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67、祈神之宴 ⑤ ...
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——幻境の中
——幻境之中
晴明の目に映る景色は再び賑やかな町に変わった。孔雀の国の人々が通りかかる大通りは、なにやら騒がしい。
晴明面前的景象重新变为了一片闹市。这里是孔雀国人潮涌动的街道,人们的议论声此起彼伏。
【晴明】
「周りの景色はまた変わった、今度の旅はどのくらい続くのか。」
周围的幻境又改变了,不知这段旅程还会行进多久。
【孔雀の国の舞姫】
「聞いた?この前宴の会場が火事になって、多くの長老が巻き込まれ、悲惨な死に方をしたって!」
你听说了么?前不久元老们的宴会厅被火烧毁了,不少长老都被困在里面,死状极其凄惨!
【孔雀の国の平民】
「空高く昇った煙のことか、そりゃ城中に知れ渡ったじゃねえか!犯人はかつての青の王女、なんとかして逃げおおせた長老達の話によれば、殺戮の罪を犯した青の王女は、自分にも火をつけ、焼死したそうだ。そりゃ災いの女王を姉に持つ人とはいえ、こんなことになるとは嘆かわしいな。しかし長老達があんな目に遭って、本当にいい気味だ。俺たちは大変な生活を送っているのに、連中は見て見ぬふりして享楽に耽る。」
你说那升起的滚滚浓烟?这件事怕是全城的人都知道了吧!凶手就是曾经的青公主,据那些逃出的元老们所称,犯下杀戮之罪的青公主,在火海里点燃了自己,一起烧死在了里面。哎,虽然她的姐姐是祸国女王,但她走到这个结局,也着实令人唏嘘。不过那些元老也算活该,我们过的如此艰难,而那群家伙却依旧视而不见,沉迷享乐。
【孔雀の国の舞姫】
「そういえば、最近貴族の連中は大人しく地下宮殿に引きこもっていて、滅多に外に出てこない。近頃ぽっつり現れた、仮面をかぶっている神女様を恐れているんじゃないか。」
话说回来,最近那些贵族老爷倒是老实了,乖乖呆在他们的地下宫殿,也不爱出门寻欢作乐。我看他们是惧怕那位凭空冒出的蒙面神女吧。
【孔雀の国の平民】
「神女様か、そういえばこの前砂嵐が起きた時、あの方は砂嵐を追い払ってくれたおかげで、うちの畑は被害が出なかった。あの方が長老議事堂の屋根裏に現れ、長老の一番お気に入りの彫像を打ち壊したのを見たんだ。空に打ち上げられた花火は、忘れられないほど綺麗だった。面白いことに、その夜、元老院は大人数の兵を送り込んで神女様を捕縛しようとした。しかし期待とは裏腹に、逆に長老の金庫をぶち壊され、金目のものを全て持ち去られた。皆言っているよ、空から落ちてきた銭貨は、実は神女様の恵みって。」
说起神女,上回绿地刮起沙暴,是一位蒙面神女将沙尘驱散,咱们的田地才能完好无损。是啊,我曾目睹她出现在元老议事厅的屋顶,将长老最中意的自塑像给炸毁,那飞上天空的开屏烟火,真是令人过目难忘。最有趣是,当夜,元老院出动大批卫队捉拿神女,却不料让长老的金库遭到洗劫,被炸了个底朝天,大家都说,那从天而降的金币,皆是源于神女的恩赐。
【孔雀の国の舞姫】
「しっ、声が大きい。この件に触れるのは長老に禁じられている。衛兵達に聞かれたらまずいよ。」
嘘,小点声,这种事长老可是禁止咱们讨论的,别被那些卫队听到了。
【晴明】
「すみません、ある人を探していて、名は確か翠。彼女を知りませんか?」
不好意思,打扰一下,我想向你们打听一个人,名字应该叫做翠。你们知道她吗?
