心で感じ、友となった。我らはともに戦場に立ち、無数の勝利を重ねてきた。」
“我没有记错,阿修罗灵神体强大,却饱受疯病之苦,我用心灵感应分担他的痛苦,与他结为搭档。我同他一起上过战场,打了无数胜仗。”
「どんな勝利を重ねてきたというのだ?」
“那你们都打过什么胜仗?”
「瑠璃城の大勝…奴は鬼族のふりをして私を敵の首領に献じ、我ら二人で力を合わせて首領を斬り、城内の民を救った。龍巣の大勝…阿修羅は城に潜入し、陣太鼓を鳴らさせた。私は敵が慌てたすきに兵を率いて裏門から攻め入った。善見城で私が新王につくと、反乱軍の兵が城下に迫り、阿修羅は…阿修羅…どこへ行った?」
“琉璃城大捷,他扮作鬼族,将我献给贼首,我们二人合力刺杀贼首,救了城中百姓。龙巢大捷,我与他兵分两路,阿修罗潜入城中,命人佯击战鼓,我领兵从后门趁虚而入。善见城中,我被任命为新王,叛军兵临城下,阿修罗他……阿修罗……去了哪里?”
「思い違いだ、帝釈天。」
“你记错了,帝释天。”
「思い違いではない。教えてくれ、奴はどこへ行った?」
“我没有记错,求你告诉我,他到底去了哪里?”
「奴は敵情を視察に行ったんだ。貴様が寝ている間に、貴様を起こさずに。私をここで待たせて。体力を温存しておくんだ、明日は龍巣城を攻めるんだ。奴は龍巣城を落とすのが貴様の悲願だと知っている。必ずや貴様とともにやってのけると言っていた。」阿修羅が言った。「眠れ。貴様が目覚めた時には奴が戻ってくるだろう。戦いは貴様の手で終わった。両族は二度と戦火を交えることはない。鬼族と天人は分かり合い、敵対することはない。凱旋した貴様を民は道の両側に並んで迎えることだろう。村人は花を捧げることだろう。あれだけ貴様に冷たかった家族も城を出て、善見城下で貴様を迎えるだろう。貴様の夢の中にはかつての戦友があらわれる。そして貴様が目覚めると、今の友と相まみえるだろう。」
“他去勘察敌情,看你还在睡就没有叫醒你,他让我等在这里,告诉你要养精蓄锐,明天我们攻打龙巢城。他知道攻下龙巢城是你的夙愿,他说一定要和你一起完成。”阿修罗说道,“睡吧,等你醒来,他就会回来。战事已经终结于你手,两族再不会燃起战火,鬼族与天人能够互相理解,不再敌对。而你乘胜归来,平民为你夹道欢呼,村人为你送上鲜花。就连一直冷待你的家人,都会亲自出城来,在善见城下,恭迎你归来。在你的梦里,有你曾经的战友,而等你醒来,又会见到现在的友人。”
「そんな日が本当に来るのだろうか。」帝釈天が最後に聞いた。
“会有那样的一天吗。”帝释天最后问道。
「貴様が望みさえすればな。」
“只要你希望。”
阿修羅が幼いころ母から聞いていた鼻歌を小さく歌っていると、帝釈天はすぐに深い眠りについた。できるならば阿修羅とてもこの世界にとどまり、その様子をこの目で見てみたい。しかし、どんな願いにも代償がある。忉利天神の過ちは願いだけで代償のない世界をつくりだしたことだった。今度は阿修羅が代償を支払う時だった。「帝釈天よ、行くのだ。もう過去を振り返るな。もう誰かのために歩みを止めるな。そして私も、同じく歩みを止めることはない。」
