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49、天魔归来 地狱挽歌⑩前夜 ...
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深淵を出ると、魔神軍は士気が高揚して、驚異的な速度で善見城までやってきた。
离开深渊后,魔神大军情绪高涨,行军飞快,迅速抵达了善见城。
【魔神】
「阿修羅様がいてくだされば、善見城を攻め落とすなんて楽勝だ!一気に中に攻め入るぞ!我々は真の自由を手に入れる!」
只要有阿修罗大人坐镇,攻下善见城不在话下!一鼓作气打进去,我们就彻底自由了!
【阿修羅】
「迦楼羅、何人か選んで、善見城に潜入し善見塔の近くの兵力を調べろ。」
迦楼罗,挑几个人,进善见城去看看善见塔附近的兵力。
【迦楼羅】
「善見塔ですか?神殿ではなく?」
善见塔?不是神殿吗?
【阿修羅】
「善見塔は天域の結界を維持する要だ。霊力が流れつく場所でもある。帝釈天が神殿にいるはずはない。戦争が始まれば、あいつは必ず善見塔の上にある宮殿に現れる。」
善见塔是维系天域结界的中心,也是灵力输送的终点。帝释天不会在神殿等我们,一旦开战,他只会在善见塔顶的宫殿。
【迦楼羅】
「深淵の崖からも見えるあの白い塔のことですか?しかしそこまで高く飛ぶと、すぐ気づかれますよ。」
就是那个从深渊崖上都看得见的白塔?可是要飞这么高,很容易被发现。
【晴明】
「私が金翅鳥一族に姿を隠す術をかけよう。そうすれば、陰陽道に通じる者以外は、君たちを見つけられないはずだ。」
我可以为金翅乌一族施以隐蔽之术,除非精通阴阳术之人,否则无法看到你们的身形。
【迦楼羅】
「それでは部下と共に様子を確かめてきます。」
我带人上去看一看。
迦楼羅は金翅鳥の精鋭部隊を連れ、姿をくらませて、善見城の上空に飛んできた。
迦楼罗率领一支金翅乌精兵,隐蔽身形,飞到了善见城的高空。
【金翅鳥甲】
「迦楼羅様、城近くにある拠点と軍営は全て、位置も兵力も調べつくしました。」
大人,城四面的哨所和军营,我们都已经摸清了位置和兵力部署。
【金翅鳥乙】
「しかし天候があまりよくありません。黒い雲が宮殿を取り巻いています。いつ雷や雨になってもおかしくありません。」
只是这天色看起来真是不怎么样。黑云压城,宫殿四周都是流云环绕,仿佛是马上就要电闪雷鸣落下雨来。
【迦楼羅】
「ふん、この様子だと、何が落ちてくるか分かったもんじゃないな。行くぞ、暗雲の中心にある白い塔を調べる。」
哼,看这样子,这天上要落下来的可真指不定是什么呢。走,随我去看看这黑云中心的那座白塔。
金翅鳥軍が善見塔の近くまでやって来た。善見塔は美しい白い玉のようで、雲の中心に高く聳えている。
金翅乌军来到善见塔外,只见善见塔如同美玉般洁白,高耸入云,伸入流云的中心。
【迦楼羅】
「やはり、この善見塔の周りにも結界が張られている。」
果然,这善见塔周围也布下了阵法。
【金翅鳥甲】
「皆と一回りして調べました。ここは六つの結界に囲まれていて、塔はちょうどその中心に建てられています。」
我带弟兄几个看了一圈,这周围一共是六处结界法阵,这塔就正好建在中心上。
【迦楼羅】
「分かれて六つの結界に向かえ。私が指示を出すと同時に矢を放て。」
你们几个分头去六个结界,等我口令,一同放箭下去。
しかし矢を放っても、術を使っても、善見塔の外にある六つの結界は必ずそれを全て吸収する。
而无论是放箭还是施以法术,善见塔外的六处结界都会将之全部吸收。
【金翅鳥甲】
「迦楼羅様、攻撃を続行しますか?」
大人,可要继续攻击?
【迦楼羅】
「……まずい、全員避けろ!」
……不好,全都给我退开!
法陣に吸収された矢と術が突如結界の中から跳ね返され、金翅鳥達を襲ってきた。
只见被吸入法阵的箭和法术突然自法阵中原路折返,朝着金翅乌们袭来。
【金翅鳥乙】
「危なかった!」
好险!
【迦楼羅】
「あの六つの法陣は、攻撃を跳ね返すことができる。深淵の獄のあれと同じだ。全員戻るぞ、これは我々がどうにかできるものではない。」
是六道法阵,能使攻击折返,和深渊之狱中的那个如出一辙。所有人随我回营,这不是我们能解决的东西。
金翅鳥達が陣地に戻った後、迦楼羅は阿修羅に法陣のことを報告した。
金翅乌一军归营后,迦楼罗向阿修罗报告了阵法一事。
【迦楼羅】
「この法陣は深淵のものと同じです。空を飛ぶ我々でなければ、恐らく道に迷い、善見塔の入り口に辿り着くことすら叶わないはずです。結界の外には、たくさんの兵士が駐屯しています。数だけなら善見城にも負けません。ど派手に暴れると気づかれる恐れがあるので、一旦戻ることにしました。」
这法阵和深渊中的一样,若不是我们飞在空中,恐怕会迷失在其中,怎么都到不了善见塔的入口。而结界之外,还有层层兵力把守,不逊于善见城墙上的兵力。我怕动静太大会惊动他们,就先带人飞回来了。
【阿修羅】
「善見塔と深淵の獄は表裏一体のようなものだ、同じ法陣を使っていてもおかしくはない。この法陣は既に一度破壊した。もう一度破壊することも、きっとできる。」
善见塔和深渊之狱本就互为表里,会用一样的法阵也不足为奇。这阵法我既然能破第一次,自然也能破第二次。
【鬼切】
「しかしこの六つの法陣の本質は力の輪廻で、深淵とも繋がっている……深淵の法陣が破壊された以上、この輪廻も破綻を迎えるべきでは?」
既然这六道阵法本质是力量轮回,又和深渊里的相连……深渊里的阵法破了,这轮回不就该断了才对吗?