晴明の言葉を聞いたあと、二人はお互いを見合い、複雑な表情を見せた。
听完晴明的描述,两人面面相觑,神色有些复杂。
【孔雀の国の舞姫】
「何を言っているかしら、忙しいので失礼します。」
这位面生的小哥,你说的我是一点也不知道,我家里还有事,就先回了。
【孔雀の国の平民】
「翠さんを探している? ならばついてこい、居場所は知っている。」
你想找这位姑娘?跟我来吧,我知道她在哪。
男は晴明を大通りから人気の少ない路地裏に連れてきた。
男子带着晴明绕过街道,拐进了一个僻静之地。
【晴明】
「翠さんは本当にこんな辺鄙なところに住んでいるか?」
翠姑娘真的住在如此偏僻的地方?
【孔雀の国の平民】
「なんだ、ようやく気づいたか?」
怎么,你到现在才反应过来?
武器を持って現れた人々は晴明を囲み、敵意をあらわにしている。
一群手持武器的人出现在周围,充满敌意地看向晴明。
【晴明】
「勘違いだと思う。」
我想你们可能误会了我。
【孔雀の国の平民】
「口を開けば翠さんに会いたい、こりゃ企みがあるに違いない、どうせ上が遣わした犬だろう?翠さんは城下町の英雄なんだ。悪神の襲撃を受けたあと、翠さんはいつも真っ先に皆に物資を配り、秩序を守ってくれる。上の貴族はいろいろと理由を託けて血税を搾り取る。税金を払わなければ、女は無理やり連れ去られ、二度と戻れなくなる。男は奴隷にされ、孔雀の国を攻め続ける色欲の神のために神碑を建てなければならない。心優しい翠さんが助けてくれなかったら、うちの娘も連れ去られ、酷い目に遭っただろう。とにかく、誰だか知らねえが、翠さんに危害を加えるやつは、俺たちは絶対に許さねえぞ。」
一开口就是来找翠姑娘,分明不安好心。应该又是上层派来的走狗吧?翠姑娘是我们下城区的英雄,每当受到恶神侵袭后,第一个派人发放物资,维持秩序的就是翠姑娘。上层的贵族不停征税,付不起庇护税的,家中女儿要被迫入宫,一去不返,男儿则被征为壮丁,没日没夜的去为那个侵袭孔雀国的色欲之神立神碑。若不是翠姑娘慷慨相助,义薄云天,我家的女儿也差点被征入宫中,难逃毒手。所以,我不管你是何方神圣,若是想要对翠不利,我们绝不会放过你。
【晴明】
「君達と争うつもりはない、どうしても信じてくれないならば、今すぐ出ていく。」
我不会向你们动手的,若你们无论如何也不愿相信我,那我会自行离开。
晴明が言い終わった瞬間、急に空模様が変わった。突然出現した砂嵐は、周りのすべてを呑み込んでいく。
晴明话未说完,突然狂风大作,天色骤变,黄沙顷刻席卷而来,充斥周围。
【孔雀の国の平民】
「色欲の神だ……色欲の神が現れたんだ!」
色欲之神……是色欲之神来了!
人々が悲鳴を上げる中、暗雲の中に出現した巨大な鬼目は、上から孔雀の国を見下ろしている。その場にいる人々は慌てふためいて隠れられる場所を探している。空に現れた鬼目は見開くと、忽ち数え切れないほどの砂の刃は空から落ち、隣の大樹は一瞬にして真っ二つに切り裂かれた。案内の男はつまずき、砂の刃に襲われそうになった。晴明は素早く男を立たせ、鋭い砂の刃から助け、一緒に洞窟の中に逃げ込んだ。
随着人们的呼号,一双巨大的鬼眼从阴云后方露出,注视着下方的孔雀国。在场的众人乱做一团,四处寻找掩体。那浮现在空中的鬼眼睁大,与此同时,空中落下无数锋利沙刃,就连参天的树木也被瞬间劈作两半。那位带路男子被绊倒在地,眼看就要被沙刃击中。晴明迅敏扶起男子,躲过了锋利的沙刃,躲进一处的洞窟之中。
——洞窟の中
【孔雀の国の平民】
「お前……なんで助けた。」
你……为什么要救我。
【晴明】
「言ったはずだ、君達は勘違いしている。」
我已经说过了,你们误会了我。
【孔雀の国の平民】
「ありがとう……ってことはやっぱり判断を早まったか。この前翠さんに同じこと言われたのに、すまん……」
谢谢……看来确实是我太鲁莽了,翠姑娘之前也这样说过我,抱歉……
【晴明】
「気にするな、皆無事であればいい。空に現れたあれが色欲の神なのか?」
无妨,大家都没有受伤就好。空中出现的就是色欲之神么?
