下一章 上一章 目录 设置
60、终焉之章 ⑨終焉 ...
-
天羽々斬が次々と降り注ぎ、光と影の均衡が完全に崩された。闇は太陽を、白昼は月を侵食し、空は乱れた墨のように、光と闇が侵食し合っている。暗闇の中、阿修羅は姿を消した。みんなは方向を見定めることも互いを視認することもできず、周りから人々の高まる慟哭と頭上からの蛇神の唸り声だけが聞こえる。
天羽羽斩一把接一把降下,光影阴阳的平衡彻底被打破,黑暗侵蚀向太阳,白昼侵蚀向星月,天空如同被扰乱的墨盘一般明暗交错互相侵蚀。彻底的黑暗之中,阿修罗的身影隐去,众人也无法辨别方向,看清彼此,周围只有世人此起彼伏的哀嚎声,以及头顶蛇神低沉的吟唱。
【晴明】
「これ以上神器天羽々斬を放っておくと、世界はやがて完全に消えてしまう。一刻も早く審判の儀式を止めなければ。」
这般惨状,再放任神器天羽羽斩破坏下去,恐怕没有多久世界就会彻底消失,必须尽快阻止审判仪式。
【神楽】
「私たち……本当にヤマタノロチに勝てるのか?」
我们……真的能够战胜八岐大蛇吗?
【荒】
「結果が予測できなくても全力でやるんだ。これはこの世を動かす法則じゃないが、命ある者が持つべき信念だ。」
即便无法预言到结果也要全力以赴,这虽不是维持这个世界运转的法则,却是生命所不能抛弃的信念。
【神楽】
「わかりました、荒様。全力を尽くします。」
我明白了,荒大人,我会尽力的。
神楽が全身の霊力を荒の草薙剣に注ぎ込み、力尽きて晴明の懐に倒れてしまった。霊力を得た草薙剣は星々のような輝きを放つ。草薙剣を握り、荒は結界を出て、ヤマタノロチの前に現れた。
神乐将全部灵力注入了荒所拿出的草薙剑,随即全身脱力地倒在了晴明的怀中。获得灵力的草薙剑散发出星月般的光芒,手持草薙剑的荒走出了结界,出现在了八岐大蛇的面前。
【神堕ロチ】
「ようやくあれを出す気になったか?いまさら我が分身しか倒せない剣を持ち出したところで、何ができる?」
终于决定将那样东西拿出来了吗?但如今,那把只能击败我分身的剑,又能做到什么程度呢?
【荒】
「それはどうかな、やってみなきゃわからないだろう?」
能做到什么程度,不试试怎么知道?
荒は星々の力を駆使し、蛇魔の包囲を突破した。草薙剣を空へ突き刺し、ヤマタノロチの身体を貫通した。その瞬間、蛇魔の動きが止まり、空の天羽々斬も一瞬止まった。
荒驱使群星之力,冲破了蛇魔的层层包围,草薙剑朝着天平而去,一剑贯穿了八岐大蛇的身体。一瞬间所有的蛇魔都停止了动作,连空中的天羽羽斩都停顿了片刻。
【晴明】
「これで…やったか?」
这是,成功了吗?
【神堕ロチ】
「一瞬の成功の喜び、素晴らしいだろう?」
一瞬间成功的感觉,是不是很美妙?
【荒】
「……」
蛇神は胸に刺された草薙剣を抜き取ると、傷が直ぐに治った。彼は草薙剣を片手で持ち上げ、刃を握り、ほんの少しの力を入れただけで草薙剣が粉々になった。
蛇神一手抓住胸前的草薙剑将其拔出,伤口迅速恢复如初。他单手举起草薙剑,五指握着剑刃,只是稍一用力,手中的草薙剑竟化为了碎片。
【神堕ロチ】
「私は慈悲深い…一瞬の錯覚を経験させてあげたからね。しかし次は慈悲を与えてやれないかもしれないぞ。」
我说过我是很仁慈的,不会吝惜你们获得这一瞬间的错觉,只不过接下来,我恐怕就不会这么仁慈了。
【晴明】
「ヤマタノロチは天羽々斬の封印を完全に解いた。草薙剣の力だけでは対抗できない。」
八岐大蛇彻底解开了天羽羽斩的封印,单凭草薙剑的力量已经无法与之抗衡。
【荒】
(いや…)
(不。)
【神楽】
(草薙剣の力が集まっているのを感じる。剣の欠片がヤマタノロチの力の源を探している……)
(我能感到草薙剑的力量正在重新凝聚,剑的碎片正在寻找八岐大蛇的力量源泉……)
【荒】
(そう、一瞬だけかもしれないが、彼は力の制御を失い、隙が生まれる…)
(没错,哪怕只有一瞬,他会暂时失去对力量的掌控,届时就是我们的机会。)
【晴明】
(その隙を突けば…)
(那我们就抓住那个时机。)
【荒】
「晴明、神楽を私の後ろに。」
晴明,抱着神乐到我身后去。
復活した蛇魔は三人に向けって襲いかかり、すぐに彼らを囲んだ。