【源頼光】
「トカゲの尻尾切りと同じだ。尻尾を切られても、残りの部分はまだ生きている。もしかするとそれだけではなく、我々が深淵の獄の法陣に注ぎ込んだ力も、この法陣に取り込まれたのかもしれない。法陣の主は手を煩わすことなく、取り込んだ力を使えばいい。」
这有如蜥蜴断尾,我们切断了它的尾巴,剩下的部分则自成一体。恐怕还不止这样,我们在深渊之狱里向法阵注入的力量,现在也成了这阵法的一部分。阵法的主人无需动手,只是借力打力。
【鬼王酒呑童子】
「今一番肝心なのは、善見城に攻め入ること、その次は善見塔の防衛軍だ。この二つを乗り越えた先には法陣が待ち構えている。善見塔にも仕掛けがたくさんあるだろう。突破するだけなら難しくはないが、頂上に辿りつくのはきっと骨が折れる。」
所以眼前的首要难关,是要打进善见城里,其次是善见塔的守军,过了这两关还要破阵法。善见塔里想必也是机关重重,虽然走过这一路也不见得多难,但真要到了塔顶肯定是劳心又劳神。
【煉獄茨木童子】
「友が言いたいのは、帝釈天の行動の狙いは、時間稼ぎだということか?彼の善見塔には、我々を全滅させることができるほどの宝物が隠されているのか?」
挚友这么说,帝释天这番安排,难道是在故意拖延时间不成?他在这善见塔上,是藏了什么能让我们全军覆没的宝物吗?
【阿修羅】
「宝物かどうかは分からないが、切り札であることは間違いないだろう。」
宝物谈不上,杀招倒是真的。
【晴明】
「阿修羅様はすでに心を決めたようだ。では帝釈天とその切り札と対決するとなれば、阿修羅様に勝ち目はどのくらいある?」
阿修罗大人似乎心中已有定断,那么对上帝释天和他的这份杀手锏,阿修罗大人有多少胜算。
【阿修羅】
「十割だ。俺が勝てないなら、この世にやつに勝てる者はいない。」
十成。倘若我不能胜他,世上再没有人能胜他。
【晴明】
「では、敵軍を撃破する役目は私と鬼王達に任せて、阿修羅様は力を温存してくれ。善見塔の頂上へ通じる道は私達が切り開く。」
那么我愿与几位鬼王一同破阵,请你保留实力,让我们送你上善见塔顶。
【煉獄茨木童子】
「陰陽師、我々を巻き込む気満々だな。」
你这阴阳师,竟开口就拿我们做人情。
【鬼王酒呑童子】
「異議はねえが、条件はある。」
我是没什么异议,但是想提个条件。
【阿修羅】
「何の条件だ?」
什么条件。
【鬼王酒呑童子】
「一緒にここまで戦ってきて、それなりに苦労した。で、お前の口から聞きたい。帝釈天は、一体何のために霊力を集めている?」
跟你走了这么一路,没有功劳也有苦劳,我想听你说说看,帝释天他收集灵力,到底是想要做什么。
【阿修羅】
「……帝釈天の本当の目的は、異界にある天人一族の故郷忉利天を召喚し、この世界に降臨させることだ。忉利天が一度降臨すれば、この世界に生きるありとあらゆる生き物、人間も天人も鬼族も、全て忉利天に浄化される。悪念は消え去り、□□は捨てられ、皆の精神は精神の海で繋がり、一つになる。まさに、池の水に揺蕩う、同じ根を持つ蓮のように。」
……帝释天真正想要做的,是召唤在异界的天人一族的故土忉利天,降临到阳界。忉利天一旦降临,居住在阳界的生灵万物,人类也好天人也好鬼族也好,都将被忉利天净化。摒弃恶念,舍弃肉身,精神在精神之海中彼此相连,化为一体。就如同,漂浮在池水中的、同根的莲花。
【燼天玉藻前】
「ふふ、これは協力するしかないな。人を殺したくても殺せず、逆に人間と一つになるのはまっぴらごめんだ。」
呵,那这个忙还真是让人不帮不行了呢。毕竟我可不想有朝一日想杀的人杀不成,反而落得和人类一体同心的下场。
【小白】
「今回は小白も玉藻前様に賛成します。」
小白这次赞同玉藻前大人的话。
【阿修羅】
「ならば法陣を突破する役目はお前らに任せる。全員に伝えろ。今夜は四つの部隊に分かれ、それぞれ善見城の四つの城門の外で夜を過ごす。軍の動きは結界で隠す。夜が明けたら善見城を攻め落とす!」
那破阵一事就交托于你们了。传我命令,今夜兵分四路,分别驻营于善见城四处城门外,以结界隐蔽大军,明天一早攻打善见城!