【孔雀の国の平民】
「ああ、まったく……家にいる妻と娘はちゃんと穴蔵に隠れたかどうか…無事だといいんだが。」
是啊,哎……不知道家中的妻儿如何,有没有及时躲进地窖中,希望他们都平安无事。
心配で気が気でない男は、汚れた服の袖で涙を拭い、明らかに色んなつらい思いをして疲れ切っている。
男子一脸愁容,用肮脏的袖口擦了擦眼中的泪水,一脸的沧桑与疲惫。
【孔雀の国の平民】
「今日の襲撃は本当に危なかった…襲撃が収まったあと、また皆に会いたい……何も知らないようだな、ってことはよそ者か。最近色欲の神の襲撃は頻発になっている。色欲の神は毎回孔雀の国の真ん中に砂の槍を打ち込む。中央区域は貴族の縄張り、最初は長老も数人が襲われて亡くなった。でも貴族達はすぐに対策を見つけた。地下で豪華な宮殿を建ててそこに引っ越した連中は、襲撃などなんともないが、城下町のボロ屋は毎回巻き添えを食ってしまう。」
今日这场沙刃实在是下得凶险,希望结束以后大家都能平安无事……看你什么都不懂的样子,怕是从外面来的吧,最近色欲神的侵袭变得愈加频繁起来。每次色欲之神都会朝着孔雀国的中心丢下沙锥,中央区是贵族的领地,一开始确实也砸死过好几个元老,但他们很快就学聪明了。他们住进了地下修好的豪华宫殿中,根本不受影响,倒是溅射出来的沙刃每次都会摧毁下层区的瓦房。
【晴明】
「なるほど、しかし君達はどうやって襲撃を凌いできた?」
既然如此,你们是如何躲过每次的侵袭呢?
【孔雀の国の平民】
「皆家の下に穴蔵を掘ってある。襲撃があると、穴蔵に入って我慢するのだ。それでも、襲撃が収まった頃、穴蔵から出てみりゃ、すべては砂にのみ込まれるんだ。飼っている家畜も、苦労して耕した畑もな。それだけじゃない、俺たちは多額の税金を払わなきゃいけないんだ。上の連中はいつものように新たな税金を押し付けてくる。庇護税も、連中が考え出した税金の一つ。本来果たさなきゃいけない務めを利用して血税を搾り取ってるんだ。税金はほとんど貴族どもの肥やしになった。残りのはした金は神碑の建設費用に注ぎ込まれる。想像もできないだろうが、孔雀の国のあちこちにある神碑は、全て色欲の神のために建てられたもんだ。笑えるよな、孔雀の国を襲う色欲の神のために神碑を建てるなんて、ははは。あんなもん、できれば全部ぶち壊したいよ。」
以防不测,家家户户都挖好了地窖,一旦发生空袭,便躲进地窖之中。只不过,等袭击结束,我们爬出地窖时,一切都被黄沙淹没,不管是饲养的家畜,还是辛苦耕种的田地。除此以外,我们还要缴纳高昂的税金,因为上面总有名头想出新的收税手段,庇护税,就是他们发明的,将本来要履行的义务变成收税的借口。而那些上交的税金大部分进了贵族的口袋,剩余的则被投入立碑的工程。你肯定猜不到吧,孔雀国随处可见的神碑,都是为色欲之神立的。真可笑,为侵袭孔雀国的色欲神立碑,哈哈哈哈。我真恨不得把那些神碑都砸了。
男は悔しくて文句を垂れている。
男子的脸上流露出一丝不甘的愤恨。
【孔雀の国の平民】
「悔しいが、誰もいない隅っこじゃなきゃこんなことを言う勇気もないんだ。」
可惜,这些话我也只敢在这僻静的角落里说。
【晴明】
「あまり落ち込むな、孔雀の国はいつか必ず変化を迎える。」
不必太过悲观,我相信孔雀国总有一日会迎来转机。
【孔雀の国の平民】
「そうだといいな。襲撃が収まったら、翠さんのところに案内してあげる。お前は悪い奴じゃないってわかったから。」
但愿吧。等侵袭结束,我便将你引荐给翠姑娘,我已经相信你不是坏人了。
【晴明】
「ありがとう。」
多谢。
その時、近くの市場から叫びが届いた。
此刻,不远处的集市中传来一阵呼喊声。
【孔雀の国の平民】
「見ろ、なんだあれは!」
快看啊,看是什么!