阿修罗小声地哼起儿时从母亲那里听来的调子,帝释天很快就沉沉地睡了过去。如果可以,阿修罗也想留在这个世界里亲眼看看它的样子,然而一切愿望都有代价,忉利天神的错误,就是创造了一个只有愿望却没有代价的世界,现在到了阿修罗支付代价的时候。“帝释天,你该走了,不要再看向过去,不要再为谁而停滞不前。而我,也同样不会停步。”
阿修羅は最後の力を振り絞り、自らと無数の邪念を深淵に投げ込み、深淵を再び封印した。こうして阿修羅は永遠の闇に落ち、光に足を踏み入れることのない唯一の魔王となった。
阿修罗以最后的力量,将自己和万千恶念一同打入深渊,并再度封印了深渊。自此,他将永堕黑暗,成为无法走入光明的唯一的魔王。
数日後の明け方。善見城では天人と鬼族たちが歌い踊って帝釈天の勝利を祝っていた。深淵の天魔は封印され、天域にも争い、苦しみ、犠牲のない時代がようやくやってきたのだ。帝釈天は目を覚ますと、自らが馬車に乗っていることに気づいた。馬車は善見城に向かって走っていた。
数日后的清晨,善见城歌舞升平,天人和鬼族们一同庆祝着帝释天的胜利。深渊天魔被封印,而天域也终于迎来了再也没有战争、痛苦和牺牲的时代。帝释天迷迷糊糊地醒过来,发现自己正在马车上,车一路往善见城驶去。
「これは…どうしたことだ?」
“我这是……怎么了?”
「帝釈天様はあの深淵の天魔に打ち勝ち、天域に光を取り戻されたのですが、重いけがを負って意識を失われたのです。心魂はかなり傷ついてはいますが、忉利天神の加護を受けたのか、数日で急速な回復を見せています。」
“大人是打赢了那深渊天魔,给天域重新带来了光明,却重伤失去了意识。您的心魂虽受了重伤,但也许是得到了忉利天神明的庇护,这几天还是很快恢复了。”
「深淵の…魔王?」
“深渊……魔王?”
「覚えておられないのですか?天人族は鬼域に落ちてから深淵の魔神族と敵対し、長い間争ってきました。帝釈天様が翼の軍団を組織し、鬼族の乱を平定し、魔神族を震え上がらせ、天域に平和が戻ったのです。しかし、あの深淵の天魔はあきらめず、兵を起こして善見城を攻め取ろうとしたのです。帝釈天様は城内の民を避難させ、一人で立ち向かわれました。」
“大人不记得了吗?我们天人一族自从坠入鬼域,就与深渊中的魔神一族敌对,战争千百年不曾停息。是您一手创建了翼之团,平定鬼族外乱,又震慑魔神一族,给天域带来了和平。然而那深渊天魔却不肯死心,居然举兵欲攻取善见城,您疏散了城中百姓,独自迎战。”
帝釈天は決戦時の様子を思い出そうとした。「高い場所から落下して誰かに救われ、相手の顔を見ようとしたら深い眠りに落ちてしまったことだけ覚えている。」
帝释天试图回忆决战时的情形,“我只记得自己好像从很高的地方摔了下来,被人救下,想要看清救我的人是谁,却昏昏沉沉地睡了过去。”
「決戦時のけがで記憶を失ったのかも知れません。いずれにせよ、王が不在という状況は一刻も裂けねばなりません。それで帝釈天様をまず善見城にお送りするよう訴えました。どうか勝手をお許しください。遠くから聞こえるのは、民が帝釈天様を再び王座にお迎えする歌です。」