翌日の朝、四つの部隊が善見城の四つの城門の前に集結した。善見城の天人の軍隊も既に城門に集い、静かに交戦を待ち構えている。
次日清晨,四队人马已经围在了善见城四处城门外,而善见城的天人军也早已列兵城门下,等待交战。
【阿修羅】
「太鼓が鳴ったら、魔神軍の精鋭は先陣を切って、敵陣に切り込んで天人を蹴散らせ。兵力が分散したら、後ろの部隊は三つの方向から敵を囲め。敵に包囲網を突破させるな。城門を破壊する役目は、鬼兵部に任せる。城に侵入した後、全員城の中心にある善見塔の前で合流する。」
魔神军精锐在前,战鼓声响即刻杀入敌阵,将其冲散。兵力分散后,后续部队三面围攻,不许任何人杀出我们的包围圈。破城门一事,由鬼兵部负责,入城之后,所有人会合于城中心的善见塔前。
【魔神の将校】
「はっ!必ずや阿修羅様のご期待に応えてみせます!」
是!定不负阿修罗大人嘱托!
【阿修羅】
「太鼓を鳴らせ!」
战鼓起!
善見城の四つの方向から太鼓の音が鳴り響く。魔神の前衛軍は、放たれた矢の如く天人の軍隊目掛けて突進し始めた。
善见城四面响起战鼓,魔神前锋部队如同利箭离弦一般朝着天人一族的守军杀去。
【天人の将校】
「やつらを止めろ!魔神を城の中に入れるな!」
给我拦下他们!绝不能放一个魔神进城!
【天人の兵士甲】
「命と引き換えにしても、善見城を守り抜くぞ!」
誓死保护善见城!
【天人の兵士乙】
「天人一族のために!帝釈天様のために!」
为了天人一族!为了帝释天大人!
【魔神】
「くたばれ!卑怯な天人ども!全部お前らのせいだ、俺達がこんな姿になっちまったのは!」
受死吧!虚伪的天人!都是因为你们,我们才变成了如今的模样!
【魔神の将校】
「皆、復讐の時間だ!善見城を攻め落とせ、やつらに血の罰を与えろ!」
诸位,报仇的时候到了!杀进善见城,让他们血债血偿!
【魔神】
「血の罰を!血の罰を!」
血债血偿!血债血偿!
【天人の兵士甲】
「うわああああ!!」
呜啊啊啊啊啊!
【天人の将校】
「しまった、陣形が崩れた。」
糟了,阵型乱了。
【魔神の将校】
「今だ、行け!」
是时候了,给我上!
隠れていた魔神が一斉に結界に押し寄せ、天人軍を中に追い込む。
藏匿的魔神大军一举冲出结界,将天人守军向内驱赶。
【天人の将校】
「敵軍がこんなにも多いとは……囲まれてしまった。逃げる場所は後ろにある城門だけか。これは我々の手で城門を開かせる気だ。さもなくば死ぬことになる、か?ふん、させんぞ!例え今日ここで戦死しても、城門は決して開かぬ!うわあああ!」
竟然有如此人数……我们被包围了。只有身后的城门一条出路,这是要逼我们自己开城门,否则就是死路一条吗?哼,你们休想!我们今天就是死在这里,也绝不会开城门!呜哇啊啊啊!
鬼兵部が混乱に乗じて敵陣に切り込んだ。彼らにぶつかると、周囲の魔神も天人も例外なく吹き飛ばされる。侍の姿の鬼兵部達が、真っ直ぐに城門に迫ってきた。
只见鬼兵部趁乱杀入敌阵,周围的魔神和天人在它们面前就有如鸿毛般被推搡开。武士形态的鬼兵部们径直朝着城门走来。
【源頼光】
「意地だけはあるようだ。しかしそれに見合う実力が備わっていないと、ただの虚言でしかない。」
倒是有些骨气,可惜若没有实力,也不过是说大话罢了。
【天人の将校】
「打て!全員弓を構えろ、下に向かって矢を打て!」
放箭!所有人拿起弓来,给我向城下放箭!
【魔神】
「うわ!矢が!おのれ、天人め、俺様の盾となり、仲間の矢に打たれて死ぬがいい!」
啊!我中箭了!该死的天人,就让你给本大爷当挡箭牌,死在自己人手里吧!
【天人の兵士乙】
「たす……けて……」
救……我……
魔神軍は皆盾代わりに天人の兵士を掲げ、攻撃を防いだ。
魔神士兵纷纷用天人士兵当成盾牌,挡起了攻击。
【天人の兵士丙】
「うわあああ!」
哇啊啊啊!
【魔神の将校】
「城門の閂はもう破壊した!しかしなぜ開かない!」
城门锁已经断了!可不知为何还是推不开!
【源頼光】
「鬼切!中に入って様子を確かめなさい。」
鬼切!进里面看看是怎么回事。
鬼切は城門の内部に飛び降りると、城門のところで光を放つ巨大な封印を見つけた。
鬼切跳下城墙内部,只见一处巨大封印在城门上闪闪发光。
【天人の兵士丁】
「これは結界閂だ、帝釈天様の手によるものだぞ。貴様らのような悪鬼には、絶対に解けない!」
是结界锁,帝释天大人亲手所制,你们这群恶鬼,绝无法解开!