复苏的蛇魔快速地朝着三人的方向袭来,很快就将他们包围在其中。
【神堕ロチ】
「安心するがいい。お前らはこの世で私と最も親しい存在…すぐに逝かせたりはしないさ。新しい世界の誕生を一緒に見届けようではないか。」
不必担忧,在众生之中与我尤为亲近的正是诸位,我是不会这么快和你们告别的,定要诸位和我一同,来见证新世界的诞生。
万物を斬る天羽々斬が次々と抜かれ、空間の裂け目に五本の神器を刺し込むと、亀裂が広がり、黒い渦が現れた。大地と呼応するように、白き巨蛇は暗い空に現れ、光を失った星と月は彼を追い、空間の裂け目に向かって急降下し、陽界に黒い波を走らせた。黒き「虚無」が狭間から飛び出し、一瞬で星々を飲み込んだ。
斩向世间万物的天羽羽斩陆续拔出,五把神器陆续插入割裂的空间缝隙之中,使那裂缝寸寸裂开,露出其中涌动的黑色漩涡。如同和大地呼应一般,白色的巨蛇出现在黑暗的空中,失去光辉的星月追随着他翱翔,追随着他朝着空间的裂缝急速落下,掀起黑色的巨浪席卷阳界。黑色的「虚无」冲出狭间,瞬间将星辰吞没。
【源博雅】
「あれに触るな!何なのか知らないが、いいものじゃないことは確かだ!」
别碰到那东西,虽然不知道到底是什么,但绝对不是什么好东西!
【八百比丘尼】
「あれは「虚無」、創世の神々が世界を創る元素の一つです。しかし完成された世界にとって、あれは滅びをもたらす存在。」
那是「虚无」,是创世之初的众神拿来构筑世界的元素之一,但对于已经完成的世界而言,却是相当于毁灭者般的存在。
【黒晴明】
「ヤマタノロチはこの世界を「処刑」することで、万物を「虚無」に返し、粘土をいじるように新世界を再創造しようとしている。」
看来八岐大蛇是想通过对这个世界的「处刑」,将世间万物回归「虚无」,然后再如粘土一般将其重塑,来创造新的世界。
【鬼切】
「こん時にまで難しい言葉を使わないでくれ!」
都这个时候了,拜托你们都把话说得简短些!
【八百比丘尼】
「要するに、触るとこの世から消されてしまうでしょう。」
总之,大概碰到就会从这世上彻底消失吧。
【鈴鹿御前】
「あれの正体はさておき、今は撃退するのが先決だ。」
别管那是什么了,当务之急是想出击退它的方法。
【神堕ロチ】
「「虚無」を撃退しようとするのか。それは「滅亡」を破壊しようとすることと同じ…まったく滑稽だ。自らの運命を受け入れ、この素晴らしい「虚無」に委ねよう。」
想要击退「虚无」吗,那可真是如同想要摧毁「灭亡」一般的天真烂漫。接受自己的命运吧,这美妙的「虚无」就是留给你们的归宿。
【縁結神】
「だめだ、だめだ……この世には絆を経験したことのない人々がたくさんいるのに、虚無になるなんて許せない!みんなが生きているうちに、くっつけくっつけ!」
不可以,不可以……世间还有那么多人没尝到羁绊的滋味怎么就要变虚无了,我不允许这种事发生!趁大家还都有口气,我今天就要把你们绑到成双成对!
【源博雅】
「ちょっと!なんで俺は犬とくっつくんだよ!」
等等!你干什么把我跟狗绑在一起!
【蝉氷雪女】
「……生死より絆が大事なんて、変わった人。」
……比起生灭更在意人与人之间的羁绊,真是一个奇怪的人。
【大天狗】
「「虚無」は破壊できないかもしれないが、そいつはどうかな。」
「虚无」或许无法摧毁,但是这家伙可不一定。
大天狗がヤマタノロチのほうへ一直線に飛び、翼から鋼鉄の羽が現れた。
大天狗随即径直朝着天平上的八岐大蛇飞去,拍打的翅膀露出钢铁之羽。
【神堕ロチ】
「美しい勇気の輝きだ。しかし求める正義が自分の限界を超えている。」
这份勇气散发的光辉如此美丽,只可惜所追求的正义高过了自身的极限。
空中の白き巨蛇の頭には、高天原を統べる天照のお面が乗っている。急に開いたお面の目は、全てを呑み込む渦のように大きく、紫黒の光を放つ。光が当てられたものは地に落ちる。星々、そして大天狗も空から落ちていく。
在空中的白色巨蛇蛇头上,正是印有高天原神王天照脸孔的面具。面具上突然睁开的双眼巨大得如同吞噬一切的黑洞,其中迸发出紫黑色的光芒,接触到光芒的一切都跌落地面。群星自空中坠落,而大天狗也从空中跌落下去。
【黒晴明】
「結界·守!」
结界守!