“恐怕您是因为决战时重伤而暂时失去了记忆。不管如何,一族不能一日无王,于是我自作主张先护送您回善见城,还望大人见谅。大人您听,远方那是族人们在为您唱起迎接的歌谣,为恭候大人回城,重归王座。”
柔らかく高らかな歌声は、かつて天域と鬼域の境界で両族の子どもが歌っていた歌だった。翼の軍団によって辺境から善見城に持ち込まれた旋律が今、遠く善見城の方角から聞こえてくる。帝釈天には聞き覚えがあった。「この歌を覚えている。白い羽根の鳥が雷雨の朝に雲と風の間を通り抜けながら次第に飛び方を身につけていくという歌だ。最後には鳥は雲の上にたどり着き、永遠に雨がふらず、風もない場所で過ごすのだ。」
柔美又高亢的歌声曾是天域与鬼域交界之处两族的孩童都会唱的调子,被翼之团从边境带来善见城传唱,如今又远远地从善见城的方向传来,帝释天觉得似曾相识,“我记得这首歌。它唱的是一只白羽的鸟儿,在一个雷雨交加的清晨穿过云层与风,慢慢学会飞的故事。故事最后它飞到了云端之上,留在了那个永远晴朗无风的地方。”
「小鳥が雷雨の中をどう飛ぶというのか?ひょっとしたらこの歌の最後では鳥が暴風雨の中で死ぬという場面を暗示しているのかも知れない。」
“小鸟在雷雨里如何能飞?或许这首歌的最后,是在影射鸟儿死在了暴风雨中。”
「だが少なくとも、小鳥が一切を顧みず飛ぼうとしたという事実は変わらない。」
“但至少,它曾不顾一切地飞过。”
深淵の底で阿修羅は天人たちの歌声を聞いたような気がして、一瞬頭の上の光を仰ぎ見た。深淵では笑い声と阿鼻叫喚の叫び声が響き渡っている。阿修羅の手の中の引き裂かれた魔神は、まるで歌うように阿修羅の名を繰り返し叫んでいた。
深渊之下,阿修罗似乎也听到了天人们的歌声而有一瞬间抬起了头,望向头顶的一丝光明。深渊中响彻着笑声和撕心裂肺的惨叫,而阿修罗手中被撕裂的魔神还在如同吟唱一般反复地念着他的名字。
「たとえ無数の民の心の闇が私一人に集まったとしても、我が心を満たすことはできない。我が心は光の中にあり、我が身が闇に落ちることは決してない。」
“即使千千万生灵心中的黑暗,都归于我一人,也无法填满我心。我心仍在光明之中,我身也不会永堕黑暗。”
「私はいつか、我が心を満たすことのできる者がいる場所へ戻るだろう…」
“终有一日,我将再度归来,去往能填补我心之人所在的地方……”
「阿修羅…阿修羅!破壊神…阿修羅!」体を引き裂かれた魔神が地上に投げ出され、阿修羅に頭を踏みつぶされても阿修羅を称えることをやめない。
“阿修罗……阿修罗!破坏神……阿修罗!”肢体残破的魔神被丢在了地上,即使被阿修罗踩碎头颅,也不曾停止称颂他的名字。
帝釈天は宮殿で数ヶ月休むと、深淵との辺境にある翼の軍団の戦友たちを訪ねた。
帝释天在宫殿中修养数月后,就前往了深渊边境探访翼之团的战友们。
「翼の軍団の者たちとともに城を出るのは私が王位についてから初めてのことだな…もうそんなに経つのか。」
“和翼之团大家一起出城,自我登基为帝以后还是第一次……竟然过去了这么久吗?”