【鬼切】
「解けないと言うなら、断ち切るまでだ!」
解不开又如何,我斩断就是!
鬼切は全力で本体の刀を振り下ろし、扉の封印を断ち切った。すると結界が粉々に砕け、同時に城門も鬼兵部に突破された。四つの城壁の結界閂が同時に壊れ、魔神軍は善見城の中に侵入することに成功した。
鬼切挥着本体刀朝着门上的封印用全力斩去,结界应声碎裂成无数片,城门顿时被鬼兵部冲开。四面城墙的结界锁同时碎裂,大军从四面城门杀入善见城中。
【迦楼羅】
「長年を経て、まさかもう一度この善見城を目にすることができるとは。」
时隔多年,没想到我也终有机会再看一眼这善见城。
【阿修羅】
「迦楼羅、計画通りに動け。」
迦楼罗,按计划行事。
【迦楼羅】
「はっ!」
是!
阿修羅が軍を率いて、合流するために善見塔に向かっている時、迦楼羅は金翅鳥部隊を連れて一足先に善見塔の下にある護衛所まで飛んできた。
阿修罗率军前往善见塔处会合之时,迦楼罗则率领金翅乌军先行自空中飞向善见塔下的守卫所。
【迦楼羅】
「火薬に火をつけて投げるぞ!」
点燃火药丢下去!
【金翅鳥】
「はっ!」
是!
【天人の兵士甲】
「うわあああ!空から攻撃が!」
哇啊啊啊!有攻击从天上来!
【天人の兵士乙】
「上だ!金翅鳥一族はまだ生き残っていたのか?」
看天上!金翅乌一族居然还活着?
【迦楼羅】
「はははは!驚いたか、貴様らの法陣は地面にいる兵士を阻むことはできるが、空を飛ぶ我々には効かない!」
哈哈哈哈!没想到吧,你们那六道阵法控得住追兵,可却管不了天上啊!
【蘇摩】
「うろたえるな!これは金翅鳥がよく使う攪乱の策に過ぎない、火薬が尽きればすぐに撤退する!歩兵隊は列に並び、騎兵隊は馬に乗れ!魔神軍を迎え撃つ用意を!」
不得自乱阵脚!不过是一群来扰乱军心的家伙,这是金翅乌最惯用的计策,火药用尽就会撤退!步兵列队,骑兵上马!准备迎击魔神大军!
【迦楼羅】
「お前だったのか。昨日はちっとも気づかなかった。知っていたら挨拶だけでもしていたのだがな。」
怎么是你?昨天没看清楚,早知道我肯定留下来跟你先打个招呼。
【蘇摩】
「魔神軍は善見城の守備に詳しいようだけれど、それはあなたが調べたからでしょう。やはり阿修羅様に帰順したのね。」
魔神一军对善见城防事布局了若指掌,是有你探路吧,你果然已归顺了阿修罗大人。
【迦楼羅】
「そんなに怖がるな。既に話を通してある、阿修羅様は今日は手出ししない。」
别怕别怕,我们私底下说好了的,今天阿修罗大人不出手。
【蘇摩】
「仮に阿修羅様が自ら先頭に立っても、今日は簡単に見逃すことはできない。妹の毘瑠璃が塔を守っている。誰が来ようと決して塔には近づかせない!」
就算阿修罗大人亲自出手,我今日也只怕是多有得罪了。妹妹毗琉璃守在塔上,我绝不能放任何人上塔伤害她!
【迦楼羅】
「はははははは!お前たち姉妹は、相変わらず騙しやすいな!お前の言う通りだ、この迦楼羅は確かに命令に従い攪乱しに来た。でも気が変わった。阿修羅様は乱暴者だし、お前と戦わせるのは忍びない。やはりここはこの迦楼羅が相手をしてやる!」
哈哈哈哈哈哈!你们姐妹,还是这么好骗!你说的不错,我迦楼罗确实是奉命来吓唬人的,不过我改主意了。让你对上阿修罗大人可怎么行,他那么不怜香惜玉,还是我迦楼罗大人亲自来对付你吧!
迦楼羅が率いる金翅鳥の部隊は、急に進行方向を変え、蘇摩の騎兵隊に襲い掛かった。
迦楼罗率领金翅乌一军,突然调转方向,朝着苏摩的骑兵队杀来。
【蘇摩】
「矢を放て!」
放箭!
善見城の軍隊と比べ、瑠璃城の軍隊の弓術は段違いに上で、同時に三本の矢を放つことができる。瞬く間に、数人の金翅鳥が矢を受け、空から落ちた。
琉璃城的守军不同于善见城,骑射功夫远在他们之上,一弓可以同放三支箭。眨眼间就有几只金翅乌中箭跌落云端。
【金翅鳥】
「迦楼羅様はなぜ急に考えを変えたのです?我々の少ない人数では、真正面から戦っても勝ち目はありません。」
大人为何突然改主意,我们人数在他们之下,硬碰硬是不行的。
【迦楼羅】
「考えを変えてはいない。彼女が策に乗らないからもう一度鎌をかけただけだ。攪乱作戦を続行し、敵を四つの方向に誘導するぞ。主力部隊はもうすぐ来るはずだ。そっちに誘導すれば、法陣を守る者はいなくなる。」
没改注意,她不上当所以再骗她一轮罢了,我们还是佯攻,把人往四个方向带。大部队马上就来,领他们去撞个满怀,阵法就没人守了。
【金翅鳥】
「さすがは迦楼羅様です。」
大人果然高明。
【迦楼羅】
「ただし、あの首領は俺の獲物だ。」
不过,领头的那个留给我。
【金翅鳥】
「はっ!」
是!