黒晴明が素早く結界を展開し、大天狗を受け止め、そして他の者を保護した。
黑晴明迅速展开结界,接住了大天狗,并将一行人保护在了其中。
【大天狗】
「ふん、余計なことを。」
哼,多此一举。
【黒晴明】
「……勝手な行動はよせ、まだ動く時ではない。」
……别任性了,现在还不到时候。
【神堕ロチ】
「美しい輝きを見せてもらった。お返しをしなければ。」
诸位让我看到了如此之美的光辉,也到了我回报诸位的时候了。
徘徊する巨蛇が審判場の上空に召還され、巨体が嵐の中心にとくろを巻く。蛇神の支配を受け、腐った燃える流星を投下した。流星の攻撃を受けた黒晴明の結界が崩れそうになった瞬間、大きな白狐が結界の上に現れ、数え切れない程の蛇魔を蹂躙した。
徘徊的巨蛇被召入了审判场上空,巨大的身躯在暴风眼附近盘旋,在蛇神的操纵下朝着众人投下腐化燃烧的陨星。黑晴明的结界在坠星的攻击下摇摇欲坠,就在这时,巨大的白狐挡在了结界之上,将无数蛇魔踩碎在了脚下。
【白蔵主】
「……縁結神様の赤い糸って結構便利ですね。小白はいま……蛇が食べたくてしかたないです!」
……没想到缘结神大人乱点鸳鸯谱的红绳居然还蛮好用的。小白现在觉得——好气好想吃蛇!
地面いっぱい蛇魔が一匹の大蛇と化し、白蔵主の手足を這い上がろうとする。流星に襲われた白狐が蛇魔の首を噛り、審判場で激闘を繰り広げた。突然、頭をなくした蛇魔は霧を吐き、流星の欠片と結合して紫の沼と化した。蛇に巻き付かれた白蔵主が沼に沈んでいき、悲鳴を上げた。
满地蛇魔迅速融为一体,化为长蛇爬上了白藏主的四肢,被流星围攻的白狐反口咬住了蛇魔的脖颈,在审判场上与其缠斗。然而断头的蛇魔却突然口吐妖雾,与流星的碎片结合化为紫黑色的淤泥,被蛇缠绕的白藏主在泥潭之中越陷越深,仰头不断发出哀鸣。
【白蔵主】
「うわああああ!」
哇啊啊啊啊!
【神堕ロチ】
「素晴らしい自己犠牲だ。」
真是一场耀眼夺目的自我奉献。
審判場のもう一方は、光を失いつつある世界に白蓮で構築された幻境は健在だった。
在审判场的另一侧,逐渐失去光明的世界中,由白莲所构筑的幻境却还是原本的模样。
【帝釈天】
「なぜ邪神と手を組む。世の滅亡があなたの望みだというのか?」
为何与邪神为盟,这世间的毁灭难道是你所想要的吗?
【阿修羅】
「俺の欲しいものはもう手に入らないのだ。」
我想要的已然再也得不到。
【帝釈天】
「……本当にそう思っているのなら、なぜ自らの神格を壊した?」
……你若真这么想,又为何自毁神格?
【阿修羅】
「世には悪を背負う者がいる。一人と数千万人。帝釈天、お前をどっちを選ぶ?」
世间之恶总要有人来承担,区别不过是一人还是千万人,帝释天,你到底要选哪个?
黒き「虚無」が世界を境界から徐々に吞み込み、世界は闇に染まっていく。そして闇の中で絶えなかった慟哭、叫び、命乞いもその瞬間になくなり、騒々しかった審判場が静まり返った。
黑色的「虚无」自世界的边界逐渐吞没了人世,直到整个世界都被黑暗覆盖。而黑暗中一刻不停的哀嚎,哭喊,乞求,都在这一刻归于沉寂,喧闹的审判场也因此突然变得宁静。
【神堕ロチ】
「なんという神聖な静寂だろう。この世界は何千万年もの間、このような純粋な静寂を迎えたことがなかったのだ。天地が息を止め、新世界の誕生を待ち構えているかのようだ。何という神聖な時だ。」
真是神圣的静谧,这世界已有千万年不曾迎接过如此纯粹的静谧了。仿佛天地正为了等待新世界的降生而屏息凝神,这一刻是何等的圣洁。
封印を解かれたヤマタノロチの力と数千年間の罪悪が融合し、白き大蛇神と化し、天から降臨する。誰もが戦いをやめ、天地を繋げているかのように巨大な蛇に目を向けた。
由解放封印的八岐大蛇力量与数千年来人世间的罪恶,两者融合所化的白色大蛇神,终于从天际降临到世间。见此,众人纷纷停下手中的争斗,看向那仿佛联通天地的巨蛇。
【黒晴明】
「諸君、今が最後の決戦の時!」
诸位,最后的决战,就在此刻!
黒晴明の言葉を聞き、各勢力が体制を整え、大蛇神に反撃の狼煙を上げた。
黑晴明话毕,众势力重新整队,向着大蛇神发起反击。