一人の凛々しい神女は砂丘の上で舞を踊っている。彼女は舞の力を操り、羽衣をなびかせて落ちてくる砂の刃を吹き消した。
一个英气的神女正立于沙丘之上,她化舞为灵,用飘舞的羽衣,控制着气流,将坠落而下的沙刃吹散。
【孔雀神女】
「圧政を敷く貴族に天より舞い落ちる災い、誇るべき孔雀の国は変わり果て、絶滅の寸前に追い込まれる。人々を脅かし、恐怖を植え付けたのは、民草を見下ろす神にほかならない。」
贵族压迫,天降灾厄,将我们为之荣耀的孔雀国,摧残至此。胁迫你们就范,令你们心生恐惧的,正是这高高在上的神威。
次の瞬間、羽の刃を手に取り素早く動き出した彼女は、自分よりずっと大きい色欲神碑に向かって剣を振り下ろす。雷鳴のような轟音が響くと、巨大な神碑は砕けて普段の石塊になった。砕けた神碑の下、一筋の光は土の中から現れて神女を包み込む。
随即,她手握羽剑,身姿灵动,朝着比她高出数丈的色欲神碑奋力砍下。伴随着雷鸣般的轰响,巨大的神碑碎裂开来,落石滚滚而下。破碎的神碑之下,一束光芒破土而出,持剑之人沐浴在光芒中。
【孔雀神女】
「これより、災害や神の罰を恐れなくてもいい。私、この孔雀明王は人々の恐怖を打ち倒し、暗黒の時代を終わらせる。」
从今往后,你们不必再恐惧天灾与神罚。我,孔雀明王,将摧毁你们的恐惧,为你们结束这漫长的黑夜。
風になびく孔雀羽衣を着ている神女は、空に向かって剣を高く掲げる。空に巣食う暗雲や砂は吹き払われ、日差しは久しぶりに人々に降り注いだ。晴明は砂丘の上にいる神女を見ている。仮面は彼女の顔を隠しているが、鋭い眼差しだけは隠せない。人々に紛れ込んでいる翠も涙ぐみながら、砂丘の上にいる神女を見つめている。
孔雀羽衣在风沙中不住飘扬,她将举起羽剑击向天空,笼罩在天空中阴霾与黄沙被驱散,民众见到了久违的阳光。晴明看着立于丘顶的神女,面具遮掩了她的真容,但她的眼神却一如既往的锐利,翠亦在人群中仰望着丘顶的神女,而她的眼角却略带湿润。
——貴族の議事堂
——贵族议事厅
【貴族の部下】
「長老、近頃孔雀明王と名乗る神女が現れました。その女は民を惑わし、神碑を壊しています。」
长老,最近平民区冒出一个自诩孔雀明王的神女。四处蛊惑民众,摧毁神碑。
【大長老】
「まだ捕らえておらんか?」
人还是没能抓住吗?
【貴族の部下】
「……その女は神出鬼没で、目くらましの術まで使って逃げています。とはいえ、増援したので、近いうちに捕縛できると思います!」
……她的行动像风一样,常以障眼之法,逃脱追捕,不过我们已经加派人手,一定能将她逮捕!