金翅鳥一族は命令に従い蘇摩軍の上空を飛び交い、わざと目立つように善見塔の周りを三周回った。金翅鳥達は強攻作戦を実行する振りをして、ぎりぎりの距離を維持しながら外に飛んでいく。
金翅乌一族得令后在苏摩一军头顶飞舞一阵,欲盖弥彰地围着善见塔绕行了三圈。又装作硬攻俯冲而下,保持若即若离的攻势边打边往外飞。
【迦楼羅】
「どこに行く気だ?お前の相手はこの俺だ。戦わないならお前の妹に会いに行くぞ。」
往哪跑,你的对手是我,不然我就只好先去和你妹妹叙旧了。
【蘇摩】
「卑怯者!食らえ!」
你这无耻之徒!看招!
迦楼羅は速度を落とし低空を飛びながら、挑発し続け、蘇摩が追撃するように誘導している。
迦楼罗降低速度飞在低空,并不断挑衅,引苏摩追击。
【迦楼羅】
「なぜそんなに私のことを憎んでいる?別に何かしたわけでもないのに。竜巣城と瑠璃城は仲のいい隣人のようなものだ。それなのにどうして挨拶もなしに殺しに来る?」
想不通你怎么就这么恨我,想当初我分明也没把你怎样。龙巢城和琉璃城这么多年的老邻居,你不请我做客就算了,还喊打喊杀的。
【蘇摩】
「瑠璃城は貴様のような恥知らずの輩を隣人だとは思っていない!」
我琉璃城没你这样恬不知耻的客人!
【迦楼羅】
「何だ、それが命の恩人に対する態度か?」
哪有你这么说自己救命恩人的?
【蘇摩】
「命の恩人?瑠璃城を陥落させ、瑠璃城の民を傷つけた輩が恩人だと!そのうえ、私の唯一の妹毘瑠璃に傷を負わせ、私を魔の巣窟のような竜巣城に閉じ込めた。一体何の恩がある!?」
救命恩人?你害我琉璃城失守,伤我琉璃城百姓!还打伤我唯一的妹妹毗琉璃,将我困在异族魔窟龙巢城中,何来的恩情!
【迦楼羅】
「魔の巣窟だと?それは聞き捨てならないな。竜巣城も瑠璃城も、十天衆の命令で建てられた城だ。瑠璃城に劣るはずがない。」
异族魔窟?你这么说我就不高兴了,龙巢城和琉璃城都是奉十天众旨意而造,怎么就不如你琉璃城?
【蘇摩】
「出鱈目を!」
信口雌黄!
【迦楼羅】
「信じるかどうかはお前の勝手だが、最初は竜巣城も辺境の拠点の一つに過ぎなかった。向こう側の天人の砦みたいにな。援助もなかったから、色んな場所で頭を下げて食料を分けてもらった。そして最後は天人の貧民や落ちこぼれた鬼族の居場所になった。ある日突然、十天衆から資金を渡されて、竜巣城の修繕を言い渡された。俺はただ言われた通りにしただけだろう?」
信不信由你,龙巢城初建时不过是一处边陲防线,和对面的天人要塞遥相呼应。没援没助倒霉得四处借粮,最后成了天人贫民和落魄鬼族的居所。然而有一日那十天众亲自派人带来钱财,要我修缮龙巢城,为他们所用。你说,这是不是奉旨建城?
【蘇摩】
「算盤尽くでしか動かない十天衆があなたに施しを?十天衆に何の得がある?」
当年的十天众惟利是图,又怎么会给你钱财,你对他们又能有什么用处?
【迦楼羅】
「十天衆は得しかしない。お前は鬼族が望んで天人と戦っていると思っているのか?瑠璃城だって辺境にある。そこら辺の村や町くらい見たことあるだろう。そこでは天人と鬼族が、平和に暮らしていた。だが十天衆はそんなことは許せない。俺達鬼族に辺境を襲わせ、争いを引き起こした。天人の血を鬼族に汚さないためにな。」
我的用处可大了,你以为鬼族真的想和天人连年征战?琉璃城也在边陲,你难道不曾见那些无人管的小村小镇,早就是两族混住,安居乐业。可十天众不想啊,他们要我领鬼族攻击这些边陲城镇,挑起两族争端,绝不能让天人血脉被鬼族玷污。
【蘇摩】
「天人と鬼族の戦争が、まさかそんな……まさか、あの時瑠璃城にやってきて、私を騙した天人の商人達は……」
两族的战争竟然是这样……那难道说琉璃城,当年那队来我城下,帮你欺骗我出城的天人商队……
【迦楼羅】
「そのまさかだ。十天衆はお前と瑠璃城を目の敵にしていた。城主を言いなりになるやつに変えようと企んでいたんだ。お前ら姉妹を裏で始末し、阿修羅のしくじりにする算段だった。あいつらは、ただ伝令として来ただけだった。だが俺は惜しいと思った。お前は綺麗だし、十天衆のせいで死ぬのは勿体ない。幸いあの頃の竜巣城はもう昔と違って、十天衆も簡単には動かせなかった。そこで俺は考えた。お前と組むのはどうかと。瑠璃城と竜巣城は近いし、瑠璃城には城主が二人もいる。俺に嫁がないか?そうすれば俺達三人はもう十天衆の顔色を伺わなくていい。どうだ?」
没错,十天众早就看你和琉璃城不顺眼,想换个听话的城主。于是让我暗中处死你们姐妹,再赖在阿修罗头上,那几个人,其实就是来传信的。不过我舍不得你啊,你这么漂亮,就这么死在十天众暗算上多可惜。好在那时我龙巢城早就今非昔比,十天众有求于我也要看我脸色了,于是我想,不如让你跟我结个盟。你看,琉璃城和龙巢城离得不远,琉璃城又有两位城主。你来我龙巢联个姻做个压寨夫人,我们三个以后就都再不用看十天众脸色,岂不皆大欢喜?