「そうです。帝釈天様は王位につかれてからは善見城にこもって出ていらっしゃらない!辺境ではみな『帝釈天様はどうしてこもりっきりなのか』と言っていますよ。」
“是啊,帝释天大人自从当了王,就躲在善见城里不出来了!边境的大家现在还时不时会问,帝释天大人怎么不来了。”
「こうして出てきたではないか。善見城のこともようやく片付いた。みなとともに辺境の新しい村を見に行きたいと思うが、どうかな?」と帝釈天は笑う。
帝释天笑道,“我这不是来了吗,好不容易善见城的事情也忙完了,和大家一起来看看边境的新村镇怎样了。”
「もちろん、喜んでおともします。帝釈天様が善見城に行かれると、辺境再建の費用、物資がすぐに届きました。故郷を離れた者も多くが戻ってきました。」
“当然是好得很啊,当年大人去善见城赴任,重建边境的钱和物资很快就拨下来了。背井离乡的人,也很多都回来了。”
一行が歩きながら話していると、小さな山腹についた。この山腹は昔翼の軍団が頻繁に食糧を輸送していた場所だった。
众人边走边聊,终于到了一座小山坡附近,这座山坡是当年翼之团经常运送粮草的地方。
「帝釈天様、ご覧ください!当時はいつも夜に食糧を輸送していましたが、幸い鬼族に待ち伏せされたことはありませんでした。今考えれば実に幸運でした。」
“大人快看!当年经常夜里行军运粮,好在从没有被鬼族伏击过,现在想想真是太幸运了。”
帝釈天は、当時はこれ以上ないほど陰気だった場所が、今では至るところに花が咲き、山腹には小屋が建ち、その前には蓮の池があるのに気づいた。誰かがいつも手入れをしているようだ。「蓮の池があるのなら、白鳥が何匹かいた方が趣があるな。」と帝釈天は思わず漏らした。
帝释天注意起来,当年无比阴森的地方,如今却到处盛开着鲜花,山坡上还有一栋小房子,屋前竟还有一处莲池,似乎是谁经常在打理的样子。他不禁说道,“既然有莲池的话,要是池水里再有几只白鹅就更有生趣了。”
「帝釈天様は白鳥もお飼いになるのですか?」
“帝释天大人居然会养鹅吗?”
「まさか!白鳥とはどうも仲良くなれなくてな、私の友が…、う…?」
“怎么会!我和白鹅真是难以和睦相处,都是我的友人他……他……?”
その時、翼の軍団に突然、待ち伏せていた山賊が襲いかかってきた。
就在这时,翼之团的队伍突然遭到了山贼的埋伏。
襲ってきた山賊はどこか様子がおかしい。鬼族のようでもあるが、生気が全く感じられず、動きもぎこちない。戦友たちが一人また一人倒れていくのを見ながら、帝釈天はまだ完全に回復していない霊神体を召喚した。しかし、蓮の花を広げたところで一刀両断される。霊神体が攻撃をまともに受けた帝釈天は、激痛でその場に倒れた。
袭击他们的山贼气息十分奇怪,像是鬼族,却又毫无生气,动作僵硬。眼见战友们一个个倒下,帝释天召唤出了尚未恢复的灵神体。然而莲花刚刚显现,就被一刀斩断,灵神体被直击的剧痛下,帝释天跪倒在地。
その瞬間、空から降りてきた黒い影が周囲の鬼族を一人また一人と粉々にしていく。帝釈天に向かって進んできて、横に体を動かすたびに叫び声があちこちであがる。帝釈天の前に立っていた鬼族は逃げる間もなく、もっていた石斧を帝釈天に振り下ろした。
谁知在这关键时刻,一个漆黑的身影从天而降,将周边的鬼族一个又一个撕成碎片。他一路朝着帝释天的方向杀了过来,一路上肢体横飞,惨叫声此起彼伏。挡在帝释天面前的鬼族却丝毫不知逃命,反而急忙举起了手中的石锤,朝着帝释天就砸了下来。
真っ赤な触手が背後から鬼族の体を貫くと、帝釈天の顔に血飛沫が降りかかった。引き裂かれた体はそばに放り出され、背後の黒く血に染まった影があらわれた。その姿に、帝釈天は思わず目を見開く。
一只猩红的触手从他的身后穿透了他,血溅了帝释天一脸。残破的身体被随意地丢在了一边,显现出他身后漆黑,染血的身影。帝释天睁大了眼睛看着眼前的人——
「貴様は…」
“你是……”
天域の千年戦争は終わりを告げたが、彼らの物語は始まったばかりだ。
天域的千年战争已经终结,但他们的故事才刚刚开始。