【大長老】
「ふん、孔雀明王、舞姫如きが大層な名前をつけたな、そんなに民を味方につけたいか。」
呵,孔雀明王,区区一个舞姬,竟许给自己这样的称号,控制民众为其造势。
【貴族の部下】
「長老、ご心配なく、神女と語るペテン師なら、対策はいくらでも用意できます。やつの正体さえ明かせば、あの女は我々にひれ伏すしかありません。」
长老放心,那个自诩神女的骗子,我们有无数种方法应对她,只要让民众看清她的真面目,她便是砧板上任人宰割的鱼肉。
【大長老】
「わしも鬼じゃないから、大人しく非を認めて心を入れ替えるならば、もう一度だけ機会をやろう。神女を演じ続けても構わない、ただし、言うことを聞かない人形はいらない。」
我也并非不通情理之人,若她能够俯首认错,我倒是可以给她一个改过自新的机会。她能继续做她的神女,但我需要的只是一个美丽的人偶。
【貴族の部下】
「お任せください、長老。」
交给我去做吧,长老。
——城下町
——下层区
【翠】
「あなたのことは聞いた、仲間を助けてくれたことに感謝する。だが、一つだけ解せないことがある。どうして私が孔雀明王を知っていると?」
你的事,旁人已与我说过了,感谢你的仗义相助。不过,有一个问题令我不解,你是怎么知道我认识孔雀明王的呢?
翠は晴明の目をまっすぐに見つめ、刀の鞘を握りしめた。
翠盯着晴明的双眼,手已放在刀鞘之上。
【晴明】
「皆はあなたは城下町の英雄だと言っている。目的が同じであれば、何らかの関わりを持っているじゃないかと思っただけ。正直に言うと、そんなあなた達に憧れているので、ぜひ仲間に加えてほしい。」
我听人说起你是下层区民众的英雄,既然目的一致,你们或多或少有所关联吧。至于我,我非常仰慕诸位,因而想要加入你们。
【翠】
「頭がいいね。でも私達の本当の仕事を知っているでしょう?上の連中が気に食わない「違法なこと」ばかりだぞ。もし神女様に会いたいなら、何をすべきか分かっているよね。」
你很聪明,但你知道我们私下是做什么谋生的吧?都是些上层看不惯的「违法行径」。若想见到神女,就要看你日后的机缘了。
【晴明】
「もちろん。」
我明白。
——神女宮、夜
——下层区,夜晚
【翠】
「孔雀明王様、変な装いの男は面会を求めています。輸送隊に入れた後、何度も見事な功績を収めています。その男をご存知ですか?」
孔雀明王大人,有一个衣着怪异的男子想要见你,我让他加入了我们运输队,这几次的任务,他都完成得很出色。你对这个人有印象么?
【孔雀神女】
「変な装いの男?知らないと思う。」
衣着怪异的男子?我应该不认识吧。
【翠】
「でしたら、追い出すべきですか?」
既然如此,需要我把他赶走吗?
【孔雀神女】
「いえ、このままでいい。今は、一人でも多くの協力者がいる。長老は使者を遣わした、降伏しろって。そうすれば、今までのことをなかったことにしてくれるみたい。私はこのまま神女として贅沢な生活を送れる。」
不必,让他留下来吧。现在,我们现在需要更多的支持者。长老已经派信使找过我了,要我投降归顺。这样过去发生的一切恩怨,就能一笔勾销,我还能继续享受作为神女的荣华富贵。
【翠】
「えっと……その条件をのむのか?」
你……要同意吗?
【孔雀神女】
「ありえないでしょう?」
怎么可能?