【蘇摩】
「ふざけるな!この蘇摩、例え死んでも、自分がのし上がるために戦争を起こし、同胞を殺すようなゲス野郎になど嫁ぐものか!」
你休想!我苏摩即使是死,也不会嫁给你这样为了自己地位,挑起战事,残害同胞的下贱无耻之人!
【迦楼羅】
「やれやれ、似たようなことを帝釈天がしたら天人の王になれて、阿修羅がしたら瑠璃城の英雄扱いされるのに。十天衆のことすら悪く言わないのに、俺のことだけ悪く言うな。安心しろ、俺はちょっとしくじっただけだ。阿修羅と帝釈天が相討ちになったら、俺は竜巣に戻って仕切り直し、善見城を手中に収める。そしたら部屋を綺麗にして、お前を嫁に迎える!」
瞧你这话,怎么这事帝释天做了就是你天人之王,阿修罗做了就是你琉璃城的大英雄。你连十天众都不骂,就骂我呢?放心好了,我迦楼罗只是一时失势。等到他阿修罗对上帝释天打个两败俱伤,我就飞回龙巢,卷土重来,善见城不过是囊中之物。到时候我再打扫打扫屋子,迎你入门!
【蘇摩】
「寝言は寝て言え!くらえ!」
白日做梦,看箭!
蘇摩が弓を構えて黄金の矢を放ち、迦楼羅の翼を撃ちぬいた。矢尻には鉤が、矢筈には蘇摩の馬に結び付けた糸が付いている。
苏摩拉满长弓射出一枚黄金羽箭,竟然穿透了迦楼罗的一侧羽翼。箭身有倒刺,箭羽后面则连有金丝,缠绕在苏摩战马身上。
【迦楼羅】
「何だ?」
什么?
【蘇摩】
「はい!」
驾!
馬が反対側に走り出し、迦楼羅を引っ張り倒し、地面に引きずる。蘇摩が馬に乗り、矢を三本構えて迦楼羅に向けた。
战马掉头飞奔,将迦楼罗的羽翼拉住,掼倒在地,在地面拖行。苏摩回过头来倒骑马背,朝着地上的迦楼罗拉满了三重箭。
【迦楼羅】
「殺す気か!」
你怎么这么狠心!
【蘇摩】
「あなた相手に、情けは無用!」
对你这种人,慈悲是没用的!
【迦楼羅】
「この糸はなぜ切れない?このまま引き抜くか。俺の羽はなかなかの代物だ、お前にやろう。」
这金丝怎么就是扯不断,算了,直接拔出来吧,我迦楼罗的羽毛可是难得的好东西,送你也不算太亏。
矢は迦楼羅に引き抜かれ、数枚の羽を引っ掛けて、蘇摩の手元に戻った。蘇摩に矢を撃つ余裕を与えず、迦楼羅は再び空に飛んだ。
说罢,迦楼罗将箭用力拔出,带下几根羽毛,被苏摩的战马拉回苏摩手中。不等苏摩的箭离弦,迦楼罗重新飞回空中。
【迦楼羅】
「この迦楼羅様からの愛のしるしだ、ちゃんと受け取れ。身だしなみを整えて、俺が娶るのを待っていろ!」
我迦楼罗大人的定情信物你收好,回去洗干净穿戴好,等我迦楼罗来娶你过门!
【蘇摩】
「逃がすか!」
哪里跑!
【源頼光】
「そこまでだ、瑠璃城の城主。」
到此为止了,琉璃城主。
【蘇摩】
「あなたは……」
你是……
【源頼光】
「金翅鳥は陽動だ。本隊はすでに城で合流した。」
金翅乌不过是声东击西,大军已经入城会合。
【蘇摩】
「あいつ……また騙された。」
那家伙原来……还是骗了我。
……善見塔七階、監視塔
——善见塔第七层,哨塔
【毘瑠璃】
「姉様は破れました。今善見城を守ることができるのは、我々だけです。」
姐姐已经败了,现在守住善见塔只有靠我们了。
【阿修羅】
「お前が?身の程知らずが。」
靠你?不自量力。
【毘瑠璃】
「何だと?衛兵は?私に続け、迎撃だ!」
什么?守卫呢?随我迎击!
しかし監視塔の衛兵は阿修羅に全く歯が立たず、すぐに霊神体の触手に倒された。
然而哨层的守卫在阿修罗的面前根本不堪一击,马上就全败在了灵神体触手之下。
【阿修羅】
「帝釈天の居場所を教えろ、そうすれば見逃してやる。」
告诉我帝释天在哪,我饶你不死。
【毘瑠璃】
「教えるものか!帝釈天様は天人一族の救世主。広い心を持つ慈悲深い帝釈天様が、全ての者を救う!」
你休想!帝释天大人是我天人一族的救世主,他心胸宽广,为人慈悲,他会拯救所有人!
【阿修羅】
「全ての者?お前らが負けると知りながら、ここに残したのに?」
所有人?他还不是明知你们会败,还将你们留在了这里?
【毘瑠璃】
「帝釈天様の計画が成功すれば、忉利天が降臨し、この世に生死はなくなる。我々はまた再会できる!」
等到大人的计划成功,忉利天降临,世上将不再有生死,我们也都能重聚!
【阿修羅】
「死があるからこそ命は尊い。帝釈天はお前を利用しているだけだ。気づいていないのか?」
生命因死亡的衬托而可贵。帝释天不过是在利用你,你难道就毫无察觉吗?
【毘瑠璃】
「阿修羅、気づいていないのは我々ではなく、身勝手なあなただ。あなたのような人には、永遠に帝釈天様のことを理解できない。あなたは帝釈天様のように、他人のために自分の全てを捧げることはできない!」
阿修罗,没有察觉的不是我们,而是你,你太自我了。你这样自我的人,是永远无法理解帝释天大人的。你永远无法像他那样,为他人舍弃自己,付出一切!
【阿修羅】
「もういい、連れていけ。蘇摩と一緒に閉じ込めろ。姉に人との話し方を教えてもらえ。」
算了,把她带下去,和苏摩关押在一起,就让她的亲姐姐来教教她该怎么说话。
毘瑠璃を連れて行った後、阿修羅は再び善見塔の前にやってきた。
将毗琉璃带走后,阿修罗重新来到善见塔下。
【阿修羅】
「結界はどうだ?」
结界破解得如何了。
【燼天玉藻前】
「六つの結界を二人で解くのは無理がある。なので四人でやることに決めた。二手に分かれ、それぞれ三ヶ所の結界に力をぶつけて破壊する。私と晴明の力は相性が良い。南にある三つの陣眼を破壊する。酒呑童子と茨木童子には北の三つを任せた。」
六处结界只要两人破解未免有些吃力,我们已经商议好由四人破解,两两以力量相冲撞,各自破解三处。我与晴明的力量相性上佳,破解南三处阵眼,而酒吞童子与茨木童子二人则负责北三处阵眼。
【鬼切】
「俺にもやらせてくれ。」
我也想尽一份力。
【小白】
「二人の力の衝撃を利用して陣眼を破壊するには、力の転換をうまく制御する必要があります。二人の力の相性が良くないと、ぶつかり合ったり、転換しあったして陣眼を破壊することができません。」
两个人用力量互相冲击破坏阵眼,是需要适应阵眼中力量轮回转化的力度的。也就是两个人要力量相性好才可以,这样才可以一边互相争斗,一边又互相转化,冲破阵眼。
【鬼切】
「なるほど……」
原来如此……
【小白】
「それに今から始めても、結界を破壊するのに早くても明日の朝までかかります。途中で休むことはできませんよ。鬼切様、今日はお疲れでしょう。源頼光様と一緒に休んでください!」
而且就算现在开始冲阵,最快也要到明天清晨才能打破结界,在这期间是不能休息的。鬼切大人今天打头阵辛苦了,不如和源赖光大人一起去休息吧!
【晴明】
「阿修羅様も、今のうちに休んでおいてくれ。明日の戦いは阿修羅様にかかっている。」
阿修罗大人,不如趁现在你也去休息一下,明天你会迎来一场旁人无法代劳的恶战。
【阿修羅】
「迦楼羅、皆に伝えろ。今日はここで野営する。明日の朝に最後の一戦を仕掛ける。俺は辺りを散策してくる。」
迦楼罗,替我吩咐下去,今晚就在这扎营,明日清晨最后一战。我一个人出去走走。
【迦楼羅】
「はっ!」
是!