孔雀明王はろうそくに手紙を当てて燃やし、彼女の目に映る炎は激しく燃えている。
烛火摇曳,孔雀明王将那封劝降信点燃,照在她的眼中火焰愈烧愈烈。
【孔雀神女】
「降伏すべきは、そっちだよ。」
投降归顺的,应该是他们。
——その頃、平安京
——与此同时,平安京
緊那羅と別れてまもなく、小白の隣にいた顔に煤がついている猫は消えた。消える前はよくも逢瀬を台無しにしてくれたとか、小白と距離を置くべきとかを言った。
小白告别紧那罗没多久,身旁那只脸上沾着煤炭的家伙就消失不见了,走之前还嚷嚷着小白搅乱它的约会,要离小白远一些。
【小白】
「小白だってそんな変な猫の側にいてあげるのはまっぴらごめんだよ。次は、他の舞姫様のところに行ってみましょう。小白にお手伝いできることはありますかね。あ!不知火様です!あれ?あの懐かしい後ろ姿……」
小白才不稀罕和这种怪猫同行呢。接下来,去看看其他的舞姬大人,有没有需要小白帮忙的。啊!是不知火大人!诶?那个熟悉的身影……
近くで、知り合いの猫が紫陽花を咥えながら、不知火の側でうろうろしている。
不远处,那只熟悉的猫正叼着一簇绣球花,不断在不知火面前转悠。
【ニャンニャン】
「優雅なお嬢ちゃん、その舞は本当に美しくて、印象深いです。この近くに住んでいますか?もしよければお名前を教えてくれませんか?」
这位优雅的小姐,你的舞姿曼妙动人,令人过目难忘,请问小姐家住哪里,今年贵庚?
【不知火】
「……」
不知火は何も言わなかったが、最後は花を受け取った。
不知火虽然没有说话,但是接过了那簇绣球花。
【不知火】
「面白い猫ね、ありがとう。」
你是一只有趣的小猫,谢谢你。
【小白】
「不知火様、あいつに構わないで。小白にお手伝いできることはありませんか?」
不知火大人,别理这家伙。小白过来是想问你有没有什么需要帮助的地方?
【不知火】
「ありがとう、でも今のところはないわ。」
多谢,不过我暂且不需要帮助。
【ニャンニャン】
「不知火さんが舞台上で見せてくれた舞に虜にされました。どうすれば不知火さんのように一風変わった、同時にとても自然な舞が踊れるでしょう?」
之前的舞台,不知火小姐的舞姿直接把我迷倒了呢。该怎样才能舞出像不知火大人这般既清新又自然的舞步呢?
【小白】
「またそれを……」
怎么又是这个话头……
【不知火】
「一時期「特徴」を悩んだことがあるわよ。でもあとで気づいた、舞の特徴はね、動きだけじゃない。もし「特徴」に拘るなら、逆に足枷をかけられたように、自分を抑えることになる。求めても手に入らないくらいなら、いっそう諦めて。ふっと振り返ってみれば、足枷はもう消えたかも。」
曾经有一段时间,我也为风格迷茫过。后来我发现,所谓舞步的风格,并不仅仅是动作上的技巧。若刻意追求「风格」,反而犹如镣铐,拘束自我。求而不得,不妨不求,蓦然回首,或许拘束已然自解。
【ニャンニャン】
「蘊蓄がある言葉ですね。お嬢ちゃんの想い人が羨ましい、一体どうすればお嬢ちゃんに気に入ってもらえるでしょう。」
如此富含哲理的话,真羡慕小姐的意中人啊,要怎样的人才能获得小姐的青睐啊。
【不知火】
「想い人は、他人じゃなきゃだめなの?私の舞は、自分に捧げるもの。」
意中人,难道只能是他人吗?我的舞,是为我自己而跳。
【ニャンニャン】
「うーん……教えていただきありがとうございます、本当に勉強になりました。」
唔……感谢不知火小姐的解答,您的话对我颇有启发。
【小白】
「本当にわかったかな?」
你真的听懂了吗?
【ニャンニャン】
「もちろん、不知火さんの舞は自然な印象が強いので、自由の心を持つ者の舞じゃないかと。」
当然,小姐的舞步清新自然,这便是象征心之自由的舞蹈吧。
【不知火】
「暗くなってきた、お喋りに付き合ってくれてありがとう、そろそろ戻るべきだわ。」
时间不早了,很高兴与你们聊天,我也该回去了。
【ニャンニャン】
「優雅な不知火さん、またね。明日もここでお待ちします!」
优雅的不知火小姐,再见,明天我还会在这里等你的~
【小白】
「何だと、また来るって?早くここを離れろ!」
什么,你还要过来?快跟我离开这里!
【不知火】
「……たまに平安京に来るのも、悪くないね。」
……偶尔来到平安京,也许挺不错的。