日が落ち、善見城は静寂に包まれて、家々が明かりを落とした。城中から人の気配が消えている。
夜色将至,善见城中十分安静,家家户户也都黑着灯,城中几乎没有人的气息。
【阿修羅】
「予め平民を移動させ、兵だけ残しておいたのか、帝釈天。お前らしいな。」
提前把平民赶出去,只留下士兵守城吗,帝释天。确实是你会做出来的事。
静寂の中、僅かに鐘の音が聞こえる。阿修羅は気になって、音のする方へ向かった。
然而死寂之中,却隐隐传来一阵钟声,阿修罗有些好奇,于是循着钟声走了过去。
【阿修羅】
「ここは……墓場か。弔鐘の音だったのか。善見城の人達はとっくに逃げたのに、墓守達が残っている。一体誰のために鐘を鳴らしているのだろう。おい、お前達、魔神軍は今日城まで攻めてきた。負けは決まっている。誰の命令で残っているのか知らないが、逃げるなら今のうちだ。」
这里是……墓园。这钟声,是丧钟吗。善见城中的人早已逃离,然而这些守墓人却还没有离开,今天敲响丧钟,不知是在为谁而鸣。喂,你们,魔神军今日已经攻入善见城中,败局已定。我不管你们是听了谁的命令守在这里,但是要逃跑,不如趁现在。
【祭司】
「私達はここから離れません。私達が管理しているのは普通の墓場ではありません。ここは天人の英雄達の墓場なのです。」
我们是不会走的。我们所守的,并不是普通的陵园,而是安息着天人一族英雄们的墓园。
【阿修羅】
「英雄か?どれどれ、天人の英雄とやらが、英雄の名に相応しいか見せてもらおう。」
英雄吗?那就让我看看,天人的英雄都是些什么人,是否该当英雄之名吧。
墓場には、まるで星のように夜空を駆け巡る、無数の心魂が燃えている。阿修羅は驚いた。墓に刻まれていたのは、翼の団の戦士達の名だった。
眼前的墓园之中燃烧着无数心魂,仿佛繁星满天,游走在其中像是在浩瀚的夜空中穿行。让阿修罗惊讶的是,墓园中刻下的名字,竟都是翼之团曾经的战士们。
【阿修羅】
「彼は、翼の団の三人目の軍医。彼は、竜巣城から戻ってくることができなかった。そして彼は……最後まで翼の団を裏切らず、俺と一緒に深淵の地獄に落とされた。苦痛に苛まれ、魔神に墜ちることを拒んでいた。彼に会った時、彼は俺に食ってくれと懇願した。この一番立派な墓は?」
这个人我记得,是翼之团的第三个军医。这个人我也记得,他是龙巢城没能回来的人之一。而这个……他到最后也没背叛翼之团,与我一起被投入深渊之狱,不堪忍受痛苦,又不肯堕落成魔神。在我遇到他时,他求我吃了他。这座最气派的墓是?
【祭司】
「あなたもこの方のために来たのですか?ここに眠っているのは天人一族の大英雄、かつて帝釈天様と共に鬼族を討ち、旧政権を覆しました。もしこの方がまだ帝釈天様のそばにいらっしゃったら、魔神軍が善見城に攻めてきても、返り討ちにしたでしょう。」
您也是为祭奠这位大人而来的吗?安眠在这里的大人,是天人一族的大英雄,曾和帝释天大人一起抵御鬼族,推翻旧制。如果这位大人还在帝释天大人身边的话,魔神一军就算兵临善见城下,打赢他们,也一定不在话下吧。
阿修羅は彼の話を聞きながら、墓石に刻まれた名前を見る。そこにあったのは、自分の名前だった。天人の墓には死者の心魂の欠片が供奉され、不滅の炎のように燃え続ける。この墓には炎がなく、代わりに墓の前に一枚の清らかな蓮花が置かれている。花びらには露が付いて光っている。
阿修罗顺着他的话,低头看向墓碑上的名字,却看到了自己的名字刻在了墓碑上。天人的墓上往往供奉着死者的心魂碎片,如同不灭的火焰般燃烧。这一处墓却没有自己的火焰,墓前只是放着一朵冰清玉洁的莲花,花瓣上露珠莹莹。
【阿修羅】
「……」
【祭司】
「阿修羅は英雄の名に相応しいと思いませんか?」
难道你不觉得阿修罗该当英雄之名吗?
【阿修羅】
「英雄の名?阿修羅は低い身分の出生で、無数の命を奪ってきた。英雄の名には相応しくない。」
英雄之名?阿修罗出身低微为世人所不齿,刚愎自用杀人无数,哪里称得上英雄。
【祭司】
「これは陛下のお言葉です。血筋で人の価値は決められません。過ちもその人を否定する理由にはなりません。運命のいたずらで、阿修羅が過ちを犯していたとしても、彼はやはり英雄です。」
陛下有令,血统不能决定人的价值,陛下仁慈,失误也不能成为否定他人的理由。即使命运使阿修罗错过,他也依然是英雄。
【阿修羅】
「今阿修羅はどこにいるか知っているか?」
那你可知道阿修罗现在身在何处?
【祭司】
「陛下が仰っていました。英雄は運命に屈しない、故に運命は彼らを彷徨わせる。だから王は私達に鐘を鳴らさせ、歌を歌わさせるのです。彷徨う英雄達の道しるべになるために。」
陛下曾说过,英雄从不肯低头于命运,所以命运使他们漂泊。因此王命我们鸣钟,命我们高歌,以在英雄徘徊的路上,为他指引归路。
それ以上聞きたくない阿修羅は、身をかがめて蓮花に触れた。墓石には自分の名前だけではなく、短い墓碑銘も刻まれている。阿修羅はそれを小さい声で読み上げる……
阿修罗并不想听他多说,而是弯腰去触碰那朵莲花。却看到墓碑上不仅有自己的名字,还有短短的墓志铭,于是小声地念出——
【阿修羅】
「「再会に杯を」。」
「敬重逢」。
【祭司】
「それは、帝釈天様が自ら刻んだものです。」
没错,是帝释天大人亲手所刻。
【阿修羅】
「悪くない出来だ。」
刻得还不错。
【祭司】
「ようやく返事をしてくださいましたね。阿修羅は歴史に残る正真正銘の英雄なのです。」
您总算是听进去了,阿修罗无疑是真正值得历史铭记的英雄。
【阿修羅】
「歴史に残る必要はない。歴史はまた動き出す。俺と彼の物語は、まだまだ終わっていない。」
铭记就不必了,历史也不会在这里停留。因为我和他的故事,还远远没有结束。